で、俺が初めて買ったASH RA TEMPELのアルバムがコレ。
正確には”TIMOTHY LEARY & ASH RA TEMPEL”だが。
ともあれ一般的にASH RA TEMPELの3rdアルバムとされている。
ジャケットは現在CDとして出回っているのと違うけど。
俺が最初に買ったLPはこの別ジャケットのやつだったのだ。
確か札幌のDISC UPあたりで購入したと記憶する。
思えばNEU!の1stアルバム(1972年)もPOPOL VUHの『HOSIANNA MANTRA』(こちらも72年)も、最初に買ったのはジャケット違いだったなあ。
LSDのグルとしてその名を知られながらもハーヴァード大学を追われ投獄、しかし脱獄してスイスに逃亡していたティモシー・リアリー博士とASH RA TEMPELのコラボレーション。
1972年8月の「BERN FESTIVAL」でのライヴ音源を元に、スタジオでオーヴァーダブと編集を施したモノという。
前2作ではトリオだったASH RA TEMPEL、ここではこの時限りの拡大編成となっている。
マニュエル・ゲッチング(ギター、エレクトロニクス)、ハルトムート・エンケ(ベース、ギター、エレクトロニクス)のオリジナル・メンバー二人に、ディーター・ブルマイスター(ドラム:のちにAGITATION FREE)とトミー・エンゲル(ドラム)、スティーヴ・A(オルガン、エレクトロニクス)、ミッキー・デューヴェ(ヴォーカル、フルート:のちにAGITATION FREE)、そしてティモシー・リアリー他数名がヴォーカル。
レコーディング・エンジニアを務めたディーター・ダークスもシンセサイザー他で参加。
当時ASH RA TEMPELのマネージャーだったクラウス・D・ミュラーも奏者の中にクレジットされているが、何を演っているかは不明。
スティーヴ・Aってのは何者じゃい、と思ったら、(以前にも書いたけど)当時TANGERINE DREAMにいたスティーヴ・シュローダーのことなのだった。
この頃の”ベルリン・スクール”の人脈の交錯ぶりをうかがわせる編成だ。
LP各面に1曲ずつだった前2作同様、ここでもA面が「Space」、B面が「Time」となっているが、それぞれは各4部と3部に一応分かれている。
で、いきなりA面冒頭から「ブルーズかい!」となる。
前2作とは編成も違うワケで、聴いての印象も随分違う。
そして…スタジオでオーヴァーダブと編集が加えられているとはいえ、元のライヴでは全員が”セブンアップ”にLSDを入れたモノを飲んで臨んだ(…)演奏とあって、混沌とワケのわからなさの度合いは前2作の比ではない。
ブルーズからノイズに転じた演奏はなんだかよくわからないR&R(?)から、再びノイズを挟んでブルーズに。
冒頭のスローなやつじゃなくて、ASH RA TEMPELの前身バンドSTEEPLE CHASE BLUES BANDを思わせるようなブルーズ・ロック。
そして冒頭のブルーズに戻ってA面が終わる。
A面が突進サイケデリック・ハード・ロック、B面がチルアウトという内容だった前2作とは本当に様相が違い、ここではB面も連打/乱打されるドラムに乗って混沌と始まる。
かと思えばエレクトロニクスがヒューンと飛び交い。
オルガンとフルートが侘しく響き。
「なんだろうコレは…」と思っているうちに、いかにもマニュエル・ゲッチングらしいギターが入ってきて。
再び各楽器がノイジーに鳴り始める。
そしてかき鳴らされるギターの反復と女声スキャットの絡みへと移行。
ドラムを交えての反復が続くと思いきや、またもエレクトロニクスによるらしきノイジーなサウンドが大きくなっていき。
モーター音のようなノイズがやがてフェイドアウトしてB面終了。
ASH RA TEMPEL以前のようなブルーズを聴かせる一方で、エレクトロニクスが大きくフィーチュアされ。
のちのASHRAとはまるっきり違ったサウンドながら、ひょっとするとティモシー・リアリーとの出会い、そして前2作のパワー・トリオではない編成での演奏を通して、マニュエル・ゲッチングはその後の方向性のヒントをこの時点で得ていたのかも知れない、と思ったりもする。
ともあれ有名なアルバムではありつつ、ASH RA TEMPEL/ASHRAを聴いたことない人がこのアルバムから入るのはあんまりお勧めしない(笑)。
やっぱりASH RA TEMPELの1stアルバム(1971年)とか、ASHRAの(現行CDはマニュエルのソロ名義。ああややこしい)『NEW AGE OF EARTH』(76年)あたりから入った方がイイような気がする。
ちなみにセブンアップ、たとえ飲んだことがなくても、知らないという人は少ないのでは、と思うが。
日本では、缶入りのセブンアップの生産はこの1月に終了しているとのこと。
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