THE BEATLES/RUBBER SOUL(1965)

BEATLES.jpg“今日の旧譜”でTHE BEATLESを取り上げることなどあるまいよ…と思っていたけど、まあなんだかんだの流れで、遂に登場。
俺が初めてCDで買ったBEATLESのアルバムがコレだった。
(LPは確か『LET IT BE』だったかなあ)

まあ今更俺が言えるようなことはあんまりない。
(じゃあなんで取り上げるんだよって話だが)
ともあれこのアルバムって、ひょっとしてTHE BEATLESの最高傑作なんじゃないかと思うことがある。
初期に得意としていた、聴き手を煽るような速いR&Rもなく。
そのR&Rナンバーを含めて初期の重要なレパートリーだったカヴァー曲もなく。
次作以降の一部で聴かれる、一聴しただけではよくわからないような実験性(あるいはサイケデリックさ)もなく。
『ABBEY ROAD』の、“出来上がってしまった感”(あるいは終末感)もなく。
『LET IT BE』のとっ散らかった感(あるいは寄せ集め感)もなく。
ウェルメイドな、聴きやすい、メロディアスでポップなロックだけで構成されている。
そう、ポップな“ロック”。
1965年…ボブ・ディランがエレキ・ギターを手にしたのとBEATLESがこのアルバムを出していわゆる中期に入ったのが、よく言われるように“ロックンロール”から“ロック”への転機であった。

それにしても曲がよく書けている。
約36分で14曲も入っていて、それでいて捨て曲などあるはずもなく。
(ところがリンゴ・スターが歌う「What Goes On」はTHE QUARRYMEN時代に書かれたモノだとかいうのだから恐ろしい)
「In My Life」は、それまでテキトーに歌詞を書いていたジョン・レノンが初めて意識的に歌詞に取り組んだ楽曲とされている。
(コレは謙遜だろう。それ以前に「Help」の赤裸々な歌詞がある)

その後の強烈な実験性こそないものの、レコーディング・アーティストとしての進歩は前作までの比ではない。
それまでジョージ・マーティンに従ってスタジオ入りしていたTHE BEATLESは、このアルバムからジョージの助けを借りつつ自分たちがレコーディングを完全にコントロールするようになったという。
で、このアルバムまでの曲は、恐ろしいことにまだライヴで演奏されていたんだよなあ。
「Nowhere Man」とか「If I Needed Someone」とか。
すぐに4人だけでステージで再現出来ないところに行き着くのは、ある意味当然だった。

ってえか1965年にコレかよ。
翌年にはアメリカでガレージ・パンクが爆発するが、65年の時点でTHE BEATLESがここまで洗練されていたのだから、初期衝動で金玉がパンパンだったアメリカのサヴェージな若い野郎どもは自分たちで野蛮なビートを奏でるしかなかったということか。


(2025.10.22.改訂)

この記事へのコメント


この記事へのトラックバック