DUST/HARD ATTACK(1972)

DUST.jpgDUST。
1stアルバム『DUST』(1971年)をこのブログで紹介してから、早12年。
https://lsdblog.seesaa.net/article/201607article_1089.html
そしてこちらが2ndアルバム。

1969年、ブルックリンで結成。
メンバーはリッチー・ワイズ(ギター、ヴォーカル)、ケニー・アーロンソン(ベース、スライド、ペダル・スティール)、マーク・ベル(ドラム)の3人。
71年に『DUST』をリリース。
続いて72年に登場したのが『HARD ATTACK』だった。
プロデュースは前作同様、リッチーとケニー・カーナー。
これまた前作同様、ケニーは全曲のソングライティングにも関わっている。

『DUST』とほぼ同時期(ひょっとすると同時)に、新宿のDISK UNIONで買った。
1000円ぐらいだったはず。
(どっちも1994年のワン・ウェイ・レコーズ盤CD)

ミイラのジャケットのイメージに反して全然ドゥーミーとかじゃなかった前作と同様…『HARD ATTACK』も北欧メタルのB級どころみたいな(?)ジャケットから想像されるようなゴツい音ではない。
前作よりもアレンジの幅が一層広がり。
1曲目「Pull Away/So Many Times」から、アコースティック感覚のハード・ロック。
2曲目「Walk In The Soft Rain」もアコースティックから始まる。
更に3曲目「Thusly Spoken」はゲストのピアノ/オルガンとストリングスをフィーチュアしたジェントルなバラード。
B面2曲目の「I Been Thinkin」と4曲目「How Many Horses」は、ケニー・アーロンソンのペダル・スティールをフィーチュアしたカントリー・ロック風。
同時代のBLUE OYSTER CULTやNEW YORK DOLLSなんかと違って、ニューヨークのバンドにしてはアーバンな感覚が薄い、土ぼこりが舞うような音を出す。
(一方でサザン・ロックみたいな田舎っぽさはなくて、ちょっと英国ハードみたいな感触もあるんだよね)

そしてコレもまた前作と同様に、速い曲・速めの曲では軽快に疾走し。
隙あらば全員が暴れ出す。
(半面、重さはあんまりないんだけど)
6分半近いA面ラスト「Learning To Die」(この曲のみケニー・アーロンソンとケニー・カーナーの共作)や2分半で疾走するB面3曲目のインストゥルメンタル「Ivory」に顕著。
マーク・ベルのドタバタと手数多く突っ走るドラムは、その後のマーキー・ラモーンと同一人物とは思えないハード・ロッカーぶり。
前作の「Loose Goose」といい、インストゥルメンタルを聴くと、リッチー・ワイズの優れたリフ・メイカーぶりがなお明らかになる。
(ルックスが地味過ぎたよね…)
B面ラストの「Suicide」はアルバム中でも最も引きずる系の重さを感じさせる曲で、途中で入るケニーの歪んだベース・ソロがやたらとカッコいい。
(この曲が一番ブリティッシュっぽい)
リッチーが気合一発のシャウトから歌に入るB面1曲目「All In All」でも、ケニーのベースはベンベケ鳴りまくる。
「Pull Away/So Many Times」でも、ギターはアコースティック主体ながら、リズム・セクションは存分に主張している。

「Suicide」の後にはシークレット・トラックとして、リッチーによる30秒ほどのアコースティックな演奏が入っていて。
ジャケットからヘヴィなやつを期待すると思いっきり裏切られるんだけど、緩急のあるナイスなアメリカン・ハード・ロックが聴ける1枚。
しかし『DUST』も『HARD ATTACK』も、当時は全然売れなかったそうで。
リッチー・ワイズは3rdアルバム用の曲を書き始めていたが、プロデュース業の方に興味が移ったこともあり、バンドは解散。

マーク・ベルはマーキー・ラモーンとなり。
ケニー・アーロンソンは引く手数多のセッション・ベーシストとして大活躍し、現在はTHE YARDBIRDS(!)のメンバーなのだそうで。
リッチー・ワイズは『KISS』(https://lsdblog.seesaa.net/article/202003article_11.html)をはじめとして、GLADYS KNIGHT AND THE PIPS、IAN LLOYD & STORIES、エルキー・ブルックス、スティーヴ・マリオット、SAVOY BROWN、シルヴィ・バルタン(!)、スタン・ブッシュなど、幅広いジャンルでプロデューサーとして名を残している。

この記事へのコメント