V.A./PUNKS FROM THE UNDERGROUND(1990)

PUNKS FROM THE UNDERGROUND.jpg何故かオムニバスに多い(?)”前からずっと紹介したかった1枚”のひとつ。
スカイドッグ原盤のレア音源集。
この頃のテイチクは、EDDIE & THE HOT RODS『GET YOUR BALLS OFF』(https://lsdblog.seesaa.net/article/201607article_618.html)やFLAMIN' GROOVIES『SIXTEEN TUNES』(https://lsdblog.seesaa.net/article/201607article_1098.html)など、マニアックで興味深いスカイドッグ音源を国内発売し続けていた。

元々はアイランド・レコーズの音源なんだそうで。
1978年頃、当時EDDIE & THE HOT RODSのマネージャーだったエド・ホリスの仕切りで、アイランドのスタジオで行なわれたパンク系ミュージシャンのセッション。
しかし当時リリースされることはなく、テープはスカイドッグに渡り、10年以上も経ってからリリースされた、ということらしい。

全12曲中、THE SHITS(SNIVELLING SHITS)が最多の3曲。
当時SNIVELLING SHITSとしてリリースしていたシングルとはメンバーが違い、ジョヴァンニ・ダドモ(ヴォーカル)のバックを務めるのはピーター・ペレット(リズム・ギター)、ジョン・ペリー(リード・ギター)、トニー・ジェイムズ(ベース)、マイク・ケリー(ドラム)だという。
つまりTHE ONLY ONES+GENERATION Xと…。
で、1曲収録されているVEGETABLE MENも実は同じメンバーだそうなので、SHITSは実質4曲ということになる。
曲名通りアッパーな「I'm Flying」、THE VELVET UNDERGROUND「I'm Waiting For The Man」の替え歌(?)「I'm Waiting For My Crossroads」、ジョニー・ロットンを意識したようなヴォーカルで”Samurai, Samurai””Sayonara Samurai””Banzai Samurai”などと連呼される「Bring Me The Head」。
(歌詞からして、曲名は「Bring Me The Head Of Yukio Mishima」と続くのだろう)
VEGETABLE MEN「Vegetables」はPINK FLOYDの未発表曲のカヴァー。
(前にも書いたが、どうしてこんな曲を知っていたのか?)

HEARTBREAKERS名義で収録された「Too Much Junkie Business」「Seven Days Weekend」は、実際にはTHE HEROESの音源。
(ここらへんは国内盤CDをリリースしたテイチクの思惑があったのだろう)
メンバーはウォルター・ルアー(ギター、ヴォーカル)、ヘンリー・ポール(ギター)、ビリー・ラス(ベース)、スティーヴ・ニコル(ドラム:EDDIE & THE HOT RODS)の4人。
2曲ともウォルター作。

ソロ名義とNICK KENT & SUBTERANNEANS名義で1曲ずつ収録されているニック・ケントは、SEX PISTOLSやTHE DAMNED人脈のミュージシャンでもあった音楽評論家。
ソロ名義の「Switch-hitter Dub」は曲名通りダブ・ナンバー(ニックの語りが乗る)で、バックはダーウッド・アンドリュー(ギター)とトニー・ジェイムズ(ベース)だという。
そしてSUBTERANNEANSというのは、実はTHE SHITSのバックと同じメンバー。

あとは全部1曲ずつの収録となる。
DEENO'S MARVELは当時EDDIE & THE HOT RODSのロード・マネージャーだったディーン・ケネディ(ヴォーカル、ギター)をEDDIE & THE HOT RODSがサポートしたモノ。
ディーンと言えばCANVEY ISLAND ALLSTARS(https://lsdblog.seesaa.net/article/201607article_31.html)のヴォーカリストだが、いかにもなパブ・ロックだったCANVEY ISLAND ALLSTARSとは違って、ここでの「Oil City Rockers」は軽快なパンク。
しかし”Oil City”というのはDr.FEELGOODやCANVEY ISLAND ALLSTARSを生んだキャンベイ・アイランドのことだろう。
ディーンは2019年3月に亡くなったとのこと。

THE SPEEDBALLSは元DUCKS DELUXEのショーン・タイラ+THE LIGHTNING RAIDERS、らしい。
しかし何故か(?)インストゥルメンタル。

で、THE LIGHTNING RAIDERSは元PINK FAIRIESのダンカン”サンディ”サンダーソン(ベース、ヴォーカル)が参加していたバンド。
ここに収録された「Didja」は、PINK FLOYD「Wish You Were Here」をパンク・バンドが演っているような、ブルージーな1曲。
このアルバムの中ではかなり異色。
しかしダルでサイケデリックな雰囲気があって、なかなか聴かせる。

最後にMC5「High School」の元気なカヴァーを聴かせているTHE PHANTOMSは、ヘンリー・ポール(ヴォーカル、ギター)に、ポール・グレイ(ベース)とスティーヴ・ニコル(ドラム)というEDDIE & THE HOT RODSのリズム・セクション。
(他にもう一人フランス人のギタリストがいたらしい)

基本的にB級っぽいのが集まっているんだけど、悪くない。
個人的にはけっこう好きな1枚。

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