KING OF RHYTHM GUITAR

WHO MY GENERATION.jpg昨日・5月19日はTHE WHOのピート・タウンゼンドの75歳の誕生日だったのだそうで。
ネット上ではあちこちでピートの誕生日を祝う声が上がっていたが。
それらの中に”世界一のリズム・ギタリスト”というのがあった。
ほう、世界一のリズム・ギタリストとな…。

バンドの花形はギター、それもリード・ギター…というのはいわば常識。
(もちろんヴォーカルもだが、ヴォーカリストのいないインストゥルメンタル・バンドは多数あっても、ヴォーカリストがいてギタリストがいないバンドはそんなに多くないワケで)
しかし、耳にガツンと残るリフ・ワークで楽曲の印象を決定的なモノにするリズム・ギターの名手もまた多い。
ピート・タウンゼンドが世界一?
どうだろう、異論も多そう。

例えばSCORPIONSのルドルフ・シェンカー。
「Blackout」や「Big City Nights」イントロのカッコよさ…まずイントロをリードするリズム・ギターのシャープなリフがあって、そこに斬り込むリード・ギターのフレーズ。
2本のギターの絡み…うん、実にカッコいい。

例えばAC/DCのマルコム・ヤング。
ほとんどミニマルとさえ言いたくなるシンプルなリフの美しさ(そう、実に美しい)は、どうかするとルドルフ・シェンカー以上。
いろいろな名曲を思い浮かべる人がいると思うが、個人的には「Who Made Who」。
(って、真っ先にこの曲挙げる人ってあんまりいないかもな…)
アンガス・ヤングの細かいリフが入ってくるまで(いや、そのあともしばらく)、”ジャッジャ~ン、ジャッジャ~ン”という2音だけのリフをひたすら繰り返す。
まさに引き算の美学とでもいうか。

あるいはGRATEFUL DEADのジェリー・ガルシア。
またあるいはTHE VELVET UNDERGROUND時代のルー・リード。
音楽性はまるっきり違うものの、この二人はタイプとしてはけっこう近い部類で、何処までも転がっていくようなリフを反復し、特に長尺の曲で威力を発揮する。
(ルドルフ・シェンカーやマルコム・ヤングと違ってリズム・ギターとしての固定したポジションではなく、リードもかなり聴かせる点でもこの二人は共通)
ルーの方がかなり尖っているが。
個人的には「What Goes On」のライヴ・ヴァージョンでのリフ・ワーク。
オルガン・ソロとの絡みは、ほとんど射精しそうな気持よさだ。
(いや、射精しないけど)
FAUST「It'a Rainy Day, Sunshine Girl」のギター・リフなんかは、ルーの影響がかなり大きいのではと思う。

楽曲単位で言えば、THE AMBOY DUKES「Journey To The Center Of The Mind」でのスティーヴ・ファーマーもかなり素晴らしい。
(この曲が飛び抜けていて、他の曲ではそれほどでもない気がしてしまうんだけど)

ただ、本来リズム・ギターというのは、バンドに二人のギタリストがいて、もう一方がリードをプレイするからこそのリズム・ギターなのであって。
(先述の「What Goes On」ではリード・ギターではなくオルガンとの絡みだが)
その点、ギタリストが一人しかいない4人編成のバンドなのに”世界一のリズム・ギタリスト”などと言われてしまうピート・タウンゼンドのなんと特異なこと!
リードは?
ねえリードは?
THE WHOの場合、それはベースとドラムが担っているのだった…。
(いや、もちろんピートもソロ弾くけどさ)


(2025.12.23.改訂)

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