幻の仕事

TEENAGE FANCLUB.jpg確か8年前だったか。
かなり大きな仕事を受けたことがあった。
某大企業のHPに載せる、創業者の伝記みたいなのを書く仕事。

仕事を受けた出版社の編集さんからは、その創業者が亡くなった頃(昭和の後半)に出たその会社の社史や、創業者のインタヴューその他が載った当時の雑誌記事なんかが(PDFで)送られてきた。
それらを隅から隅まで読みながら、時代的な背景や、各エピソードに登場する、創業者と付き合いのあった企業人(TVCMで有名な某会長さんとか)や芸能人などについても徹底的に調べ。
本社に行って現社長、専務(創業者の孫)、相談役(創業者の娘)、更に栃木県内の工場に行ってその責任者(創業者に直接薫陶を受けた世代)にインタヴューを行ない。
その年の夏は、ほぼその仕事に専念していた。
創業者の戦争体験、復員と家業のスタート、兄弟との確執、独立、新製品の開発、CMにタレントを起用した際のいきさつ、創業者の趣味とコレクション、その他さまざまな仰天のエピソードetc…。
大変だったが、やりがいのある面白い仕事だった。

入稿を済ませた翌月だったか、ギャラが振り込まれた。
他の仕事のギャラなども含め、その月の月収は76万。
会社員時代にもらったボーナスの最高額が80万だったが、賞与などではない通常の仕事の対価として、1ヵ月にその76万以上稼いだことは、その後絶えてない。
ちなみにその翌月の月収が7万だったことも、よく覚えている(笑)。
フリーランスとは、そういうものだ。

…で。
その後その会社のHPに、俺が書いた”〇〇〇〇伝”がアップされたことは、なかったような…。
現在会社名と創業者の名前で検索しても、まったく引っかからない。

あー。
うん。
現在のコンプライアンスとか社会規範に照らして、不適切と思われる内容があったり。
実名でいろいろな人が登場していたり。
そのへんが問題になったかなあ…。
ギャラは確かにもらったんだけどな。

仕事を振ってくれた有名出版社(のWEB部門)からは、その後一度も仕事の依頼がない。
なので、「アレどうなりましたかね…?」と尋ねる機会も失われたままだ。
しかし最近も、何年も関わりのなかった出版社から新たにすげえ大きい仕事を振ってもらったりとかもあるので、件の出版社ともまた仕事をする日が、いつか来るのかも知れないと思ったりもする。
(出来れば俺がおじいちゃんになる前に声かけてほしいと思う)


他にも、凄くイイ原稿書いたんだけど諸事情で本が出なかったり、本が出たもののすぐ回収になったりして、それでもギャラはきちんと振り込まれた…ということは2回ぐらいあった。
それはまたの機会に。
(とか言って、没になった原稿の内容をこのブログで記事化したことは、実は何度もある)

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