THIN LIZZY/BBC RADIO ONE LIVE IN CONCERT(1992)

THIN LIZZY BBC.jpgオリジナル・アルバムは2枚しか紹介していないのに、編集盤やらライヴ盤やらやたらと取り上げているTHIN LIZZY。
(まあそれ言ったら、実はMOTORHEADなんてオリジナル・アルバム1枚も紹介してないんだけどねこのブログ…)

”フェアウェル・ツアー”も既に終了していたTHIN LIZZYが、1983年8月28日に出演した「READING FESTIVAL」の音源。
83年にリリースされた『LIFE』は81年11月と83年3月のステージを収録していたが、その83年3月から更に5ヵ月後、本当に最後の雄姿。
パーソネルはもちろんフィル・ライノット(ヴォーカル、ベース)、スコット・ゴーハム(ギター)、ジョン・サイクス(ギター)、ダーレン・ワートン(キーボード)、ブライアン・ダウニー(ドラム)の5人。
77分近いCDだが、実はそれでも完全収録ではないという。

タイトル通りBBC音源だが、音質はわりと粗い。
フィル・ライノットのヴォーカルにも、かつての艶はない。
速弾きギター・ヒーローをフィーチュアしたメタリックなバンド・アンサンブルは、往年の楽曲はともかくとして、「Thunder & Lightning」などではもはやメロディアスなツイン・リードではなく、完全にリード&リズム・ギターに分かれてしまっている。
(旧曲でも「Emerald」あたりは完全にジョン・サイクスの見せ場に)
ブライアン・ダウニーのプレイも、ツーバスが歌うように鳴らされるあのドラミングを随所で聴かせる一方で、速い曲では単に”上手いドラマー”にしか聴こえないところも。
「The Rocker」をはじめとするエリック・ベル在籍時の曲はもう演奏されない。
フィルがブライアン、エリックとTHE ORPHANAGEを結成した1969年から既に14年、エリックの脱退からでも10年が、そして全盛期を支えたブライアン”ロボ”ロバートソンの脱退から5年が経過していた。

しかし、かつての”らしさ”が少なからず失われたとも感じられるこのライヴ盤が、嫌い…というTHIN LIZZYファンは少ないはず。
最後の気力を振り絞るフィル・ライノットの歌唱と演奏には涙を禁じ得ない…とまでは言わないが。
(そりゃそうだよ、フィルはこの後もGRAND SLAMやソロで活動していて、最後の気力どころかまだまだやる気だったんだから。フィルはこのライヴの時点で32歳になったばかりだった)
ブライアン・ダウニーの美点がスポイルされている感がある激速ヘヴィ・メタル・ナンバー「Thunder & Lightning」からして、そもそもフィルとブライアンの共作だったりするし。
時代に合わせたアグレッシヴなメタル・サウンドのアルバムを作り、それに合わせたアグレッシヴなライヴを聴かせて散ったTHIN LIZZYであった。

フィル・ライノットが死んだ時は泣いた。
あれからもう40年近く経つ。
そしてこのアルバムの最後に収録された「Still In Love With You」には…うん、やはり涙を禁じ得ない。

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