内容はオリジナル・リリースとまったく同じながら、再リリースに当たってキャプテン・トリップもクラウスも相当気合入っていたと思われ。
1983年~84年にかけて、『LA DUSSELDORF 4』あるいは『MON AMOUR』としてリリースされる予定で録音された6曲。
85年当時は単に『NEONDIAN』というタイトルでリリースされたのだが、メンバーこそ違うものの、確かにLA DUSSELDORFの4thアルバムというのにふさわしい内容だった。
録音に参加したメンバーはクラウス・ディンガー/ニコラウス・ファン・レイン(ギター、シンセサイザー、プログラミング、タンバリン、ピアノ、ヴォーカル)、スピネロことルディガー・エルゼ(ギター、マンドリン:その後LA! NEU?にも参加)、ラウル・ウォルトン(ベース:RHEINGOLD)、チャーリー・T・チャーリーことマンフレッド・テルスタッペン(ドラム:RHEINGOLD)、ヤキ・リーベツァイト(ドラム:1曲のみ)、ボド・スタイガー(スライド・ギター:元LILAC ANGELS~RHEINGOLD、1曲のみ)の6人。
LA DUSSELDORFというよりも、クラウス+RHEINGOLD+αみたいな。
クラウスと袂を分かったミヒャエル・ローターがソロ活動のパートナーに選んだヤキが(1曲のみとはいえ)参加しているのが目を惹く。
内容は1曲目「Mon Amour」(ヤキ・リーベツァイト参加)や、『VIVA』(1978年)収録の名曲「Cha Cha 2000」の再録「Cha Cha 2000/85」などで明らかな通り、確かにLA DUSSELDORFの音楽性に直結するモノだが。
ジャケットに見られるクラウス・ディンガーのモヒカンが象徴するように、「Neondian」や「America」ではかなりパンキッシュ。
ただし、クラウス・ディンガーがモヒカンをキメて見せたのは、別にパンクやハードコアに影響されてのことではなかったようで。
第二次世界大戦に敗れ、その後アメリカ由来の文化(ロックからコカ・コーラに至るまで)に浸食され続けたドイツ人のアイデンティティの不確かさを、白人に蹂躙されたネイティヴ・アメリカン(=インディアン)の心情に寄り添うことで改めて表現しようとした様子。
その点でアルバムのハイライトと言えるのは「America」だろう。
”Hiroshima/America/America/America/I love you and I hate you””No longer I believe in you/America””You stole your land from Indians in a holocaust””IBM CIA Coca Cola”…という、断片的にして強烈に直截な歌詞には、クラウスのアメリカに対する愛と憎悪の二律背反が、あまりにも生々しく刻まれている。
そしてその想いは、原爆を落とされた広島にまで及んでいた。
(奴隷の子孫であるアメリカ黒人、ラウル・ウォルトンの起用も、単にRHEINGOLD人脈という以上の意味があったのではと推測する)
1995年にこのCDが出た時点では、LA DUSSELDORFのアルバムはCD化されておらず。
(まあ中古LP買って聴いてたけどさ)
今回久しぶりに聴き直したのだが、リリース当時は狂ったように聴きまくっていたのを思い出した。
キャプテン・トリップ・レコーズには足を向けて寝られない。
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