SPIRITUAL BEASTの2枚(LEATHER WITCH + EXORCIZPHOBIA)

LEATHER WITCH.jpgスピリチュアル・ビーストから、コロンビアの若手とチェコのヴェテラン。


LEATHER WITCH『LEATHER WITCH』(画像)

南米はコロンビアで2017年に結成された若いバンドの1stアルバム。
メンバーはタニア・オスピナ(ヴォーカル)、ホセ・ウリベ(リズム・ギター)、パブロ・メサ(リード・ギター)、エルナン”オットー”ゴンザレス(ベース)、フアン”チャモ”ウルタド(ドラム)の5人。
ACCEPT、MOTORHEAD、IRON MAIDEN、METAL CHURCH、JUDAS PRIESTに多大な影響を受けているとのことで、New Wave Of British Heavy Metalのサウンドとスピード・メタルを融合するというコンセプトで活動しているという。
レコーディング自体は19年からコロンビアで行なわれ、ミックスとマスタリングはスウェーデンのUNLEASHEDのギタリスト、フレドリック・フォルカレがストックホルムで手掛けている。
海外でのリリースは昨年で、国内盤はボーナス・トラック収録のシリアル・ナンバー入り400枚限定盤。
バンド名そのまんまなジャケットにまずグッとクる。
「Stronger Than Death」「Day Of Glory」「Murder Ride」「Fast Killer」など、いかにもな曲名がまた…。
サウンドは基本的にコンセプト通りという感じで、NWOBHM的なリフとスピード/スラッシュ・メタル的な疾走感。
一方で、言うほどスピード一辺倒というワケでもなく、ミドルも含めた多彩な曲調を聴かせる。
(「Fast Killer」も、タイトルから連想するほどは速くない。途中で転調してかなり速くなるけど)
NWOBHMとスピード・メタル云々…と言いつつ、彼らが影響源として挙げたバンドの中でNWOBHMから出たのはIRON MAIDEN、いわゆるスピード・メタルはMETAL CHURCHだけだし(そもそもMETAL CHURCHがスピード・メタルかというのも微妙)、実際にはもっと幅広い影響を広範に出した結果がこのアルバムではと思う。
最も特徴的なのはタニア嬢のワイルドかつダーティーなドスの利いた声だろう。
シャウトする部分では、声質自体は似ていないものの、あのウェンディ・O・ウィリアムズを思い出したりも。
そのハスキー・ヴォイスには好き嫌いが分かれそうだが、俺は大好き。
タニアに追随する野郎どもの野太いコーラスもイイ感じです。


EXORCIZPHOBIA『DIGITOTALITY』

2005年にチェコ共和国のトルトノフで結成されたバンドの3rdアルバム。
結成当初はDEATH MARCHというバンド名で、トリオ編成でBLACK SABBATHやJUDAS PRIESTやMETALLICAやSLAYERなんかのカヴァーをやっていたそうだが、06年にギター2本の4人編成でEXORCIZPHOBIAと改名して、オリジナル中心のシリアスな活動にシフトしたらしい。
バンド名が読めず、「えくそるちずふぉびあ…?」とか思ったけど、”エクソサイズフォビア”と読むそうです。
12年に1stアルバム『SOMETHING IS WRONG』、18年に2ndアルバム『ABOUT US WITHOUT US』をリリースしている。
ただし現在までにメンバーは交代を繰り返していて、トーマス・スコレパ(リズム・ギター、ヴォーカル)、オンドラ・シマ(リード・ギター)、アレス・コストカ(ベース)、トーマス・ケイカート(ドラム)という現在の4人編成になったのは2ndアルバムに伴うツアーが終了した18年のことという。
つまり現在のラインナップで制作されたのは今回のアルバムが初めてということになる。
国内発売は今回が初めてだそうで、俺も初めてこのバンドを知った。
唯一のオリジナル・メンバーとなったトーマス・スコレパは、アルバム・デビュー以前の10年にチェコのフェスティヴァルで、直前に参加出来なくなったスパイク・キャシディの代役としてD.R.I.のステージでギターを弾いたことがあるのだそうで。
更にトーマスはエリック・フォレスト(元VOIVOD)のE-FORCEのサポート・メンバーとしてツアーにも参加している。
そんなEXORCIZPHOBIAのサウンドは、実にオールド・スクールなスラッシュ・メタル。
地理的にはドイツに近いチェコのバンドながら、ジャーマン・メタルよりかはむしろサンフランシスコ勢に近いサウンド。
「ああ、METALLICAとか好きなんだなあ」という感じの。
しかしアメリカのスラッシュ・バンドに多少はあるような陽性な部分が限りなく希薄で、そこはやっぱり東欧。
モダンな要素がほとんど感じられない一方で、時々前面に出るテクニカルかつ無機質な感覚は、VOIVODに通じるモノを感じたり。
(収録曲中一番長い曲が、変拍子を交えた9分半のインストゥルメンタルという)
そしてトーマス・スコレパがいきなり代役を務めたD.R.I.で1ステージ弾き切ったことからも明らかな通り、ハードコア由来のアグレッションも。
(ボーナス・トラックのデモはほとんどハードコア。2分以内ですっ飛ばす)
そのトーマスのヴォーカルは正統的なスラッシュど真ん中な歌唱で、FLOTSAM AND JETSAMやNASTY SAVAGEみたいに歌い終わりで声をひっくり返したりするんじゃないかと思わせておいて、そうはならないのだった。
(ボーナス・トラックのライヴではスタジオ録音よりピッチ高め、かつエモい)
LEATHER WITCH同様、このアルバムも原盤は昨年のリリースで、国内盤はボーナス・トラックを収録した400枚限定盤。


『LEATHER WITCH』『DIGITOTALITY』どちらも本日リリース。

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