
ところで1977年のイギー・ポップは70'sパンクに入れてイイでしょうか?
そりゃ入れますよ。
ってか、77年当時30歳のイギー、下手すりゃ10歳近く若いパンクスよりも全然パンクだった。
70'sパンクの一環として1977年のイギー・ポップの音源を紹介するなら、エレクトロでジャジーな『THE IDIOT』(https://lsdblog.seesaa.net/article/498220565.html)とそれに伴うツアーより、もっとR&Rに寄った『LUST FOR LIFE』…をプロモートするツアーの音源に限る。
そこでコレ。
仏リヴェンジ・レコーズから90年に発掘リリースされたモノだが、国内CD化は10年以上経った2001年だった。
1977年9月23日、パリのHIPPODROME(いわゆる建物ではなくテントだったらしい)でのライヴ。
まさに『LUST FOR LIFE』がリリースされた頃。
イギー・ポップ(ヴォーカル)を支える演奏陣は、ステイシー・ヘイドン(ギター)、トニー・セイルズ(ベース)、スコット・サーストン(キーボード、ギター:元IGGY AND THE STOOGES)、ハント・セイルズ(ドラム)。
『LUST FOR LIFE』に伴うツアーということで、当然ながら「Sixteen」「Lust For Life」「The Passenger」「Neighbourhood Threat」「Success」「Fall In Love With Me」と、レパートリーの半数以上を『LUST FOR LIFE』の楽曲が占めるのだが。
しかし「Lust For Life」をはじめ、そのパンクな勢いはアルバムの比ではない。
そして「I Got A Right」「Raw Power」「I Wanna Be Your Dog」というTHE STOOGES/IGGY AND THE STOOGES楽曲での、これまたむやみな勢い。
「I Got A Right」はオリジナルの1972年録音のスピードに勝るモノではないが、「Raw Power」とかもう、えらいことになってますよ。
曲が始まる前にイギー・ポップが曲名を絶叫しているんだけど、そこでなんかヘンな音がする。
イギーが自分の脚を叩いていたらしい(笑)。
超絶なハイテンション。
あと、のちにデイヴィッド・ボウイのTIN MACHINEでも活躍するセイルズ兄弟をはじめとするバック陣の貢献度は高い。
演奏だけでなく、時に女声のようにも聴こえる甲高いコーラスも。
で、「Raw Power」の次に来るのがMITCH RYDER & THE DETROIT WHEELSの「C.C.Rider/Jenny Take A Ride」。
デトロイト・マナー全開。
続くオーティス・レディング「That How Strong My Love Is」も、ファンキーにしてパンクなアレンジ。
そして「I Wanna Be Your Dog」で締め。
エンディングでステイシー・ヘイドンがジミ・ヘンドリックス「Purple Haze」のフレーズを聴かせるが、イギー・ポップは約10年後に「Purple Haze」を録音することになる。
(公式リリースはされなかったけど)
俺が初めてイギー・ポップのライヴを体験したのは、この1977年ライヴから22年後の89年。
当時のイギーは41歳。
そしてそれから36年後(!)の2025年、77歳のイギーを目撃したのだった。
長生きはしてみるもんだな…と思ったが、俺は今の時点ではイギーよりも全然長生きとは言えない。
とりあえずもう60年ぐらい生きようかな。
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