THE TIGERS/THE WORLD IS WAITING FOR US(1968)

TIGERS.jpg以前にも書いたが、サイケをかじり始めた80年代後半、ない金をはたいてグループ・サウンズのレコードを買っていた時期があった。
そんな中の1枚。
1968年4月に公開された、ザ・タイガース初の主演映画『ザ・タイガース 世界はボクらを待っている』のサントラ盤。

映画自体は、一度も観たことがない。
しかしブックレットにはあらすじが記載されていて。
もの凄くざっくり書くと、地球に不時着したアンドロメダ星の王女シルビイ(久美かおり)が人気バンド、ザ・タイガースのヴォーカリスト、ジュリー(沢田研二)に惚れてしまい、彼をさらってアンドロメダ星に連れて行こうとするが、結局ジュリーは自分だけのものではなくみんなのものなのだ、と悟ったシルビイはジュリーを地球に戻し、そしてタイガースは演奏を続けるのだった…みたいなお話。
タイガースの強烈なエレキ・ビートで宇宙船が飛行に支障をきたす、という設定で、ジュリーが連れ去られないようにバンドが一生懸命演奏すると、ジュリーを乗せた宇宙船が安定を失い…って、まるでマクロスみたい(?)。

唯一の新曲「イエロー・キャッツ」と、インストゥルメンタルにアレンジされた「銀河のロマンス」(コレは明らかにザ・タイガースの演奏ではない)を除くと既発曲ばかりが集められているが、映画の内容に従って歓声がかぶせられたりしているだけでなく、曲間に映画の台詞が挿まれている点が何よりの特色だろう。
そのおかげで、映画の内容がより生々しく伝わってくる。
特に、なかなか起きない他のメンバーを起こそうとするサリー(岸部おさみ)の孤軍奮闘ぶりには笑ってしまう。
メンバー5人だけでなく、マネージャー・中江役のなべおさみ(最近謎のスピリチュアリストとして話題に…)の声も聞こえる。
残念ながら久美かおりの声は収録されていない。

見開きジャケットのデザインはちょっとTHE BEATLES『YELLOW SUBMARINE』風だが、ブックレットにこれでもかと掲載されたザ・タイガースの写真の数々を見ると、当時のバンドの人気ぶりがよくわかる。
純白のミリタリー・ルックやビート・グループ然としたベスト姿、サイケデリックの時代を感じさせるラメのシャツ、パジャマ姿、そして女装…。
(サリーがサリーを着ている!)
ぬいぐるみを抱いて座っている沢田研二の姿など、この頃の彼らは本当にアイドルだったんだなあと。
で、実際アイドル然としたポーズが実に様になってるんですよ。

ブックレットにはちょっとしか写っていないが、シルビイの従者役であの天本英世も出演。
更に小沢昭一(!)まで出演していたという。
機会があったら映画も観てみたいね。

ヒロインであるシルビイを演じた久美かおりは、元々歌手としてデビューした人で、整った顔の美人さん。
(日本レコード大賞の新人賞も受賞している)
しかし彼女はザ・タイガースの映画で3作続けてヒロインを務めた後、1970年3月には芸能界を引退してしまったとのこと。
当時まだ20歳そこそこだった。


(2025.10.15.改訂)

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