初めて聴いたSOFT MACHINEは、FMでかかった「She's Gone」。
(よりによってオリジナル・アルバム未収録曲…)
直後に、このブログで時々話題が出る、札幌市菊水にほんの一時期だけ存在した中古レコード屋兼古着屋で、「She's Gone」が収録された編集盤『MEMORIES』を発見する。
しかし当時の俺は超絶に金がなく(いや、今もないが)、その店を訪れる度にレコード1枚しか買うことが出来ず、『MEMORIES』は先送りにしている間に、ある日売れてしまっていたのだった。
あの店では同じことが続いた。
次に来る時は『MEMORIES』を買おう、トミー・ボーリンの『PRIVATE EYES』を買おう、THIS HEATの『DECEIT』を買おう、HAWKWINDの『SPACE RITUAL』を買おう…と思いながら、次に行ってみるとそれらはいずれも売れてしまっていて。
結局その店はある日レコードをすべて処分して、ただのリサイクル・ショップになってしまった。
結局俺がSOFT MACHINEのレコードを手にするのは、ずっと後のことになる。
閑話休題。
SOFT MACHINEもPINK FLOYDも初期の方が好きな俺だが、両バンドとも初期とそれ以降では別のバンドかというぐらい音楽性が違う。
で、コレはSOFT MACHINEがまだアルバム・デビューも果たしていなかった1967年の音源を集めた編集盤。
66年8月にスタートしたSOFT MACHINEとしては、最初期の音源となる。
何しろ16曲中4曲には、1stアルバム以前に脱退してしまったデイヴィッド・アレン(ギター、ヴォーカル)が参加しているという代物だ。
10曲がスタジオ・セッションで、6曲がMIDDLE EARTHとSPEAKEASYでのライヴ。
マイク・ラトリッジ(キーボード)を残してジャズ・ロックに変貌した後年のSOFT MACHINEとはまるっきり別モノというべき、サイケデリック・ロックが詰め込まれている。
「Clarence In Wonderland」や「May I?」はその後ケヴィン・エアーズ(ベース、ギター、ヴォーカル)のレパートリーに。
ってか、ソロ転向後のケヴィンの代表曲のひとつである「May I?」が1967年の時点でSOFT MACHINEのレパートリーだったことに驚かされる。
ただしまだ歌詞が出来ていなくてインストゥルメンタルなのだが、マイクがオルガンで奏でるメロディが、やっぱりケヴィンの曲らしい牧歌性をたたえているのにニヤリとさせられたり。
あと、ジャケットを見ると車椅子生活となった後年のイメージとはまるっきり違う、やんちゃそうなロバート・ワイアット(ドラム、ヴォーカル)が、この時点で既に神聖と言いたくなるようなヴォーカルを聴かせているのも。
そのロバート、パワフルで元気いっぱいのドラムも素晴らしい。
若くして下半身不随となったのが本当に惜しまれる。
全16曲と言っても収録曲には重複があり、「I Should've Known」と「We Know What You Mean」は3テイク、「Clarence In Wonderland」と「Hope For Happiness」は2テイクずつ収録されている。
それらの中でも特に聴きモノなのは、最後に収録された「Hope For Happiness」の13分以上に及ぶライヴ・テイクだろうか。
既にデイヴィッド・アレンの姿はなく、マイク・ラトリッジ、ケヴィン・エアーズ、ロバート・ワイアットというトリオでの演奏になっているが、ライヴでのエクステンドされた演奏では、マイクの白熱するオルガン・プレイだけでなく、ゆるふわの(?)シンガーソングライターとして愛された後年とは別人のようなケヴィンのぶっといベースを聴くことが出来る。
もちろんデイヴィッドが参加した4曲も含め、16曲どれもが聴きモノ。
ただし、スタジオもライヴも、音質はブート並みあるいはそれ以下の極悪さ。
しかし同時にリリースされた『TURNS ON VOLUME 2』(こちらは1968年の音源)は更に悪かったりする。
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