ワード・レコーズの2枚(AVATARIUM+BLIND GUARDIAN TWILIGHT ORCHESTRA)

avatarium.jpgAVANTARIUM『THE FIRE I LONG FOR』(画像)

先日の来日ライヴも素晴らしかったCANDLEMASSのリーダー、レイフ・エドリング(ベース)が2012年に立ち上げた別バンドの4thアルバム。
俺はこのアルバムで初めて聴いた。
レイフは既にこのバンドからは離れているが、本作でも3曲を提供している。
現在のメンバーはジェニー=アン・スミス(ヴォーカル)、マーカス・ジデル(ギター)、リッカード・ニルソン(キーボード)、アンドレアス“ハボ”ヨハンソン(ドラム)に、ライヴのみ参加というマッツ・リッドストロム(ベース)という5人。
マッツはスタジオ録音には参加しないらしいものの、グループ写真には5人写っているので、サポートというワケでもなさそう。
レイフ脱退後のバンドの中心は元ROYAL HUNTでCANDLEMASSの近作のプロデュースにも関わっているマーカスと、強力なヴォーカルを聴かせるジェニー=アン。
CANDLEMASSほどドゥーミーではなく、どっちかと言えばクラシック・ロック/ハード・ロックに寄った音で、CANDLEMASSよりかはむしろSPIRITUAL BEGGARSあたりとファン層がかぶりそうなタイプのサウンド。
(あとギリシャのFREEROCK SAINTSとか)
とはいえ1曲目「Voices」あたりではまさにCANDLEMASS直系という感じのヘヴィなギターを聴かせたり。
明快なハード・ロックも多い一方で、あちこちに妖しいムードが漂う。
きれいなソプラノとかではなくひっかかりのある声質のジェニー=アンのヴォーカルはかなり幅広い表現力で、ロニー・ジェイムズ・ディオなんかをも思わせるコブシの効いたパワフルな歌い上げを披露しつつ、バラード系の曲はしっとりと。
個人的にはマーカスのギター以上にリッカードのオルガンの音色にやられた。
「Voices」をはじめとして、随所でもの凄くカッコいいオルガン・ソロが飛び出す。
曲によってはロニー時代のRAINBOWのファンなんかにもお勧め。


BLIND GUARDIAN TWILIGHT ORCHESTRA『LEGACY OF THE DARK LANDS』

うわー、BLIND GUARDIANなんて何年ぶりに聴いただろう…と思ったが、コレは名義を見てもわかるとおり、通常運転のBLIND GUARDIANではない。
ハンズィ・キアシュ(ヴォーカル)とアンドレ・オルブリッチ(ギター)以外のバンド・メンバーは参加しておらず。
しかもアンドレは“オーケストラル・コンポジション”とクレジットされていて、ギターを弾いてない。
お得意のエピカルなパワー・メタルではなく、演奏はすべてプラハ交響楽団が担当する、完全にオーケストラルなアルバム。
少し前に紹介した、イアン・ギランがモスクワでオーケストラと共演したライヴ盤(コレもワード・レコーズからのリリース)はあくまでバンド+オーケストラだった。
こちらはアンドレが曲を書いてハンズィが歌い、演奏は完全にオーケストラのみ。
ハンズィとアンドレはこの作品を20年以上前から構想していたのだという。
(名義が1990年のアルバム『TALES FROM THE TWILIGHT WORLD』を思わせるのも納得だ)
内容はハンズィとアンドレがドイツ・ファンタジー文学の巨匠マーカス・ハイツと協力して出版した小説『DIE DUNKLEN LANDE』の続編になっているとのことで、プロテスタントとカトリックの対立から神聖ローマ帝国が解体に追い込まれた三十年戦争(1618~48年)を舞台に、傭兵ニコラスの謎めいた冒険が語られている。
全24曲というヴォリュームながら、半分は語り/寸劇で、元になった小説を未読の身には荷が重いかと思ったものの(ってかそれドイツ語だよね…)、音楽的な完成度の高さで一気に聴き通せた。
それにしてもオーケストラをバックに堂々たる歌唱を聴かせるハンズィ凄いねー。
ちなみに三十年戦争については先日発売された『勢力マップで学ぶ世界史』(https://lsdblog.seesaa.net/article/201911article_4.html)を御参照あれ(←宣伝)。


どちらも22日リリース。

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