V.A./HARK! SONG OF OLDLAND(1973)

HARK! SONG OF OLDLAND.jpgこのブログに時々登場する“ひょんなことからタダで入手したレコード”のひとつ。

日本フォノグラムが、当時自社で扱っていた英国フォーク/トラッドのプロモーションのために制作して、レコード店に配布した非売品サンプラー。
70年代にはこの手のプロモーション用オムニバスがかなり作られていて、俺の手元にも何枚かある。

収録アーティストはA面がLINDISFARNE、MAGNA CARTA、イアン・マシューズ、ポール・ケント、マーク・エリントン。
B面がアンディ・ロバーツ、シェラ・マクドナルド、TIM HART & MADDY PRIOR、SHIRLEY COLLINS & THE ALBION COUNTRY BAND、MARTIN CARTHY & DAVE SWARBRICK。
計10組で15曲。
裏ジャケットの“マディ・プリオ”とか“マーティン・キャシィ”といったカタカナ表記に時代を感じる。
あと、MARTIN CARTHY & DAVE SWARBRICKは“デイヴ・スワブリック&マーティン・キャシィ”と、逆の順番で表記されていたり。

裏ジャケットのスリーヴノーツをそのまま転載してみよう。
以下(原文ママ)。


このアルバムは、日本フォノグラムのブリティッシュ・フォーク・キャンペーンのために作られたプロモーション・コピーです。
ブリティッシュ・フォークはハード・ロックに代って、イギリスのポップ・シーンの主流になりつつあります。
所が一口にブリティッシュ・フォークと言っても、いろいろなタイプのアーティストが活躍しています。
このアルバムでは、カリスマ、ヴァーティゴ、セプテンバー・プロダクションの3つのレーベルを代表するアーティスト達が選ばれました。
選曲の基準は、このアルバムを聴き進む程に、“よりイギリス的な音楽”へとその“イギリス度”が深まって行くようにした事です。
そして、それぞれの段階でのブリティッシュ・フォークを味わうと共に次第に濃くなる“イギリス度”に、耳を傾けて下さい。


以上。
なるほど。
…ってか、“ハード・ロックに代って…”って、随分強気に出たなー。

ともあれ、確かにA面はカントリーの影響が強めだったりポップだったりする曲が多い感じで(マーク・エリントンに至ってはアメリカ人だ)、B面に行くとグッとトラディショナル色が強くなる。
(B面は7曲中3曲が自作曲ではなくトラッド)
MAGNA CARTAなんかシタールやタブラまで入ってたり。
一方で、B面6曲目でマーティン・カーシーとデイヴ・スウォーブリックが取り上げているのがブレヒトの曲だったりも。

実際、このアルバム1枚聴いても英国フォークの多様さがよくわかるが。
その一方、A面のトラッドっぽくない連中でさえも、やっぱり強力な“イギリス度”を感じる。
(マーク・エリントンはアメリカ人だけど、バックはFAIRPORT CONVENTIONやFOTHERINGAYのメンバー)
A面1曲目のLINDISFARNE「Lady Eleanor」からもう、たまらんですよ。

ちなみに「Lady Eleanor」(1970年)は全英3位の大ヒット曲。
今聴くと随分渋く聴こえるが、確かに当時はポップ・シーンの最前線にあったのだった。
主流かどうかはともかくとして。


追記:
プロモーション用非売品で、俺がタダで手に入れたこのアルバム、今ではかなりの値段が付いている。

(2025.3.12.)

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