CANDLEMASS@渋谷CLUB QUATTRO

CANDLEMASS.jpeg13日。
エピック・ドゥーム・メタルの祖CANDLEMASS、初の単独来日。
東京と大阪で1回ずつ。
東京公演は渋谷CLUB QUATTROだった。

CLUB QUATTROは、東日本大震災直後にウィルコ・ジョンソンを観て以来8年ぶりではなかったか。
開演予定の19時ギリギリにフロアに入る。
場内は超満員。

定刻から10分ほど経って場内暗転、SEと共にメンバーが登場する。
現在のバンドはレイフ・エドリング(ベース)、ヨハン・ラングクウィスト(ヴォーカル)、マッツ“マッペ”ビョークマン(リズム・ギター)、ラーズ“ラッセ”ヨハンソン(リード・ギター)、ヤン・リンドー(ドラム)の5人。
そのうち3人がオリジナル・メンバー。
ほぼすべてのソングライティングを手掛けてきたバンドのリーダーたるレイフ(グラスの赤ワインをちびちび飲んでいた)も、昨年32年ぶり(!)に出戻ったヨハンも、見た目はすっかりおじいちゃんだ。
アゴヒゲを箒のように伸ばしているヤンは、NEUROSISから来ましたみたいな感じ。

名作『NIGHTFALL』(1987年)からの「The Well Of Souls」でライヴがスタート。
いきなりメサイア・マーコリンが歌っていたレパートリーで始まったが、ヨハン・ラングクウィストのヴォーカルにはまったく違和感がない。
メサイアのようにオペラティック(?)に歌い上げるタイプではないながら、『EPICUS DOOMICUS METTALLICUS』(86年)当時よりもむしろ上手くなっている。
会場の出音も驚くほどクリア。
『TALES OF CREATION』(89年)からの「Dark Reflections」に『ANCIENT DREAMS』(88年)からの「Mirror Mirror」とメサイア在籍時のレパートリーが続くも、ヨハンは自分のスタイルで難なく歌いこなして行く。
基本的にスローでヘヴィな音楽性、しかしメンバーは予想以上によく動く。
特に長いアゴヒゲを三つ編みにして、時々がに股気味に腰を落としながらフロアのあちこちを指差すヨハンは、まさにエピック・ドゥーム・メタルの伝道師といった趣。

最初のMCはやはりというか(?)レイフ・エドリングが担当。
「モンスターの曲だ」と言って、ここで今年リリースされた最新作『THE DOOR TO DOOM』から「Astorolus-The Great Octopus」を披露。
そして出ました、『NIGHTFALL』からの「Bewitched」、そして「Dark Are The Veils Of Death」。
ここでもヨハン・ラングクウィストのヴォーカルにいささかの違和感もなし。

曲中のソロはすべてラーズ・ヨハンソン(サウスポー)が弾いていたが、オリジナル・メンバーであるマッツ・ビョークマンは印象的なリフ以外に、アコースティック風のパートも担当。
マッツのギターとヨハン・ラングクウィストのヴォーカルで始まった「A Sorceror's Pledge」で、遂にヨハンが歌っていた1stアルバム『EPICUS DOOMICUS METALLICUS』のレパートリーが炸裂。
転調後に“オーオーオー…”というオーディエンスの大合唱が巻き起こり(アルバムと違ってヨハン含む全員の声が野太い…)、ヤン・リンドーのツーバスがドカドカと疾走。

と、ここでバンドは引っ込んでしまった。
ここまで50分。
本編50分。
えっ…と思ったが、すぐに戻ってきたバンドは、その後『EPICUS DOOMICUS METALLICUS』からの曲ばかりを40分に渡ってプレイしたのだった。
本編+アンコールというよりは、二部構成と言うべきだったかも知れない。
「Demon's Gate」で、俺を含むフロア全員が「うおおおお」となる。
ヨハン・ラングクウィストの声は昔のアルバムに較べると随分しゃがれているものの、先述の通り歌唱力自体はむしろ向上していて、更に声量も十二分。
声質の変化も相まって、時々ロニー・ジェイムズ・ディオみたいに聴こえる。

続いてレイフ・エドリングが弾き始めたベース・リフが「Crystal Ball」で、これまた場内大合唱となる。
フロアの熱い反応にはメンバーも感じ入ったようで、レイフはMCで「もっと日本来ないとな~」と。
そして「Under The Oak」から、ラストはもちろん「Solitude」。

計1時間半、はっきり言って短いライヴだったとはいえ、内容は素晴らしかった。
健康が万全でないらしいレイフ・エドリングの体調を考えると、多分妥当な演奏時間だったのだろうし、終演後に漏れ聞こえてきたファンの声は「過去最高」というモノばかりだった。
俺は初めてのCANDLEMASSだったので過去の来日ライヴと比較出来ないし、内心ではメサイア・マーコリンが歌うライヴを一度観たいという気持ちもあるのだが。
(まあそれはもうないんだろうな)
ともあれグレイトでした。


(2025.11.3.改訂)

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