映画『アクション・ミュタンテ 4K』

アクションミュタンテ.jpgスペインの異才アレックス・デ・ラ・イグレシアが、ペドロ・アルモドバルの製作で1993年に撮った長編デビュー作。
90年代に『未来世紀ミュータント』『ハイル・ミュタンテ! 電撃XX作戦』という邦題で上映/公開されたことがあったそうだが、今回4K版で『アクション・ミュタンテ』という邦題で、30年ぶりの日本公開。
俺は初めて観た。

美しさや健康が何より優先される未来社会。
障害や醜悪な容姿のために差別・迫害・虐待を受けてきた7人の”フリークス”はテロ組織”アクション・ミュタンテ”として、美や健康や富裕を憎み、誘拐や殺人を繰り返していた。
出所してきたリーダー、ラモンを中心に、製パン業で財を成した大富豪・オルホの娘パトリシアの結婚パーティーを襲い、客を皆殺しにしてパトリシアを拉致する。
そして身代金の受け渡し場所である惑星アクステュリアに向かうのだったが…。

…というのが前半のあらすじ。
まあ、ストーリーはあってないようなもんです。
『マッド・マックス』シリーズと『フロム・ダスク・ティル・ドーン』と『金持を喰いちぎれ』(https://lsdblog.seesaa.net/article/499441498.html)に、『未来世紀ブラジル』とか『時計仕掛けのオレンジ』とか『不思議惑星キン・ザ・ザ』(https://lsdblog.seesaa.net/article/201607article_2207.html)とか『フリークス』とかその他いろいろをちょっとずつ混ぜてミキサーにかけてぐちゃぐちゃにしたところに汚水をまぶしたみたいな感じ(笑)。
(アクステュリアのイカレた一家には『悪魔のいけにえ』テイストも)

服役中のラモン不在の間にもテロリスト仕事を遂行しようとするものの失敗続き、そしてラモンが出所してきてからもやっぱり失敗続き…な手下たちのポンコツぶりがまず笑える。
そして全編をヴァイオレンスやゴア描写が覆っているのに、何故かあんまり凄惨に見えず、オフビートな笑いに転じていく。
あと途中まで観ていると、ヒロインの名前が何故パトリシアなのかもすぐわかる。
(後半変貌するパトリシアがまたおかしい)

油や埃にまみれた街や宇宙船、砂に覆われたアクステュリアのうらぶれた感じ、薄汚れたコスチュームなんかのセンスも非常にナイス。
そして世間の規格からはみ出した連中へのシンパシーと、エスタブリッシュメントに対する反骨精神。
上に挙げたような映画(あっ、あと『荒野の千鳥足』とかも)がひとつでも好きな人は、見て損なしの怪作/快作です。


8月23日(金)より新宿シネマカリテ他全国順次ロードショー。

https://x.com/accionmutantejp


(C)EL DESEO, S.A. - CIBY 2000 - 1992

この記事へのコメント