こちらもBENT WINDほどではなくとも、オリジナルLPがレア盤として知られたバンド。
アルバータ州カルガリーで1966年頃に結成されたTHE SHADES OF BLONDが49th PARALLELと改名。
当時のメンバーはデニス・アボット(ヴォーカル)、ダニー・ロウ(ギター)、ロバート・カールソン(ギター)、デイヴィッド・ペッチ(キーボード)、マイケル・ウッドハウス(ベース)、テリー・ベア(ドラム)の6人。
この頃のグループ写真は、PAUL REVERE & THE RAIDERSあたり(あるいはグループ・サウンズ)を思わせるミリタリー・ルック。
バンドは67年半ばにカナダのRCAレコーズからシングル「Labourer/You Do Things」でデビューしている。
このシングルはカナダのチャートで45位と、まずまずの成績で。
続いて68年初頭に「Citizen Freak/She Says」がリリースされたが、こちらは71位とあまり振るわず。
この頃はファズの効いたギターの一方で厚めのコーラスもフィーチュアした、ポップなガレージ・パンクという感じだった。
MGM傘下のLAのレーベル、ヴェンチャーに移籍した49th PARALLELは、1968年春に3枚目のシングル「Blue Bonnie Blue/Up To No Good」をリリース。
ソングライティングにボニー・ブラムレットが関わったこのシングルで、バンドはややフォーク・ロック/ソフト・ロック寄り(?)なサウンドを聴かせる。
しかしコレも81位と、大ヒットには遠かった。
その後デイヴ・ペッチとミック・ウッドハウスが脱退した49th PARALLELには、デイヴ・ダウニー(ベース)が加入。
バンドは1969年に入り、カナダ国内だけでなくアメリカ合衆国でもツアーを行なっている。
しかしデイヴ・ダウニーは間もなく脱退。
新たにアルフ・クック(ベース)とデニス・マンデイ(キーボード)を迎えた49th PARALLELは、1969年春にヴェンチャーから4枚目のシングル「Twilight Woman/Close The Barn Door」をリリース。
コレが50位と、チャート的に持ち直しただけでなく、「Twilight Woman」は彼らの代表曲とされるようになるのだった。
(アメリカ合衆国の一部の州でもヒットしたという)
しかしデニス・マンデイは間もなく脱退し、後任キーボーディストとしてジャック・J・ヴェルカーが加入。
そしてJ.J.ヴェルカーが加わったバンドは、1969年にアルバム『49th PARALLEL』をリリースしている。
シングル曲「Twilight Woman」と「Close The Barn Door」も含むアルバムは、曲毎に録音時期もメンバーも違っていたりするが、基本的にはホーンズをフィーチュアしたメインストリーム寄りのサイケ・ポップ。
ファズがバリバリ鳴っていたりするワケではなく、オリジナル盤の価格高騰も単にレアだから…というのが実状なのかも知れないとはいえ、中庸なポップ・サイケデリアとしての出来はなかなかのクォリティだと思う。
「Eye To Eye」で唸りを上げるオルガンや「Missouri」でのヘヴィなファズ・ギターには、やはりガレージ全盛の66年から活動するバンドの根っこを感じたり。
『49th PARALLEL』からは「Now That I'm A Man/(Come On Little Child)Talk To Me」がシングル・カットされ、カナダのチャートで30位と、これまでで最高のヒットを記録したが、アルバムはたいして売れなかったらしい。
1970年にはデニス・アボット、ボブ・カールソン、アルフ・クックが脱退してしまう。
後任シンガーとしてドーラン・ビーティーを迎え、デイヴ・ダウニーが戻った49th PARALLELは2ndアルバムのリリースを目指したものの、70年に地元のレーベル、バリー(ヴェンチャー同様、このレーベルも現在も存続している)からリリースされた6枚目のシングル「I Need You/Good Time Baby」(89位)を最後に、バンドはPAINTER~HAMMERSMITHと、更なる改名とメンバー交代を重ねたのち、70年代後半に解散している。
俺の手元にあるのはアルバム『49th PARALLEL』にシングル全曲、更にTHE SHADES OF BLONDの楽曲を加えた1997年の19曲入りCD。
2005年には更に未発表ヴァージョンを追加した21曲入りのCDが出ている。
シーンに最も長く残ったのはギタリストのダニー・ロウだった。
彼はHAMMERSMITHなどで活動した後プロデューサーに転じ、80年代にはWHITE WOLF(覚えてる人いる?)などを手掛けている。
ちなみに49th PARALLELというバンドは複数存在する。
そんな変わったバンド名が何故?…と思って調べてみたら、1940年のイギリス映画に『49th PARALLEL』というのがあったのだった。
コレはイギリスによるいわゆる国策映画で。
内容は、カナダ(もちろん英連邦)に上陸したナチス・ドイツのUボート乗員が母艦を撃沈され、当時まだ中立国だったアメリカにあるドイツ大使館を目指すものの、カナダ国内を抜けられずに次々と倒れていく、というお話らしい。
この映画は戦後の60年に日本でも『潜水艦轟沈す』というタイトルで公開されている。
YouTubeに字幕版がなかったので英語のを観てみたのだが(2時間もある)、流石にさっぱりわからんかった。
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