Les Rallizes Denudes/屋根裏YaneUra Oct. '80

裸のラリーズ.jpg17日リリース。
昨日入手。
今日はヘヴィ・ローテーション中で、ほとんどこのアルバムしか聴いていない。
このブログを御覧の皆様にも、同じような人が3桁ぐらいいるのでは。

1980年夏から81年春までしか続かず、その間に7回しかライヴをやらなかったという、山口冨士夫在籍時の裸のラリーズによる、3回目のライヴ。
80年10月29日、渋谷屋根裏。
ブートやプライヴェート・テープはあったそうだが、俺は初めて聴いた。

メンバーは水谷孝(ヴォーカル、リード・ギター)、山口冨士夫(ギター)、ドロンコこと高田清博(ベース)、野間幸道(ドラム)の4人。
かつて数少ない裸のラリーズの公式音源のひとつだった『77 LIVE』から3年後だが、水谷以外は全員入れ替わっている。

プロデュース、ミックス、マスタリングは水谷孝の盟友・久保田麻琴。
音質は非常に良い。
複数のカセット音源をミックスして仕上げてあるのだという。

ライナーノーツ(当時を知る松山晋也氏による、非常に興味深い内容)にもある通り、4人編成の裸のラリーズでは、2本のギターの役割はリードとリズムにはっきり分かれていて。
リズム・ギターは文字通りリズム・セクションの一部であり、3人の演奏をバックに水谷孝が存分に弾き倒す、というスタイルだった。
それは『77 LIVE』でも、俺が実際に観た1997年のライヴでも同様だった。
しかしここでの演奏はそうではない。
クレジットでは水谷が”リード・ギター”となっているものの、実際には水谷と山口冨士夫がそれぞれにノイジーな、それでいてタイプの違うサウンドを縦横に繰り出し、絡み合う。
ライヴ前半を収録したディスク1も素晴らしいが、後半/ディスク2では更にアセンションと言いたくなるような、すべての音が螺旋状に上昇していくような、その一方で真っ黒な次元の裂け目の何処かへと渦を巻いて下降していくような、そんな感覚を味わうことが出来る。

2本のギターが爆音で交わるのだからそれはもちろんノイジーなのだが、そればかりではない。
「Enter The Mirror」は『77 LIVE』のヴァージョンよりも―誤解を恐れずに言えばーとてもメロウに響き、水谷孝の歌もギターも艶やかだ。
PEARLS BEFORE SWINEやGRATEFUL DEADやQUICKSILVER MESSENGER SERVICEなども聴いていたらしい水谷だけでなく、そのような水谷をきっちりサポートする山口冨士夫の貢献もあっての、このみずみずしさだろう。

一方で「夜、暗殺者の夜」は『77 LIVE』以上にリズミカルでグルーヴィー。
水谷孝が当時パンクをどのように捉えていたのか全く知らないのだが、ある意味パンキッシュにも聴こえる。
コレもこの4人編成あってのモノだろう。
しかし村八分で日本のプロト・パンクの筆頭に挙げられる山口冨士夫、ここでのプレイは村八分ともソロ『ひまつぶし』とも、もちろんのちのTHE TEARDROPSとも違い。
それでいてまさにフジオそのものとしか。
これまたライナーにある通り、天才であった。

そして18分に及ぶ「The Last One」。
どんどんラウドになっていき、終盤でベースとドラムが例の反復リズムを刻むのを止めると、2本のギターが美しいノイズの壁を築き上げる。
永遠に聴いていたいと思われてならない。
で、ディスク2が終わると再びディスク1をCDプレイヤーにセットしてボタンを押す。
今日はずっとそれを繰り返している。

梅雨明けの炎熱の中で、エアコンのコンセントを抜いたままの部屋でホットコーヒーを飲みながら聴くのも良かった。
陽が落ちて、扇風機の涼しい風を感じながら焼酎のオンザロックを飲みつつ聴くのも格別だ。
全人類必聴とは言わないが、少なくともこのブログを御覧の皆様全員にお勧めします。


それにしても、この時の4人のうち、ドロンコ以外の全員があちらにいるとは。

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