”WHITE LACE & STRANGE”というシリーズの第2弾だそうだが、俺はコレしか持っていない。
コンパイルはBEVIS FRONDことニック・サロマン。
それだけでも期待出来そうな。
ニックによると思われる(クレジットはなし)ライナーノーツには、アンプを11以上にしていた連中(笑)みたいなことが書いている。
ただし約62分20曲で、1曲あたり平均3分ちょっとなので、引きずりまくるような重厚長大な曲が入っているワケではない。
HOT SOUPはニューヨークのバンド。
1969年の唯一のアルバム『OPENERS』より。
オルガンとドタバタしたドラムをフィーチュアしたヘヴィ・サイケ。
BUMPはデトロイトで69~71年にかけて活動したバンドで、アリス・クーパーの前座を務めたりもしていたという。
70年の唯一のアルバム『BUMP』より。
ヴォーカルもコーラスもわりとキャッチーで、あんまりデトロイトっぽくはないかな。
(2ndアルバムはお蔵入りしたらしい)
イリノイ州ロックフォードのFUSEは、このブログを御覧の皆様の多くが御存知かもしれない。
言わずと知れた、CHEAP TRICKの前身にあたるバンド。
トム・ピーターソン(ベース)とリック・ニールセン(ギター、オルガン)が在籍。
1970年の唯一のアルバム『FUSE』より。
えっ、こんな重いの演ってたんだ、となるよね。
バンドはその後THE SICK MAN OF EUROPEと改名したそうだが、なんだそれ(笑)。
CARLOというのは、なんと元DION & THE BELMONTSのメンバー、カーロ・マストランジェロのこと。
1970年のシングル曲。
ギターの歪みはさほどでもないものの、シャウト気味のヴォーカルはかなりハード・ロックっぽい。
このへんの人も、この頃にはこういう方向だったのねえ。
カーロは当時32歳だったが、その後もニューヨークでPULSEというヘヴィ・ロック・バンドで活動したのだそうで。
彼は2016年4月に77歳で亡くなっている。
FIVE BY FIVEはテキサスのバンド。
(アーカンソーという説も)
1969年にアルバム『NEXT EXIT』をリリースしている。
(レア盤として知られるらしい)
ここに収録されたのはその後70年に出たシングル。
オルガンを前面に出したヘヴィ・サイケ/ハード・ロック。
ちなみにこのバンドは68年にジミ・ヘンドリックスの「Fire」をカヴァーして、全米52位を記録したという。
PLANT & SEEはノースキャロライナ州ファイエットヴィルのバンド。
1969年の唯一のアルバム『PLANT AND SEE』より。
ドラムが忙しい、ヘヴィ・サイケというよりはほぼハード・ロック。
MORNING SUNはテキサスのバンド。
70年のシングルB面曲を収録。
コーラスと、あとウッドブロックらしき音がやたら目立つ。
TODAY'S SPECIALはニューヨークのバンド。
1968年のシングル曲。
ギターのジョン・ショールはその後セッションマンとして、ブルーグラスを中心に、ジャズ、ロック、カントリー、フォークと幅広く活動したという。
彼は2018年5月に68歳で亡くなっている。
FANTASYというありがちな名前のバンドはマイアミで1967年に結成。
初代ヴォーカリストのビリー・ロビンスが若くして亡くなり、ここで歌っているのは2代目のリディア・ジェイネン・ミラー。
(ジェイネンじゃなくてジャニーンかも知れない)
70年の唯一のアルバム『FANTASY』より。
ジャニス・ジョプリンあたりの影響が強そうな、リディアのパワフルなヴォーカル(当時16歳!)が印象的。
彼女は2008年9月にアルコールが原因で亡くなったという。
MISTER BEELERはカナダのレーベルからリリースしていたが、ニューヨーク州ロチェスターのバンドだったらしい。
1970年の唯一のシングル曲。
この編集盤にはオルガンをフィーチュアしたバンドが多いが、この人たちもそういうタイプ。
PEACE & QUIETはマイアミのバンドで、VANILLA FUDGEの影響下にあったという。
71年の唯一のアルバム『PEACE & QUIET』より。
アルバムにはその後THE MAHAVISHNU ORCHESTRAに加入するジェリー・グッドマン(ヴァイオリン)がゲスト参加していたとのこと。
SIX PACKはシングル2枚だけリリースしたらしい、イーストLAのラティーノたちによるバンド。
1969年の1stシングルより、CREEDENCE CLEARWATER REVIVALのカヴァー。
このバンドもオルガン入りだが、むしろ暑苦しいヴォーカルとファズ・ギターが前面に出ている。
選曲からも明らかな通りというか、ルーツ・ミュージック志向をサイケ/ブルーズ・ロックと融合しようとしていたらしい。
SALEM WITCHCRAFTはデトロイトで1969年に結成されたバンド。
