OLEDICKFOGGY、前作『グッド・バイ』(https://lsdblog.seesaa.net/article/201607article_2125.html)から約2年ぶりとなる6thアルバム。このアルバムについては、現在配布中のFOLLOW-UP Vol.175(https://lsdblog.seesaa.net/article/201803article_5.html)に掲載のインタヴューでメンバー自身が語ってくれていますので、まずはそちらを御覧ください。
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ともあれラスティック・ストンプな楽器編成は堅持したまま、楽曲の幅を広げに広げてジャンルの壁を軽々と乗り越えていくOLEDICKFOGGY…の最新形態が堪能出来る傑作。
『グッド・バイ』も素晴らしかったが、今度のアルバムがここまでの最高作ということで間違いはないだろう。
1曲目「Gerato」が“Jアラート”から来ていたということをインタヴューで聞いて目から鱗が2~3枚落ちたが。
それがアルバム・タイトルにもなっていることに、今のきな臭い世相にNOを突きつけるバンドの姿勢が明らかに出ている。
直截な言葉遣いを巧みに避けながら鋭く時代を撃つ。
もちろんそれだけじゃなく。
何しろ曲調も歌詞の内容も本当に幅広い。
目玉になるのはやはり「KUNG FU VACATION」「mud puppets me」「アステマ」という、中盤のダンサブル三部作だろう。
伊藤雄和曰く“ニュー・ウェイヴ”とのこと。
ラスティック・ストンプ自体がパンク以降の音楽、広義のニュー・ウェイヴ/ポスト・パンクの一種であることを考えれば納得。
OLEDICKFOGGYに限らない…ラスティック・ストンプと呼ばれるバンドのアルバムを聴けば、意外と様々な要素を取り入れていたりするモノだ。
サイコビリーの裾野の広さを考えれば、ラスティック・ストンプだってもっともっと幅を広げてしかるべきなのかもしれない。
それにしてもホントにいろいろやってる。
「汚れた詩情」のリフなんて、ほとんどIRON MAIDENじゃん(笑)。
しかもそれをギターとアコーディオンでユニゾンするという…。
アコーディオン以外の鍵盤類はほとんどOLEDICKFOGGYに加入してから弾くようになったというyossuxiだが、当のアコーディオンでIRON MAIDENみたいなリフを弾くことになるとは、加入当時は予想もしていなかったに違いない(笑)。
しかもそのメタル・リフにバンジョーとマンドリンが絡むのである。
アルバム全編通して、TAKE(ウッドベース)と大川順堂(ドラム)のリズム・セクションの対応力にも舌を巻く。
歌詞も然り。
いつも鋭い押韻のセンスを見せる伊藤雄和だが、「flexible」での“flexible”と“降り頻る”を掛けるあたりには唸らざるを得ない。
そして、どうやってもフレキシブルなんぞになれるはずもない自分を顧みる。
「薄荷煙草とギムレット」に出てくる“陪堂(ほいと)”なんて、何十年ぶりに聞きましたよ。
(今の若い人はわからないのでは?)
そしてアルバムは「ベターエンド」で余韻を持って終わる。
曲中には“ベターエンド”という言葉は出て来ない。
“バッドエンド”と“ハッピーエンド”の狭間で、伊藤雄和はベターな明日を模索し続ける。
『Gerato』、本日リリース。
今から次作が楽しみで仕方ない。
(2025.4.4.改訂)
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