中心人物であるラスティ・エヴァンスことマーカス・ウジレフスキ(ラスティでもエヴァンスでもない…)は1937年ニューヨーク生まれで、50年代にロカビリアン(!)としてレコード・デビュー。
(カントリーも歌っていたとのこと)
その後はグリニッチ・ヴィレッジでフォークを歌い、THE NEW CHRISTY MINSTRELSに参加していたこともあるという。
60年代半ばになると時代の流れを受けてサイケデリックにシフト。
時代の流れを受けて…というか、ラスティ・エヴァンスがTHE DEEP名義でアルバム『PSYCHEDELIC MOODS OF THE DEEP』をリリースしたのは1966年なので、サイケデリックに対して後追いとか便乗とかではなく、かなり早くからアプローチしていたワケで。
ラスティがかなりの目利きだったことがよくわかる。
(『PSYCHEDELIC MOODS OF THE DEEP』はTHE 13th FLOOR ELEVATORSの1stアルバムと並び、タイトルに”PSYCHEDELIC”と入った最も初期の作品とされる)
そして”Summer Of Love”の1967年、ラスティ・エヴァンスが満を持して世に出したのがTHE FREAK SCENE名義の『PSYCHEDELIC PSOUL』だった。
(リリースは67年3月なので、やはりかなり速い動き)
バンド名もアルバム・タイトルもジャケットも完璧だ。
67年、ラスティは既に29~30歳だった。
当時の彼がマリワナやLSDにどっぷりだったのかはよくわからない。
ともあれ機を見るに敏な人だったのは間違いないだろう。
一部ガレージ・パンク色もある荒々しい作りだったTHE DEEPとは違い、プロジェクト名通りかなりフリーキーでありながらも洗練/ソフィスティケイトされたサウンド。
SEやテープの逆回転やコラージュといったサイケデリックなギミック、そしてもちろん(?)サイケの神器、ファズ。
更にアラビックなテイストも、とサイケデリック全部乗せな₁枚。
メンバーのクレジットがないのだが、ファズをかましたリード・ギターはラスティ・エヴァンス自身によるという。
(リード・ヴォーカルも)
リズム・ギターとベースはデイヴィッド・ブロムバーグ、パーカッションにマーク・バーカンと、DEEPのメンバーの多くがそのまま参加していたらしい。
(マークは『PSYCHEDELIC MOODS OF THE DEEP』のプロデューサーだった)
アンサンブルを支えるのは印象的なベース・ライン。
そのベースをはじめとして、楽曲もアレンジもイカレポンチなのにあちこちキャッチーなんだよね。
THE DEEPもTHE FREAK SCENEもスタジオ・ユニットというかレコーディング・プロジェクトだったため、アルバムをフォローアップするツアーなどは一切行なわれず。
そのせいもあってか、彼らのアルバムは当時チャート入りすることはなかったという。
しかしその後60年近く経っても『PSYCHEDELIC MOODS OF THE DEEP』と『PSYCHEDELIC PSOUL』はサイケデリックの名盤とされ、再発が重ねられている。
ラスティ・エヴァンスは1970年にソロ・アルバム『MARCUS』をリリース。
(コレはアシッド・フォークだったという)
79年以降はフォークやロカビリーやカントリーを演奏していたらしい。
(本名マーカス・ウジレフスキ名義で、画家としても有名だったとのこと)
そして彼は2015年12月に亡くなったという。
78歳だったはず。
夏風邪の症状悪化。
体温は37.5度。
早めに寝なければ。
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