先月新大久保EARTHDOMでのライヴをレポートしたENOUGH TO ESCAPE。そのヴォーカリストである岡崎幸人(ETERNAL ELYSIUM)が主宰するコーニュコピア・レコーズからはENOUGH TO ESCAPEともう1バンドがリリースされていたんだが、紹介がすっかり遅くなってしまった。
THE OUTBURN『DEPARTURE』(画像)
愛知県の4人組。
コレが2枚目の音源だそうで。
元々はトリオ編成だったのが、前作リリース後にメンバー交代があったとのこと。
現在の編成はTEN(ヴォーカル)、Takeda(ギター)、HAZI(ベース)、Lill(ドラム)の4人。
音楽的にはKYUSSやFU MANCHUやNEBULAあたりの海外ストーナー勢、そしてハードコアの影響もありそうなストーナー・ロック/ヘヴィ・ロック。
実際メンバーは元々ハードコアやパンク出身のようで、前作はもっとハードコア寄りだった様子。
一応EPということになっているものの、4曲で33分はLP時代だったらフルアルバムで通用するヴォリューム。
で、重さもあれば勢いもあるストーナー・ロックをプレイしているんだけど、日本語詞(一部英語も混じる)の内容が興味深い。
なんか凄く前向きな感じの。
まあレーベルの盟主ETERNAL ELYSIUMも最近はドゥーミーな音に前向きな歌詞だが、それともまた違う。
“一人になる勇気を持て/孤独な此処がスタート”(「Saharan」)
“目を覚ませ/この流れ/舵をとれ/その定め/這い上がれ”(「Under Water」)
“太陽が昇る時/もう一度歩き出そう”(「Fighting Gate」)
“視界不良な/時が訪れても/受け入れよう”(「Blind Corner」)
4曲全部がこういう感じ。
そのようにポジティヴな歌詞が、ヘヴィでラウドなストーナー・ロックに乗っている。
あんまりいないタイプだと思う。
ユニーク。
録音はもちろんSTUDIO ZEN。
ENOUGH TO ESCAPE『FORTUNES』
で、先日ライヴを観たENOUGH TO ESCAPE。
メンバーは岡崎幸人(ヴォーカル)、エリック・クローゲル(ギター)、ダニエル・ソネゴ(ギター)、クリス・ミリントン(ベース)、マイケル・クィッグリー(ドラム)の5人。
2017年に録音していた自分たちのアルバムにヴォーカルを入れようと思い立ったシドニーのインストゥルメンタル・バンドが、結局ミックスとマスタリングを担当した岡崎にヴォーカルを依頼してこのラインナップになったとのこと。
オーストラリア人のメンバーは全員キャリア豊富で、特にマイケルはプロのドラマーとしてあちこちで活躍しているという。
サウンドはドゥーム・メタル+ポスト・メタルとでもいうか。
あちこちで乾いたギターの音がサウンドトラックのSE風に挿入されるのは、アメリカーナ路線に行ってからのEARTHっぽくもあり。
(サンプリングによると思われるSEもある)
そこに岡崎があの独特の声で、日本語の歌詞を乗せる。
あの独特の…と言っても、「Prism」などでのファルセットやウィスパーっぽい歌唱をはじめとして、いろいろな歌い方を試している感じ。
歌詞がライヴの時よりもずっと聴き取りやすいのはもちろんなんだけど、一方歌詞カードはデジパックのトレーに印刷されていてちょっと読みづらい(苦笑)。
ともあれ岡崎が書いた歌詞とはいえ、アルバムや楽曲のコンセプトはシドニーの4人によるモノなので、その方向性に沿った歌詞になっていて、ETERNAL ELYSIUMとの違いが興味深い。
ヴォーカルと演奏陣が北半球と南半球に分かれているので、コンスタントかつ身軽な活動は難しいかも知れないが、今後も是非続けてほしいモノです。
どちらも3月24日から発売中。
(2025.8.14.改訂)
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