NEU!/NEU! 2(1973)

NEU! 2.jpgNEU!のアルバムで、一般的に(?)一番人気が高いのは『NEU! 2』なんだろうか。
ネットをつらつら見ていると、そんな気がしなくもない。

俺が初めて買ったNEU!のアルバムは1st『NEU!』(1972年:https://lsdblog.seesaa.net/article/201808article_11.html)。
次に買ったのが3rd『NEU! 75』(75年:https://lsdblog.seesaa.net/article/201709article_15.html)。
いずれもLPで。
(高価かった)
一方『NEU! 2』を初めて買ったのは、94年のジャーマノフォン盤CDで。
シンプル極まりないのに浮遊感が凄い「Hallogallo」とかが入ってる『NEU!』、SEX PISTOLSに先駆けるパンクな叫びを聴かせる『NEU! 75』に対して、実は個人的には『NEU! 2』が一番思い入れが少なかったりする。

いや…久しぶりに聴き直してみたら、やっぱりカッコいいわコレ。
(おせえよ)

「Fur Immer」は「Hallogallo」の続編的な曲。
しかしこのアルバムでのNEU!はクラウス・ディンガー(ギター、ドラム、パーカッション、ヴォーカル、ピアノ、バンドネオン、エレクトロニクス、ターンテーブル、琴)とミヒャエル・ローター(ギター、ベース、ピアノ、ヴァイオリン、ツィター、パーカッション、エレクトロニクス、テープレコーダー)と、前作と同じ二人組ながら、使用楽器がもの凄く増えていて。
(”Japanbanjo”とクレジットされているのがいわゆる”琴”なのかどうかはよくわからない)
その分『NEU! 2』のA面は『NEU!』よりも音数が多く、作り込まれている。
かのイギー・ポップはNEU!を”サヴェージ”と評したが、「Fur Immer」を聴くと、この時点でヘヴンリーなLA DUSSELDORFの種が既に蒔かれていたような感もある。
(いや、LA DUSSELDORFも十分サヴェージだけどね)
一方で『NEU! 75』の先鞭をつけるような、ワイルドな「Lila Engel」もあり。
(この曲名はその後クラウスがプロデュースしたLILAC ANGELSに引き継がれる)

しかしよく知られている通り、NEU!の二人と共同プロデューサーのコニー・プランクは、A面の録音を終えた時点で予算をほぼ使い果たしたうえ、押さえていたスタジオの日程も1日しか残っていなかったんだそうで。
そこで、先行シングルの2曲「Super」と「Neuschnee」の回転数を変えたりカセット・テープレコーダーで音をいじったり…という、当時としてはおよそ信じられないような手法でB面をでっちあげる。
(全部一晩でやったらしい)
カセットテレコで加工した曲名が「Cassetto」って、悪い冗談としか思えない。
(「Hallo Excentrico!」に至っては、「Neuschnee」シングル盤を手で回していたという。元祖スクラッチ…)
よく”リミックスの祖”みたいに言われる『NEU! 2』B面、ってかクラウス・ディンガー自身がそんな風にも語っているが…いやいやこんなんリミックスちゃうやろ。
クラウスも後付けでどや顔してみせただけでしょ?(苦笑)

それでも何となく(?)エクスペリメンタルなロックとして成立しちゃってるからすげえな…。
コレはまず、「Super」はさておき「Neuschnee」がインストゥルメンタルだったこと(「Super」も歌詞らしい歌詞はない)、そしてあまりにシンプルな楽曲構造が幸いしたと言うべきだろう。
(シンプルもシンプル、骨組みたいなロックだ)
そして何よりオリジナルの回転数の「Super」と「Neuschnee」が名曲だった。
それは聴けば明らか。
(とはいえ当時このアルバム、詐欺扱いされたらしいけど)

これまたよく知られる通り、「Super 16」(「Super」を16回転で再生しただけの”ヴァージョン”)は香港映画『片腕カンフー対空飛ぶギロチン』(1975年)のサウンドトラックに(無断で)使用されている。
使う方も使う方だけど、使われたNEU!も凄かったね…。

ともあれコレで『NEU! '86』(https://lsdblog.seesaa.net/article/201607article_351.html)を含むNEU!のオリジナル・アルバムはほぼ全部このブログで紹介したので、もうNEU!について言及することもないだろう。
(唯一取り上げてない『NEU! 4』は『NEU! '86』のプロトタイプみたいなもんだし)

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