しかしこのアルバムについて日本語で書かれたネット記事の類はほとんど見当たらない。
ところが海外のAmazonレヴューでは何故か異様に評価の高い1枚。
活動を続ける間に専任ヴォーカリストもリズム・ギタリストもいなくなり。
ここでのパーソネルはテッド・ニュージェント(ギター、ヴォーカル)、アンディ・ソロモン(キーボード、サックス)、グレッグ・アラマ(ベース)、デイヴ・パーマー(ドラム)の4人。
ところがCD化以降は、何故かリズム・セクションがボブ・ラツガ(ベース)、K.J.ナイト(ドラム)とクレジットされている。
それは次のライヴ盤『SURVIVAL OF THE FITTEST LIVE』(1971年:https://lsdblog.seesaa.net/article/202006article_11.html)の編成。
デイヴは『MARRIAGE ON THE ROCKS-ROCK BOTTOM』のレコーディング中に脱退しているので、後釜としてK.J.が参加している可能性はあるかも知れないが。
プロデュースとエンジニアリングはかのエディ・クレイマー。
で、THE AMBOY DUKES史上だけでなく、テッド・ニュージェントの全活動史を通じても、極めて異色のアルバム。
AMBOY DUKESはデビューからずっとアンディ・ソロモンを含む編成で活動してきたのだが。
ここではアンディのキーボードとサックスがかなり前面に出ているだけでなく、楽曲やアレンジそのものが、AMBOY DUKESやテッドの他のアルバムでは見られないレベルでプログレッシヴ・ロック寄り。
実験的とさえ言える。
何しろ全8曲中3曲が8分以上ある。
唯一アンディが作曲した「The Inexhaustible Quest For The Cosmic Cabbage」に至っては10分。
でもAllMusicで「Marriage」(いきなり1曲目から9分のインストゥルメンタル)をJETHRO TULLと比較しているのは、正直どうかなと思う。
バルトークの「弦楽四重奏曲第2番」を引用した「The Inexhaustible Quest For The Cosmic Cabbage」がフランク・ザッパっぽいというのも、まあわからなくはないんだけどさ。
(途中でTHE BEACH BOYSのパロディみたいになるのはびっくり)
ともあれハード・ロックともプログレともブルーズ・ロックともつかないこのアルバムが日本で評価されないのは、よくわかるというかなんというか。
その後AMBOY DUKES FEATURING TED NUGENTからTED NUGENT AND THE AMBOY DUKESとなり、『SURVIVAL OF THE FITTEST LIVE』ではアンディ・ソロモンのキーボードとヴォーカルを更にフィーチュアして、「Prodigal Man」では同時期のDEEP PURPLEを凌駕するようなオルガン・ハード的方向を聴かせたバンドだったが。
ポリドール時代の2作は商業的に成功せず、結局解散。
再編してフランク・ザッパのディスクリートからリリースするようになった時点で、テッド・ニュージェントはもうキーボードを入れず、ギター・オリエンテッドでより野蛮なハード・ロックにシフトしていたのだった。
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