(このCDでは定冠詞なしの13th FLOOR ELEVATORS)
しかしまあ、寄せ集め的なイメージが強い1枚。
クレジットも怪しい。
前半7曲(実際には8曲)は1966年9月、サンフランシスコのAVALON BALLROOMでの演奏、ということになっている。
クレジットはないが、ロッキー・エリクソン(ヴォーカル、ギター)、ステイシー・サザーランド(ギター)、トミー・ホール(エレクトリック・ジャグ)、ベニー・サーマン(ベース)、ジョン・アイク・ウォルトン(ドラム)の5人のはず。
音質はあまり良くない。
そして、AVALON BALLROOMでの演奏かどうか疑問。
ひょっとして、一部(あるいは全部)は『FIRE IN MY BONES』(https://lsdblog.seesaa.net/article/201610article_2.html)に入ってる66年春のダラスでの演奏ではないか、とも思う。
(ちゃんと聴き較べてないからわからんけど)
ともあれ演奏は強力。
特にTHE KINKSのカヴァー「You Really Got Me」。
ってかコレやっぱり『FIRE IN MY BONES』のヴァージョンの音質劣化版じゃねえのか?
(断言は出来ないが)
ともあれこの人たち、テキサスのローカル・バンドというイメージもありつつ、早くから西海岸でもライヴ活動をやっていて、「You're Gonna Miss Me」は全米56位を記録しているのだった。
(保守的なテキサスでは警察に目を付けられていて、活動はやりづらかったらしい)
で、中盤の3曲は何故かTHE 13th FLOOR ELEVATORSではなくロッキー・エリクソンのソロ。
(こういう編集盤は珍しくない)
1976年カリフォルニア州フェアファックスのSLEEPING LADY CAFEでのライヴ、ということになっている。
「The Lonesome Death Of Hattie Carroll」「When The Ships Comes In」「Baby Let Me Follow You Down」と、ボブ・ディラン3連発。
(「Baby Let Me Follow You Down」はディランの自作ではないが)
うーん、コレは、90年代にコレクタブルズから出ていた3枚組『THE 1966-1967 UNRELEASED MASTERS COLLECTION』に入っていた88年の演奏ではないだろうか。
(コレもちゃんと聴き較べてないからわからんけど)
ともあれディランになり切った感じの(?)ギターとハープと歌唱が興味深い。
終盤の4曲はTHE 13th FLOOR ELEVATORS1966年、テキサス州ヒューストンのLA MAISONでのライヴ、ということになっている。
いや…コレ、3曲は明らかにスタジオ録音じゃねえか。
「I Don't Want To Ever Come Down」は2ndアルバム『EASTER EVERYWHERE』のCDにも収録された未発表曲。
(何故かトミー・ホールのジャグが入っていないが、凄くカッコイイ曲)
ラストの「I'm Down」だけがライヴ。
(音質は悪い)
そしてこのCD、「You're Gonna Miss Me」も「Roller Coaster」も「Splash 1」も入ってないんだよね。
寄せ集めの上に妙なバランス…。
それにしても、「The Word」「I'm Down」とTHE BEATLESのカヴァーが2曲もあって。
ボブ・ディランにTHE KINKSにチャック・ベリー。
「Everybody Needs Somebody To Love」はやっぱりTHE ROLLING STONESから入ったに違いない。
それでどうしてこんな毒電波R&Rになるんだろう…。
テキサス恐るべしと言うべきなのか。
CDのインサートにはTHE 13th FLOOR ELEVATORSのライヴのフライヤーかポスターの画像が掲載されている。
60年代のかと思ったら、”THE ORIGINAL 13th FLOOR ELEVATORS ONE TIME ONLY”とある。
1977年頃に往時のメンバーが再結集した時のモノらしい。
ロッキー・エリクソン、ステイシー・サザーランド、トミー・ホール、ロニー・レザーマン(ベース)、ジョン・アイク・ウォルトンに、ダニー・トーマス(ドラム)、ベニー・サーマンの名前がある。
しかし78年にステイシーが、そして2019年にロッキーがこの世を去り。
ところがロニーとジョン・アイクは91年にロッキーもステイシーもいない13th FLOOR ELEVATORSでライヴをやっているので、バンドが今後復活しないとも限らないのだった。
メンバー中でロッキー以上にLSDをやりまくっていたトミーも、80代の今も健在らしい。
(ただしトミーはとっくの昔に音楽への興味を失ったという)
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