こちらアメリカの方。
1stアルバム。
1958年、ワシントン州タコマで結成。
翌59年2月のシングル「Tall Cool One」が全米36位とそこそこヒットし、「AMERICAN BANDSTAND」などのTV番組にも出演して話題となる。
当時のメンバーはジョン・グリーク(リズム・ギター、トランペット)、リチャード・ダンジェル(リード・ギター)、ケント・モリル(キーボード、ヴォーカル)、マーク・マーシュ(テナー・サックス)、マイク・バーク(ドラム)という、ベースレスの5人。
全員がまだ高校生だったという。
そして「Tall Cool One」の好評を受けて1959年11月にリリースされたのが『THE FABULOUS WAILERS』。
結成年やこのアルバムのリリース年からしても明らかな通り、THE BEATLESもTHE ROLLING STONESもまだいなかった頃、アメリカの若者たちがそれまでにあったR&RやR&Bから影響を受けて生み出した音。
当然ながら66年以降のガレージ・パンクなんかとはけっこう違う。
基本的にはサックスとピアノをフィーチュアしたインストゥルメンタルで、たまにヴォーカル曲。
それもやっぱりリトル・リチャード「Lucille」のカヴァーとか。
ベースレスということもあり、シンプルでスカスカ。
しかしやはりというべきなのか、プリミティヴでアグレッシヴなサウンド。
根っこの部分はのちのガレージに共通する。
彼らがもしもう少しだけ若かったら、1966年にガレージ・バンドを始めていたに違いない。
そして実際、THE WAILERSの存在は同じワシントン州から登場したTHE KINGSMENやTHE SONICSに多大な影響を与えることになる。
(何しろKINGSMEN以前に「Louie Louie」を演っていた。このアルバムには入っていないが)
ジミ・ヘンドリックスも彼らのファンだったという。
で、1stアルバム…と書いたが、俺の手元にあるのは2003年のノートン・レコーズ盤CD。
オリジナルとは曲目も曲順も入れ替わっていて、編集盤のような趣になっている。
21世紀の若者にも改めて聴かせることを考えてのリイシューだったのだろう。
「Tall Cool One」の後、シングル「Mau-Mau」が全米36位を記録したTHE WAILERSだった。
しかし彼らをデビューさせたゴールデン・クレスト・レコーズ(ニューヨークのレーベル)の希望に反してバンドが拠点を東海岸に移さなかったことで、バンドは契約を失う。
そしてリーダー格だったジョン・グリークの脱退を皮切りに、メンバー交代が相次ぎ。
それでも10年以上活動したWAILERSだったが、1969年に解散した時点では、オリジナル・メンバーはケント・モリルしか残っていなかったという。
そして2002年12月にリチャード・ダンジェルが60歳の若さで亡くなり。
06年10月にジョン・グリークが65歳で亡くなり。
07年8月にマーク・マーシュが66歳で亡くなり。
11年4月にはケント・モリルが70歳で亡くなり。
オリジナル・メンバーで存命なのは現在84歳のマイク・バークただ一人とのこと。
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