配給元のコピーは”イタリア製ウルトラ・ポップ・アヴァンギャルド・セックス・スリラー”。
慈善財団の若き理事長・セイヤー(フィリップ・ルロワ:当時39歳。役の上でもそれぐらいの設定だっただろう)は、一方で極度に歪んだ性的嗜好の持ち主だった。
財団の報道課で働き始めて間もないスウェーデン系のメリー・エルストロム(ダグマー・ラッサンダー)を拉致して、ハイテク装備満載な秘密のアジトに監禁したセイヤーは、メリーに様々な責め苦を与える。
果たしてメリーは生きて戻ることが出来るのか…?
…というのが、超ざっくりな前半のあらすじ。
監督・脚本はピエロ・スキバザッパ。
主演のフィリップ・ルロワは、『穴』や『黄金の七人』『愛の嵐』『ニキータ』などで知られるフランス人俳優。
ヒロインを演じたダグマー・ラッサンダーはチェコスロヴァキア生まれのドイツ人で、『ザ・ショック』などで知られるマリオ・バーヴァの監督作『クレイジー・キラー 悪魔の焼却炉』など、イタリア映画にも出ていた人。
当時26歳、かなりの美人。
で、セイヤーがメリーに与える責め苦や暴虐な扱いの数々が、けっこう意味不明(笑)。
更に、途中から様相が一転し。
観始めて1時間ちょっと過ぎる頃には、先月紹介した『No.10』(https://lsdblog.seesaa.net/article/502932781.html)同様に、「俺は何の話を観ていたんだっけ…?」となった。
しかもそんなもんでは済まない。
ネタバレを避けるためコレ以上は踏み込まないが、最後まで観て「えっ、こういう話だったんだ?」となる人は多いはず。
ぶっちゃけ設定面ではあちこちに綻びが見られるものの、「いや~意味わかんねえ」とか言いながら笑って観終えられる1本かも。
やはりというか、60年代末のイタリア映画ならではという感じの映像美はなかなかの見もの。
部屋のデザインとか凄くおしゃれ。
(美術はフランチェスコ・クッピーニ、衣装は『セブン・イヤーズ・イン・チベット』他で世界的に知られるエンリコ・サバティーニ)
あと、途中で出てくる水陸両用車もおしゃれ。
(ドイツのアンフィカー770だと思う)
おしゃれと言えば、ステルヴィオ・チプリアーニによる音楽もとてもおしゃれ。
(もちろんファズの効いたサイケデリックなやつもある)
ウルトラ・ポップ・アヴァンギャルド・セックス・スリラーというからには、もちろんエロ描写も多いんだけど。
けっこうフェティッシュな感じで、直接的なやつより、わりと暗示的なのが目立つ。
フェラチオとか手コキとか足コキとかを、それとなく匂わせるような。
そのへん好きな人はたまらんかもよ。
カルトな1本かも知れないけど、このブログ御覧の皆様はそういうのお好きでしょう(笑)。
6月7日(金)より新宿武蔵野館・渋谷ホワイトシネクイントにて公開。
フィリップ・ルロワはこの1日に93歳で亡くなったとのこと。
今回の日本公開、追悼上映にもなるね。
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