スイスの知られざる女性パンク・バンドによる2曲。ドイツのスタティック・エイジというレーベルから昨年リリースされていたが、こちらはアメリカのウォーター・ウィングというレーベルからこの6月にリリースされた盤。
スタティック・エイジからライセンスを得てリリースしたようで、スリーヴの裏にはスタティック・エイジのロゴもあるが、表面の写真は今回何故か逆版で印刷されている。
メンバー自身によると思われるライナーノーツ封入。
バンドの結成は1978年5月、チューリッヒにて。
メンバーはアストリッド・スピリヒ(ヴォーカル)、ダグマー・ハインリッヒ(ギター)、ロレダナ・ザンドネッラ(ベース)、ジッタ・グセル(ドラム)の4人。
全員、楽器の経験はなかったという。
4ヵ月の練習で4曲のオリジナルが出来上がり、NEONは1978年11月1日にチューリッヒで初ライヴを行う。
ライヴではネオン管を用いたセットを使っていたとか。
しかし活動は順調ではなく、フェスティヴァル出演を含む数回のライヴと1回のTV出演だけで、79年夏には解散したという。
活動期間は1年余りで、リリースもなかった。
ところが2016年になって、ダグマー・ハインリッヒが自宅で2曲を収録したカセットテープを発見。
それが今回の7inchとなった。
「Neon」「Nazi Schatzi」の2曲。
レコーディングは、まったく上手く行かなかったらしい1978年12月のTV出演に際して行なわれたモノ。
あんまり歪まないギターがペンペン鳴るシンプルかつプリミティヴな楽曲と演奏は、パンク・ロックというよりもちょっとポスト・パンクっぽい。
アストリッド・スピリヒのヴォーカルも、歌うというより語るという感じ。
(ちょっと芝居がかった抑揚もあったり)
この時点で結成から半年ちょっと、こういう風にしかならなかったんだろうけど。
左翼政党の集会で演奏していたそうだし、「Nazi Schatzi」という曲名からしても、ポリティカルな姿勢を持ったバンドだったことが窺われる。
(“Schatzi”は宝を意味するドイツ語の“Schatz”を“Nazi”に合わせてもじったと思われ)
NEON解散後、アストリッド・スピリヒは1981年1月にLiLiPUTの3代目シンガー“アストリッド・スピリット”となり、83年10月まで活動。
カート・コベインのフェイヴァリット・バンドのひとつとしても知られたLiLiPUTだったが、現在のアストリッドは“スピリチュアル・カウンセラー”とのこと。
ダグマー・ハインリッヒはアートの道に進み。
ロレダナ・ザンドネッラはオランダに移住し、現在はアムステルダム在住。
ジッタ・グセルは10年のニューヨーク暮らしを経て90年にチューリッヒへと戻り、現在は映画のディレクターをしているという。
(2025.3.5.改訂)
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