ここに収録されたのは72年の(多分)2ndシングルのB面曲で、この編集盤に収録された中では一番時期が遅い楽曲。
そのせいか、DEEP PURPLEとTHE DOOBIE BROTHERSが合体したような(?)ノリの良いハード・ロックを聴かせる。
この編集盤の収録バンドには珍しく、80年までにアルバムを5枚も出した、らしい。
(しかしDiscogsとかにはアルバムは載ってないな…)
ヴォーカリスト、アーレン・ヴィーチェリはその後00年代にソロ・アルバムをリリースし、10年代にカブ・コーダ抜きで(!)再結成したBROWNSVILLE STATIONのアルバムにゲスト参加している。
THE VAGRANTSは説明不要だろう。
レスリー・ウエストがMOUNTAINの前にやっていたロングアイランドのバンド。
1967年のシングルB面曲を収録。
HAMMERはニューヨークで結成され、サンフランシスコで活動したバンド。
1970年の唯一のアルバム『HAMMER』より。
ヴォーカリストのサビのハイトーン…というか裏声が印象的。
間奏ではいきなりジャズっぽいビートになり、ギターがかなりの速弾きを聴かせる。
このバンドもオルガンがDEEP PURPLEっぽい。
影響はあったのでは。
当時正規のドラマーがいなかったらしく、アルバムで叩いているのはフランク・ザッパやジョニ・ミッチェルと活動したジョン・ゲリンで、その後のツアーにはアンディ・ニューマークが参加していたという。
ニュージャージーのBLOWTORCHは、1971年の唯一のシングルB面曲を収録。
このバンド、実は元THE ROYAL TONES~THE KNICKERBOCKERSのヴォーカル兼サックス奏者、バディ・ランデルことビル・グランドールのバンドなのだった。
ハード・ロック演ってたんか…。
LOCOMOTIVEというこれまたありがちな名前のバンドは、ワシントン州マーサー・アイランドで結成され、シアトルで活動していたのだという。
1969年の唯一のアルバム『LOCOMOTIVE』より。
コーラスとオルガンを前面に出したスタイルは、やはりVANILLA FUDGEの影響か。
ギタリストで全曲を書いていたジョン・アッセリーはテキサス出身で、その後ブルーズ系のセッションマンとして活躍し、テキサスで長く活動を続けたという。
ボストンのEAGLEは、ずっと以前にこのブログで紹介したTHE BEACON STREET UNION(https://lsdblog.seesaa.net/article/201607article_301.html)の後身バンドなのだという。
1970年の唯一のアルバム『COME UNDER THE NANCY'S TENT』より。
この編集盤の中でただ1曲、ボ・ディドリー・ビートの曲で、やはりというかBEACON STREET UNIONよりもずっとハード。
彼らのアルバムはアメリカだけでなくイギリスでもリリースされたが売れず、バンドは間もなく解散したとのこと。
THE MYSTIC NUMBER NATIONAL BANKはカンサス・シティのバンド。
1969年の唯一のアルバム『MYSTIC NUMBER NATIONAL BANK』より。
ソウルフルというよりかはかなり暑苦しいヴォーカルを前面に、ホーンズもフィーチュア。
ヘヴィ・サイケとかハード・ロックとかいうより、黒人音楽の影響を追及して行ったら自然にハードになったタイプではと。
ドラマー兼ヴォーカリストのグレン・ウォルターズとギタリストのデイヴ・ロレンツはその後THE HOODOO RHYTHM DEVILSで活動。
グレンはサンフランシスコに移り、TVCMやサントラなどで歌い続けたという。
そして最後に収録されたのはクリーヴランドのSILK。
1969年の唯一のアルバム『SMOOTH AS RAW SILK』より。
後にEAGLESのプロデューサーとして有名になるビル・シムジクがプロデュースしていて、ビルは作曲にも関わっている。
このバンドもオルガンをかなり前面に出しているが、VANILLA FUDGEあたりよりかはむしろTHE DOORSの影響かも知れない。
ツイン・ギター(あるいは多重録音)のギター・ソロがイイ味を出している。
マイケル・スタンリー・ジー(ギター)はその後MICHAEL STANLEY BANDで活躍し、81年の「He Can't Love You」は全米33位を記録した。
彼は2021年3月に72歳で亡くなっている。
1枚だけでもアルバムを出しているようなバンドが多いし、それなりに知られたバンドもある一方で、この手の編集盤によくあるアセテート盤しか存在しない謎のバンドみたいなのはないんだけど。
それにしてもよくまあこれだけ集めたもんだと思わずにいられない。
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