映画『No.10』

No10_SUB6.jpg『ボーグマン』(2013年)で知られるオランダの映画監督アレックス・ファン・ヴァーメルダムによる、長編10作目となる最新作。
コレがまあ…見事に狂った映画だった。

幼少時に森で発見され、孤児として育ったギュンター(トム・デュイスペレール)は、舞台俳優として暮らしていた。
ある時、ギュンターの一人娘リジー(フリーダ・バーンハード)に肺が1個しかないという事実が明らかになる。
一方、共演の女優であり、演出家カール(ハンス・ケスティング)の妻でもあるイサベル(アニエック・フェイファー)と不倫していたギュンターは、そのことを知ったカールから酷な目に遭わされる。
不倫をチクった共演者やカールに対する復讐を企てるギュンターだったが。
それらの一部始終を、謎の男ライヒェンバッハ(ジーン・ベルヴォーツ)が監視していた…。


…というのが前半のあらすじ。
しかし、物語が進むうちに「俺は何の話を観ていたんだっけ…」となり。
エンドロールが始まった瞬間「えええええ~っ?!」となった。
コレ以上は何を書いてもネタバレになりそうなので、言えません。

ってかいったいコレは何だ。
どうかしている…。
この映画についての海外の評の中に「映画自体が地獄のように分裂する」というのがあったけど、まさにそんな感じ。
ともあれ1時間40分かたずをのんで観続け、飽きる暇など一瞬たりともなかったですよ。
しかも印象的な音楽もアレックス・ファン・ヴァーメルダム自身の手になるという。

とりあえず、ジム・ジャームッシュ『デッド・ドント・ダイ』(https://lsdblog.seesaa.net/article/202007article_6.html)とかが好きな人は気に入るのではと。
この映画にも、やはり文明批評を感じる。

あと、舞台がオランダとドイツ(とそれ以外)にまたがっていて。
字幕は全部、単に日本語なんだけど、当然ながらオランダ人の間ではオランダ語、ドイツ人の間ではドイツ語が話されていて、オランダ人とドイツ人は英語で会話している、というのに気が付いた。
そして、陸続きになっているEU圏内では、道路を走っていて世田谷区から目黒区に入るみたいに「ここからドイツ」とかそういう感じなんだなあ。


『No.10』
監督:アレックス・ファン・ヴァーメルダム
2021年|オランダ=ベルギー合作|101分|カラー|ビスタ|原題:Nr.10
© 2021 GRANIET FILM CZAR FILM BNNVARA
提供:キングレコード 配給:フリークスムービー

4月12日(金)より新宿シネマカリテ、シネ・リーブル梅田ほかにて全国順次公開

公式サイト
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