LED ZEPPELIN/PRESENCE(1976)

画像1988年、学生時代。
アトランティック・レコーズ創立40周年記念コンサートでの“再結成”パフォーマンスを観てLED ZEPPELINに興味を持った後輩がレコードも聴きたいと言い出したので、「コレが最高傑作だ!」と言って貸してやったのが『PRESENCE』だった。
後輩の感想は「あんまり良くない」というモノだった(苦笑)。

かつて多くの評論家がLED ZEPPELINの最高傑作(あるいは“後期の最高傑作”)と呼んだ7thアルバム。
“存在”“実存”を意味するアルバム・タイトル、全体を貫くずっしりしたヘヴィ・サウンドからしても、「Stairway To Heaven」で“To be a rock, not to roll”と歌ったバンドのひとつの到達点となったのは間違いないだろう。
アコースティック・ギターもほとんど使われず(「Candy Store Rock」のみ)。
キーボードに至っては全く排除され。
徹頭徹尾ヘヴィな1枚。

基本的に「Achilles Last Stand」とそれ以外、みたいなアルバム。
「Achilles Last Stand」がそれほどまでに凄かった。
アルペジオがフェイドインして来たと思ったら、次の瞬間からギターとベースとドラムが束になって10分、全速力で疾走する重戦車のように駆け抜けるヘヴィ・ロック。
特にジョン・ボーナムのドラムの爆走ぶりが凄まじい。
自動車事故のダメージから回復しておらずに車椅子でレコーディングに臨んだというロバート・プラントも、そんなことが信じられない咆哮を聴かせる。
得意のキーボードを封じられた(?)ジョン・ポール・ジョーンズも、シンプルなベース・ラインで突っ走る。
そしてジミー・ペイジのギター。
コレ、何本重ねてんのかな。
一人ギター・オーケストラあるいはウォール・オブ・サウンド。
下手なりに(?)頑張って組み立てる華麗なギター・ソロはジミーの特徴だが、ここでのジミーのギターに華麗さはかけらほども聴かれない。
シンプルなようでいて奇妙極まりない幾つかのリフを、ちょっとずつアレンジしながら繰り返して行く。
ソロもリフの延長線上みたいな扱い。
走り終えたと思ったら、再び冒頭のアルペジオでフェイドアウトして行く。

他の曲は(ラストのブルーズ「Tea For One」を除いて)“ファンキー”が裏のキーワードだったか。
ヘヴィかつファンキー。
「Royal Orleans」なんか、単にリズムだけ聴いてるとTHE METERSみたい。
(ただし、どヘヴィ)
それにしても「Royal Orleans」の邦題が今もって“ロイヤル・オルレアン”なのはどうにかしてほしい。
“ロイヤル・オーリンズ”だろ。

最近では「昔は音楽評論家のバイアスで最高傑作扱いされたけど、一番売れなかったアルバムじゃん」みたいな論調も目立つ気がするものの。
売り上げ枚数だけで評価を決定しちゃう態度も、それはそれで薄っぺらいよね。
(ちなみに売り上げ枚数はともかく、チャートでは全米・全英共に1位)
俺自身、昔はこのアルバムが最高傑作だと思い込んでいた、または思い込もうとしていたが。
今ではそうは思っていない。
アコースティック・ギターやキーボードも適宜フィーチュアしてヘヴィなサウンドとミックスしたり、あるいは全然違う方向に拡散させたりというのがLED ZEPPELINの持ち味で。
アコギもキーボードも封印してへヴィネスに徹した『PRESENCE』が、バンドのトータルな音楽性そのものの到達点や完成形だとは思わなくなった。
とはいえ、LED ZEPPELINのある一面に特化しての…先に書いたとおり“ひとつの到達点”であることは間違いないと思っている。
紛れもない傑作。

ともあれ本来多面体なLED ZEPPELINだ。
“To be a rock, not to roll”と絶唱してる同じアルバムにズバリ「Rock And Roll」なんて曲を入れちゃうのが、LED ZEPPELINの醍醐味だろう(笑)。


追記:
関係ないけど、その後”B'zはダサいか問題”が話題になった時も、「売れているのだからダサくない」と主張する人がたくさんいた。
いや、そうじゃねえだろって。

(2025.3.7.)

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