11月に入手。
最近まで聴けず。
テキサス州サンアントニオでチカーノの若者たちによって結成され、”TEX MEX BEATLES”と呼ばれたというパワー・ポップ・バンド、THE KRAYOLAS。
彼らの1stアルバム『KOLORED MUSIC』(1982年)をリマスターして改題、曲目も曲順も入れ替え、ジャケットも変更しての再リリース。
ヘクター・サルダナ(ギター、ヴォーカル)とデイヴィッド・サルダナ(ドラム、パーカッション、ヴォーカル)の兄弟がバンドを結成したのは1975年。
デイヴィッドは16歳だったという。
バリー・スミス(ベース、キーボード、ヴォーカル)とジョン・ハリス(ジュジュ・スティック、ヴォーカル)が参加して、オリジナル・ラインナップが完成。
”ジュジュ・スティック”というのは、スティック状のシェイカーのことだそうで。
(検索すると画像が出てくる)
全員がリード・ヴォーカルをとれる4人編成。
当時のライヴ写真を見ると、デイヴィッドがフロントで歌っていてジョンがドラムを叩いているモノがある。
ライヴでデイヴィッドが歌う曲ではそのようにしていたらしい。
バンドはR&Rやラテンやソウル/R&Bに影響された自分たちのサウンドを”バブルガム・ソウル”と称していたという。
ヘクター・サルダナはTHE KRAYOLASの音楽性について、THE BEATLESとTHE JAMとエルヴィス・コステロとTHE ROCHESの間の何処か、と語っている。
一方THE KRAYOLASというバンド名は同じテキサスのRED CRAYOLA/RED KRAYOLAとは関係なく、頭文字をTHE KINKSと同じKにしたかったから、とのこと。
1978年にシングル「All I Do Is Try」でデビュー。
その後82年1月に3日間で録音されたのが『KOLORED MUSIC』だった。
しかし、ホーンズもフィーチュアしたかなりゴージャスなサウンドには、チープさのかけらもない。
全員が歌えるだけに、R&Rからバラードまで、非常に幅広い曲調。
実際のところは、それほどTHE BEATLESっぽくはない。
「Happy Go Lucky」や「You're Not My Girl」といったいかにもパワー・ポップ然とした曲が耳を惹く一方で、ハーモニーばっちりなバラードはBEATLESというよりもむしろTHE BEACH BOYSっぽかったりするし、ノヴェルティでガレージなR&R「Roadrunner John」なんてのもある。
クォリティは非常に高い。
『KOLORED MUSIC』リリース後、1982年夏にジョン・ハリスが脱退。
バンドはその後もメンバー交代を重ねながら精力的に活動したものの、テキサス州とオクラホマ州以外にファンベースを拡大出来ず、『KOLORED MUSIC』以降は87年にカセットをリリースしたのみで88年に解散となる。
しかし2007年にベスト盤をリリースしたのを機に、サルダナ兄弟を中心にバンドを再編。
08年以降はコンスタントなリリースを重ねている。
ヘクター・サルダナは、『KOLORED MUSIC』のジャケットに使われたバンドの写真も、白黒のアートワークも気に入っていなかったのだという。
そこでオリジナル・リリースから40年経っての再リリースと相成った。
リマスターの効果か、今聴いてもショボさのない音圧。
ジョン・ハリスは現在テキサス州オースティン在住とのこと。
バリー・スミスは2019年8月に亡くなったという。
一方サルダナ兄弟を中心とするTHE KRAYOLASは現在もサンアントニオで活動を続けていて、現在はヘクター・サルダナの息子たちがギターとドラムを担当しているのだそうで。
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