マリア観音@新大久保EARTHDOM

KIMG0281.JPG本日。
午前中から酒飲みながら電車に揺られる。
マリア観音が年に2回だけやっている、日曜昼間のワンマンライヴへ。
日曜の12時からライヴなんて、数年前のD・O・Tレコ発以来だ。
余裕を持って家を出たのに、途中で電車が止まってしまい、ギリギリでフロアに入る。
EARTHDOMに椅子が並んでいるのを初めて見た。
幸いにも前の方(もちろん一番端)に空いている椅子を見つける。

定刻を7分ほど過ぎて、メンバー登場。
1曲目は「帰らぬ人」。
俺がこの曲をナマで聴くのは初めて。
ドラムのイントロからオルガンが入るが、すぐにピアノに移行。

続いてこれまたライヴでは初めて聴いた「病床」。
バラードと言ってしまっていい曲調で、ここでもピアノが効果的に鳴らされる。
a_kiraは今回のライヴでギターを弾かず、鍵盤のみ。
それはそれでOKだと思う。
オルガン・ロック的にも響くマリア観音の楽曲だが、今回のライヴ前半ではピアノが多用された。

ライヴで聴き慣れた「冬の蝶」でもオルガンではなくピアノが用いられる。
それにしても毎回よくこれだけアレンジを変えてくるモノだ。
ここまで3曲で20分余り…マリア観音としては幾分、いや随分あっさりしたステージ運びに感じる。
正午からのライヴを“早朝練習”と言う木幡東介(ヴォーカル)のMCに咳が混じる。
どうやら風邪らしい。
全体にMCが少なめだったのはそのせいか。
しかし楽曲本編での歌唱にはまったく問題がなく、歌詞ははっきりと聴き取れる。
続く「絶滅」からは木幡のアクションもどんどん加熱し、銅鑼を叩きまくる。
a_kiraはピアノだけでなくフリーキーなシンセも聴かせ。

「義眼」ではa_kiraがオルガンからピアノ、またオルガン、更にシンセと自在に移り変わる。
そして「静かな夜」へ。
一時たりとも動きを止めない木幡東介の衣装は汗にまみれ、8ビートで楽曲を下支えするようなプレイを一切しない平野勇(くわえ煙草で笑顔)はニュアンスに特化したドラミングでめった斬り。
そしてベースの4弦の間をめまぐるしく動く木幡(伊藤)明子の指。
TEXACO LEATHER MAN時代の倍は上手くなっているのでは。

ハイライトは、本編ラストとなった「川鼠」。
(「刺生活」を含む)
平野勇による凄まじいドラムのイントロから、a_kiraのシンセやオルガンが唸りを上げ。
木幡東介がフロアに設置された小さいドラムセットを叩き始めると、緊迫感は最高潮に。
ジャジーなベースで合わせる木幡明子。
独自のリズム感に則りシンコペーションを多用する木幡東介のドラミングに、クリスチャン・ヴァンデ(MAGMA)を連想するのは俺だけではないのではと思う。
(木幡東介とヴァンデはリズムや音に対する感覚やアプローチがかなり似ている気がする)
やがてフロアでのドラム・ソロに入り、猛然と叩きまくりながら時々ステージを振り返る木幡東介。
そんな木幡東介を凝視する木幡明子を中心に、俺にはまったく理解出来ないタイミングで“合いの手”を入れるステージ上の3人。
その緊張感たるや。
演奏におけるテンションとかハイテンションとかいう言葉を、このバンド以外には安易に使えないな、と思ってしまう。

アンコールは「もう演る曲がない」と言って「漆黒界」。
(決してレパートリーが少ないワケではない。「川鼠」と「刺生活」のように、1曲の中に複数のレパートリーが溶け合っているのが今のマリア観音だ)
木幡東介はやはり本調子ではなかったのでは、と思ったものの、それでも最大限の熱量で駆け抜けた。

このバンドについてはライナーノーツやインタヴューの仕事も含めて何度も書いてきたが、いまだ適切に書けたと思えたためしがない。
しかし演奏の強度やテンションに関しては、現在関東でライヴ活動をしているバンドの中でも間違いなく最強であろうことは断言出来る。
このブログを御覧の皆様でマリア観音を未見という人がいたなら、是非一度そのライヴを体験してほしいと思う。


(2025.11.5.改訂)

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