THE VELVET UNDERGROUND/OSTRICH/HILLTOP(1997)

VELVET UNDERGROUND BOOT.jpgTHE VELVET UNDERGROUNDについてはこれまでライヴ盤とかブートとかしか紹介していないが。
このブログでオリジナル・アルバムを取り上げることは、多分今後もないのでは。
既にDOLLとかでも書いたし、今更俺ごときが言えることもそんなにないしね。

で、今回もブートCD。
日本製らしい。

裏ジャケットのクレジットでは、5曲が1969年8月2日、ニューハンプシャー州ヒルトップでの「THE HILLTOP ROCK FESTIVAL」での演奏、1曲が70年春、フィラデルフィアの2nd FRETでの演奏…となっている。
なので、パーソネルは当然ながらルー・リード(ギター、ヴォーカル)、スターリング・モリソン(ギター、ベース)、ダグ・ユール(ベース、オルガン)、モー・タッカー(ドラム)ということになる。
しかし実際にはいろいろ違うらしい。

まず前半の5曲(5曲もあるのに”前半”なのは、6曲目の「Sister Ray」が30分以上収録されているからだ)が収録されたのは、「THE HILLTOP ROCK FESTIVAL」ではなく「HILLTOP POP FESTIVAL」なのだという。
ともあれコレは再結成以前のオリジナルのTHE VELVET UNDERGROUNDにとって、唯一の野外フェスティヴァルでの演奏だったらしい。
「Waiting For The Man」「Run Run Run」「Pale Blue Eyes」「What Goes On」「Heroin」の5曲。
「Run Run Run」以外は、同時期の録音である1974年の『1969 VELVET UNDERGROUND LIVE WITH LOU REED』にも収録されている。
しかし「Waiting For The Man」が7分半、「What Goes On」が11分半と、『1969 VELVET UNDERGROUND LIVE WITH LOU REED』よりも長尺だったり。
そして「Run Run Run」も10分半に及ぶ。
音質は悪くない。
ルー・リードのMCで「Heroin」がコールされると、マイクの近くにいたと思われる女性客が笑いながら「OK!」というのが聴こえたり。
(この頃のVELVET UNDERGROUND、フェスに来るような客からどういうポジションで捉えられていたのだろうか…)

で、ラストの「Sister Ray」。
33分半(!)あるが、フィラデルフィアのステージでの33分半の演奏、というワケではないようで。
実際には28分ちょっとで「Sister Ray」本編はいったん終了。
最初はわりと淡々として聴こえる演奏は、ルー・リードのヴォーカル・パートからインストゥルメンタル・パートに入るあたりから次第に熱を帯びていく。
10分を過ぎて演奏が抑え気味になったところで再び歌が入るも、随所でギターが唸りを上げたりドラムが激しく斬り込んだり。
そして13分を過ぎたあたりから演奏は再びノイジーに白熱していき。
15分を過ぎたあたりからはルーのギターが荒れ狂う。
(あと、どのライヴ音源を聴いても、ダグ・ユールはベースよりもヴォーカルよりもオルガンでの貢献度がもの凄く高いのを改めて感じる)
最後のヴォーカル・パートが終わると、全員が音量ばかりでなくテンポも上げ、怒濤の勢いで演奏終了。

ところでこの28分ちょっとの「Sister Ray」、実はコレは1970年春のフィラデルフィアではなく、69年1月28日、オハイオ州クリーヴランドのLA CAVEでの演奏なのだという。
そして、そこから続いて始まるように聴こえる、曲名のわからない4分余りのジャム。
ドラムがメタル・パーカッションのように響く。
コレは66年4月(!)、ニューヨークのTHE DOMでの演奏らしい。
更に、最後に「Sister Ray」に戻ってフェイドアウト、という風に聴こえる45秒ほどのパートは、67年4月、NYのTHE GYMNASIUMでの、「Sister Ray」が初めてステージで演奏された際の録音なのだとか。
当然というか、69年よりも更に荒々しい。

つまり、このCDの「Sister Ray」終盤の5分ちょっとの音源はジョン・ケイル在籍時のモノということになる。
(1966年4月というと、THE VELVET UNDERGROUNDが1stアルバムのレコーディングに入った頃だ)
どうしてこんな形でリリースされたのか。
ともあれこのCD、特に高価くも安くもないフツーの価格で今でも入手可能らしい。
(まあブートですからね、推奨しませんが…)

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