映画『THE COLLECTORS~さらば青春の新宿JAM~』

画像昨年末、37年の歴史に幕を下ろした新宿JAM。
俺は結局、閉店が決まってから一度も顔を出せずに終わってしまったが。
閉店直前の2017年12月24日に、THE COLLECTORSがライヴをやっていた。
その模様を中心に、COLLECTORSとJAMにまつわるあれやこれやを切り取った映画。
監督はこのブログでも紹介した『オールディックフォギー/歯車にまどわされて』(https://lsdblog.seesaa.net/article/201607article_2221.html)他で有名な川口潤。

もう少し新宿JAMそのもののあれこれに光を当てた映画になるのか、と思ったが、結果的にはタイトル通り、THE COLLECTORSのドキュメンタリーと言うべき。
まあそれでイイと思う。
COLLECTORSと関係ないJAMのいろいろな面をも掬い上げようとしたら、105分なんて到底収まらないだろうし、焦点のぼやけた映画になってしまっただろう。
それでも、店内に貼られた様々なバンドのステッカーの中に、今はまったく消息を聞かない桜の花満開の下のモノがあったりして、なんだかしみじみしてしまった。

1986年に結成されたTHE COLLECTORS。
87年にメジャーデビュー。
当時の宝島なんかではいわゆるネオGSのひとつとして紹介されていたが、そのへんがある程度戦略的だったことも、映画の中では明かされている。
そのへんの戦略はどうあれ、本人たちは一貫してモッズだった。
しかし独特の日本語詞をフィーチュアしてメジャーで勝負出来るバンドとして存続し続け、昨年は30周年記念ライヴを日本武道館で開催している。
そんなバンドの魅力を、初期を知る人々(黒田マナブ、片寄明人、真城めぐみ、リリー・フランキー他)や、メンバーの息子でもおかしくない(?)年齢のTHE BAWDIESなどが語って行く。
もちろんメンバー自身も思い出を語る。
当時ほとんど情報のなかったモッズなるモノを東京の若い野郎どもがどのように掘り下げて行ったかは、非常に興味深い。

初めてのワンマン・ライヴが新宿JAMだったというTHE COLLECTORSだが、その後ずっとメジャーなシーンで活躍を続けてきたワケで、JAMに出演していたのは初期の数年に過ぎない。
モッズにこだわりながらも、一方それでミュージシャンとして飯を食うという難度の高いミッションを続けてきたバンド。
それだけに、通過点としてのJAMに対する視点に感傷はない。
(ネタバレになるので具体的な発言については触れない)
しかし、JAMの閉店直前にいきなり実現したライヴ(武道館で演るクラスのバンドが、あんなちっちゃいハコで!)は、古巣に対する大きな捧げ物となった。
こだわりの衣装選びには、加藤ひさし(ヴォーカル)と古市コータロー(ギター)の静かな、力まぬ気合が窺われる。

そして実際のライヴと、現存していた30年前の希少なライヴ映像が交互に映し出される。
かつての演奏がやはりというかややパンクっぽくもある一方で、楽曲自体は今聴いてもまったく違和感のないポップさ。
あと、お客の気合入ったモッズ・ファッションやスクーターの数々も当然見モノだ。
そのへんは是非実際に観て確認していただきたい。


『THE COLLECTORS~さらば青春の新宿JAM~』、11月23日(金・祝)より、新宿ピカデリー他にて公開。


(C)2018 The Collectors Film Partners


(2025.6.25.改訂)

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