我ながらまた微妙なチョイス…。
2008年に一度だけ国内配給されているが、売れなかったのではと思う。
しかし個人的には好きなアルバムだ。
アルバム・タイトルは『PYRAGONY X』『PYRAGONY 10th』などと表記されることも多いが、実際には単に『PYRAGONY』で、10thと大書されているのはタイトルの一部ではなく、単に10thアルバムであることを示しているのだと思われる。
前作『MADE IN GERMANY』(1975年)当時の7人編成から4人が抜けて、二人が新加入となった。
ここでの編成はクリス・カーラー(ヴォーカル、ギター、ヴァイオリン、ソプラノ・サックス)、ジョン・ヴァインツァール(ギター、ヴォーカル)、クラウス・エバート(ヴォーカル、ベース、ギター)、ステファン・ツァウナー(ヴォーカル、キーボード、ギター)、ペーター・レオポルド(ドラム)の5人。
元18 KARAT GOLDのクラウスは、アメリカ人だった。
何と言っても、レナーテ・クナウプ脱退後のAMON DUUL Ⅱを代表する「Flower Of The Orient」に尽きる。
ポップ化(前2作ではポップどころかグッと黒人音楽寄りに)を進めたノヴァ移籍後のバンドにあって、極めてわかりやすい東洋志向とサイケデリックさを聴かせる名曲。
(しかしこの時期の音源から選曲した編集盤には収録されなかったり…)
他の楽曲も、悪くない。
ジョン・ヴァインツァール作のR&R「Merlin」とか。
(ジョンによると思われる、びっくりするような速弾きのギター・ソロが入っている)
クラウス・エバート作の実に平明なポップス「Capuccino」とか。
『VIVE LA TRANCE』に入っていそうなクリス・カーラー作の「The Only Thing」とか。
で、クリス・カーラーが書いた曲は「The Only Thing」1曲のみ。
一方でクラウス・エバートはステファン・ツァウナーとの共作含めて4曲も書いている。
「Flower Of The Orient」だけがバンド名義のクレジット。
メンバー個人のクレジットがなく、一丸となって書き上げ演奏したであろうこの曲がアルバムのハイライトとなっているのも、当然だったかも知れない。
その後クラウス・エバートは(一応の)ラスト作『ONLY HUMAN』(1978年)まで、更にステファン・ツァウナーは(一応の)再編作『VORTEX』(81年)まで、AMON DUUL Ⅱを支え続けることになる。
そしてステファンは、現在もソロとして旺盛に活動を続けている。
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