MARBLE SHEEP & THE RUN DOWN SUN'S CHILDREN/TWIGA(1993)

MARBLE SHEEP TWIGA.jpg80年代から00年代まで、解散と再結成を経つつ活動したMARBLE SHEEP & THE RUN DOWN SUN'S CHILDREN。
(再結成後はMARBLE SHEEPと短縮したが、このCDでも背の表記はMARBLE SHEEPであり、帯にもカタカナで”マーブル・シープ”と書かれている)
その間に音楽性は変転を重ね。
多数のリリースがある中で、俺が一番好きな彼らのアルバムがコレ。
キャプテン・トリップ・レコーズ3番目のリリース。
(この時点のキャプテン・トリップはMARBLE SHEEP & THE RUN DOWN SUN'S CHILDRENの音源だけを出していた)

いわゆるクラウト・ロックあたりの影響も強いヘヴィでアヴァンギャルドな音を出していた初期から、HAWKWINDばりのハード・サイケに移行。
しかしMARBLE SHEEP & THE RUN DOWN SUN'S CHILDRENその人である松谷健(ギター、ヴォーカル)の志向は更に変化。
キャプテン・トリップ初のリリースとなったアルバム『BIG DEAL』(1992年)で、トロピカルな感覚を前面に出したライトでヌケのいいサイケデリック・サウンドを聴かせる。
この後に出たライヴ盤『PSYCHEDELIC PARADISE LIVE '94』(95年)と並んで、その方向性を極めたのが『TWIGA』だった。

水を飲むため首を下ろしているキリン…を図案化したジャケットに象徴される、南国的な風味。
ツイン・ドラムと女性コーラス隊を含む大編成で、何処までも軽さを追求した、楽園を志向するサイケデリック・ロック。
GRATEFUL DEADやTHE ALLMAN BROTHERSやTHE DOOBIE BROTHERSあたり(いずれもツイン・ドラム編成だった)あたりの影響を日本で消化し切った音を聴かせている。
そして「You Are The Pride Of Us」「Sun's Children(Ultra-Man)」といった曲で聴ける親しみやすいメロディと、松谷健のヘタウマにして味わいを感じさせる歌唱。
このアルバムは本当によく聴いたなあ。

しかしこのアルバム、松谷健によれば「全く売れなかった」とのこと。
PHISHが初来日を果たして、いわゆるジャム・バンドがブームのようになるのは、数年後のこと。
MARBLE SHEEP & THE RUN DOWN SUN'S CHILDRENは早過ぎたのだ、と思っている。
(俺自身、80年代だったらこの音の魅力はわからなかったに違いない)

『PSYCHEDELIC PARADISE LIVE '94』を最後に、バンドは解散。
一方でキャプテン・トリップからはCHINA CATSや再編QUICKSILVER(https://lsdblog.seesaa.net/article/201607article_1424.html)など、この頃のMARBLE SHEEP & THE RUN DOWN SUN'S CHILDRENに近い音楽性のバンドがリリースされていた。

そして90年代末、MARBLE SHEEP名義で復活。
90年代前半とはまた一味違う豪快なサイケデリックR&Rで活動。
松谷健はKEN & THE STRANGE MOON(https://lsdblog.seesaa.net/article/201903article_18.html)で今も音楽を続けている。
かつてのMARBLE SHEEP & THE RUN DOWN SUN'S CHILDRENや再編MARBLE SHEEPやソロ作などの方向性を統合したようなKEN & THE STRANGE MOONの幅広いサウンドの中に、改めて『TWIGA』の頃の要素も聴きとることが出来る。


追記:
そして現在はMARBLE SHEEPも再活動している。

(2026.2.8.)

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