THE DRONES/EXPECTATIONS: TAPES FROM THE ATTIC 75-82(1997)

DRONES.jpgインパクトのデカいジャケット(そこらへんで見つけた街娼がモデルだとか)のアルバムで有名な、マンチェスター出身のパンク・バンド…のレア音源集。
こっちはボケボケの、インパクトの薄いジャケット。
(もう少しなんとかならんかったか)

1974年、パブ・ロック・バンドROCKSLIDEとして結成。
75年10月にはシングルも出していたが、商業的成功とは縁遠く。
翌年には勃興しつつあったパンク・ムーヴメントに触発されてパンク・バンドに鞍替え。
76年10月にTHE DRONESと改名。
当時のメンバーはM.J.ドローンことマイケル・ハウエルズ(ヴォーカル、ギター)、ガス・ギャングレンことゲイリー・カレンダー(リード・ギター)、スティーヴ”ウィスパ”カンドール(ベース)、ピート・パーフェクトことピート”ランバート”ハウエルズの4人。
初ライヴはGENERATION Xの前座だったという。

彼らはマンチェスターにとどまらず、拠点をロンドンに移す。
あの有名なROXY CLUBに出演していたバンドのひとつ。
1977年1月にはBUZZCOCKSの前座として。
77年2月にはトリを務める。
3月にはX-RAY SPEXとCHELSEAの前座。
その後THE STRANGLERSの前座としてツアーも経験している。
そしてEPとシングルを経て、77年12月にアルバム『FURTHER TEMPTATION』をリリース。
82年に解散。

このCDは前半がスタジオ録音で、後半がライヴ。
スタジオ音源の大半は『FURTHER TEMPTATION』の後、1978年3月~79年5月のモノだが。
1曲だけ75年11月、つまり彼らがまだROCKSLIDEだった頃と思われる録音が入っている。
それがIGGY AND THE STOOGES「Search And Destroy」のカヴァー。
か、軽い。
最初のカウントだけ威勢がイイのに、歌も演奏も軽い。
ベースが妙にファンキーに弾む。

1978~79年の音源ではキーボードが入っていたりダビーなアプローチだったりで、バンドが活動を継続していたら3コードのパンク・ロックではない方向に進んだのではと思わせる。
「She's OK」はTHE DRONESのレパートリー中で唯一ランバートの作詞・作曲によるモノで、キーボードをフィーチュアしたアレンジは思いっきりTHE STRANGLERSっぽい。
ダブ・ナンバー「Bristol's Black」はブリストルの暴動にインスパイアされたという。

ライヴ音源は1曲が1977年10月、3曲が82年初頭のモノ(ベースは元STEROID KIDDIESのロジャー・ハミルトン)だが、一方実に7曲が再結成後の96年8月、ブラックプールでの「HOLIDAYS IN THE SUN」のステージ。
なのでこのCD、本当は”75-82”ではなく”75-96”とすべきだったのでは。
ともあれ96年の時点でメンバーはまだ40代だったはずで、勢いあるパンク・ロックに衰えは感じられない。

再結成したバンドは1997年に来日を果たしたばかりか99年には新作までリリースし、70年代には機会のなかったアメリカ・ツアーも実現させている。
しかしその時の活動は続かず、00年代に入ると沈黙。
その後2013年1月にM.J.ドローンが、19年12月にはランバートが亡くなる。
ところがM.J.亡き後の2015年、ガス・ギャングレンとウィスパは新たなメンバーを迎えてTHE DRONESを再々結成。
(ガスもウィスパも既に60代だったはずだが…)
ヴォーカルはウィスパが兼任した。
ガスは17年1月に健康を害して脱退したものの、バンドはウィスパを中心に現在も活動しているらしい。

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