岩明均(原作)・室井大資(漫画)『レイリ』第四巻

画像こないだ『バイオレンスアクション』第3集が出たのに、1週間ちょっとで『レイリ』の第四巻。
なんだよ、今月室井大資月間かよ。
(『レイリ』のカバーにももう“沢田新の名義で原作をつとめる『バイオレンスアクション』”って書いてあるね)

ともあれ。
武田信勝を亡きものにせんとする刺客とレイリの激闘。
そして、レイリが敬愛する岡部丹波守が死守する高天神城を、武田家は見捨てることに。
…というのが、第三巻のあらすじ。

高天神城には援軍を送らないという武田家の決定が、当の高天神城には知らされておらず。
援軍を信じて果敢に籠城戦を闘う高天神城の将兵らはギリギリまで奮闘の末に使い潰される運命…と知ったレイリが、遂に立つ。
徳川軍の厳重な包囲網を潜り抜けて高天神城にたどり着いたレイリは、岡部丹波守との再会を果たし。
第四巻はそのような話向き。

援軍が来ないことを知った高天神城の将たちは“玉砕”を覚悟するが、よりによって誰よりも死にたがっているはずのレイリがそれを喝破。
武田信勝の思想を知り、(本人にそのつもりがなくとも)その影響を受けたレイリは、最早第二巻までの絶望にまみれた死にたがりの少女ではなく。
その命を“正しく”武略のための盾として使うことを願い出る。

それにしても。
第二巻でレイリを「失せよ!! 不吉な者!!」と退けた岡部丹波守が、死を覚悟の作戦を前に見せる柔らかい表情、そしてレイリに話しかける心からのねぎらいといたわりの言葉。
「こんな荒みきった戦場で最後に一輪の花…お前の顔が見られて嬉しかったぞ」

はい、泣きました、泣きましたよ。
漫画読んで泣いたの何年振りだろう。
考えてみりゃ岩明均には『寄生獣』でも泣かされてるからなあ。
その岩明の作劇と、それを余すところなく描写して見せた室井大資。
室井がここまで描けてなかったら、泣かされはしなかったのに。

そして作戦決行。
ここでダメ押し、最期の別れを前に、岡部丹波守ときたら。
「ゆけ!! 頼んだぞ!! わが娘よ!」
ええ、泣きました、また泣きましたよ。

そこから始まる地獄の闘い。
先ほどまでのムードは何処へやら、鬼神の強さで進むレイリ。
さっきまで息をしていた人間がたちまち肉塊と化す、『寄生獣』以来変わらぬ岩明均の殺戮描写。
(そして岩明が乗り移ったかの如くでありながら自らの個性を存分に発揮する室井大資)
その闘いの行く末は如何に…。

時に天正9年。
史実では翌年に武田家滅亡。
物語はいよいよクライマックスへと?
第五巻が待ち切れん。

ともあれ『レイリ』第四巻、20日より絶賛発売中。


(2025.2.28.改訂)

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