平和祈念展示資料館の漫画冊子

遥かなる紅い夕陽.jpg俺が初めて「平和祈念展示資料館」に行ったのは、昨年10月。
2000年に開館した頃、電車の車内吊りで水木しげるが描いた宣伝ポスターを目にしていたが。
実際に訪れるまで21年かかった。
そんな施設が都庁界隈のビル街の中にあったとは。
施設はその間に(新宿住友ビルの中で)移転とリニューアルオープンを繰り返し。
10年からは総務省委託として、国による運営となっている。
入館料は無料。
(漫画もたくさんあるよ。新宿行ったら寄ってみて)

満州や中国、朝鮮半島からの引き揚げと、ソ連によるシベリア強制抑留に関する展示が大きなテーマになっているとのことで。
”ロシア憎し”みたいなのが前面に出ていたら嫌だなあと思っていたのだが。
実際には満州国のことはきちんと”傀儡国家”と表記されているし、偏りのない展示になっていると感じた。

で、施設では2冊の漫画冊子が無料配布されている。
(是非行ってもらってきてください)
俺は昨年10月に入手していたのだが(今年に入ってからも1回行っている)、紹介まで半年以上かかってしまった。

1冊は『満州からの引揚げ 遥かなる紅い夕陽』(画像)。
2006年初版発行で、既に第14刷。
(大ベストセラーだ。無料配布だけど)
作画は『丸出だめ夫』で有名な森田拳次。
森田自身も満州からの引き揚げ者だが、この冊子では森田の経験ではなく、多くの引き揚げ者の手記を元にした物語となっている。
国策に従って満州開拓団に加わった主人公一家は戦前も戦後も辛酸をなめ尽くすものの、当地の中国人や朝鮮人にも分け隔てなく接し、ソ連軍侵攻後に中国人の張さん一家に助けられるというストーリーには救いを感じる。

もう1冊は『戦後強制抑留 シベリアからの手紙』。
2014年初版発行、第7刷。
作画は森野達弥。
全然知らない漫画家だったけど、水木しげるのアシスタントだったらしい。
そのためか、随所に登場するモロの水木タッチ。
内容は言うまでもないが、ソ連兵が点呼に手間取っているところで”ソ連兵は数を数えるのが苦手だった”というテロップには笑ってしまった。


水木しげるなど従軍経験のある人はもちろん、赤塚不二夫や古谷三敏、上田トシコなど引き揚げを経験した漫画家も大半が世を去り、ちばてつや(83歳)、七三太朗(77歳:この人は漫画原作者だが)、森田拳次(83歳)など少数が残っているばかりだ。
ってか七三太朗ってちばてつや・あきおの弟だったんか…。


(2025.1.5.改訂)

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