開場・開演の時間を間違えていて、ギリギリでフロアに入る。
約半年ぶりに観るマリア観音ワンマン。
フロアに小さいドラムセットが据えられているのはいつも通り。
しかし今回、その横にキーボードまで置いてある。
どんどんフロアを侵食していく機材…。
しかもステージ上の機材も増えている。
キーボード群の奥でぴかぴか光りながらくるくる回っているのは何…?
定刻を約3分ほど過ぎて木幡東介がステージに登場し、「本日もよろしくお願いします」と告げてからフロアのドラムでソロを叩き始める。
ヒョウ柄のジャケットを着た木幡の、髪が伸びている…!
しかも額には何やらペイントが。
(彫り物じゃないよね?)
怪しさ倍増。
その間に他のメンバーがバラバラと現れる。
(全員アニマル柄のシャツ)
メンバーが音を出し始めると木幡もステージに。
まず尺八を吹く。
それから歌い出したが、バック陣の演奏自体は非常にミニマルかつデリケイト。
歌詞は「義眼」だけど、節回しが全然違うぞ…。
そうこうするうちに演奏は次第に熱を帯び。
しかし、まるで通常のロックのノリを分断するかのような歌と演奏だ。
ともあれオルガン・ロック風になったりジャズのピアノ・トリオ風になったりする一方で、木幡東介・明子夫妻はほぼツイン・ヴォーカル状態となる。
やがて木幡夫妻がフロアに降り、a_kiraのピアノのアルペジオに乗せてドラムとベースのデュオ。
しかしその演奏は、通常のドラムセットにはない謎の(?)金物類が多数装着されたセットを叩きまくる中で、東介が謎の(??)ポーズをキメ続けているようにも見えるのだった。
いきなり25分ほど演奏。
ステージに戻った木幡東介は、シンバルをジャンジャン叩いては落とす。
そして「静かな夜」が始まったが、やはり節回しが違うし、これまた従来あったノリを寸断するようなアレンジ。
10分弱。
続いて「五色沼」。
5分ぐらいの、ある種歌謡曲風(?)ながら徹底的にノレない感じの(??)歌。
新曲?
次いで「愛されてみたくて」。
かなり昔の曲のはずだが、俺はスタジオ・ヴァージョンを聴いたことがなく(マリア観音のアルバム全部持ってるワケじゃないからね…)、ライヴでも初めて聴いた。
これまたある種歌謡曲風。
7分ぐらい。
その後、平野勇(ドラム)以外の3人がフロアに降り、「潜伏土着化」ともう1曲インストゥルメンタル。
(MCが聞き取れず)
”潜伏土着化”というのは、多分隠れキリシタンのことではないかと想像する。
エレピをフィーチュアした演奏は、ジャズ風というか70年代のEMBRYOっぽいというか。
それからa_kiraがフロアのキーボードでピアノの音色を奏で、ステージ上の木幡東介が歌う「病床」。
異形のシャンソンとでも言いたくなる。
本編ラストは「絶滅」。
ここでほとんど初めて、従来のライヴにかなり近いアレンジ。
a_kiraの初期EL&Pか、という感じのシンセサイザーが炸裂し、木幡東介が”仁義礼智信忠孝悌…!”と連呼して曲が終わる。
約10分。
アンコールは約25分に及ぶ「川鼠」。
いつにも増して全身全霊としか言いようのない歌唱。
そしていつも通り、木幡東介のドラム・ソロに他の3人が”デッデッデデッデッ”と合いの手を入れるタイミングがどうなっているのかまったくわからない…。
平野勇は随所でコンガを叩く。
木幡夫妻のツイン・ヴォーカル状態が以前以上に増えているのと、前回観たライヴの一部で聴かれたファンクネスを捨て去るように(?)客を容易に乗せない、一方で歌の濃厚さ・濃密さを叩きつけるような演奏だった。
デリケイトさとダイナミズムを徹底的に追求した結果がコレだったのでは、と…個人的には思う。
(正解は知らない。そもそも木幡東介の中にどのような正解が用意されているのか、そもそも正解があるのかもわからない)
ともあれ常に変化し続けるプログレッシヴにしてアヴァンギャルドにしてパンク、一方で往年のオルガン・ハードやジャズ・ロックの要素をも聴かせ続けるマリア観音のライヴ…未体験の方は是非体験して欲しいと思う。
演奏の濃さに比して、この夜もオーディエンスは少な過ぎた、と思われてならない。
この記事へのコメント