BLIND FAITH/LIVE IN LOS ANGELES 1969(2020)

BLIND FAITH.jpg俺がスティーヴ・ウィンウッドの名前を知ったのは、以前にも話題に出したことのある書籍『スーパーロック マルチ・キーボードの全貌』(シンコーミュージック:1976年刊)でだった。
洋楽初心者だった84年頃に、札幌市白石区の菊水図書館で借りて読んだやつ。
その後85年だったか、ラジオでTRAFFICの「Empty Pages」を聴いて、「おお、こりゃカッコいい」となった。
86年6月にスティーヴのソロ・アルバム『BACK IN THE HIGH LIFE』が出て、「Higher Love」がヒット。
同じ頃にラジオでBLIND FAITHの「Well All Right」を聴いて、「おお、こりゃまたカッコいい」となった。

当時エアチェック(死語)したカセットテープは、今も手元にある。
レーベルを見ると、”BLIND FACE”と書いてある(笑)。
BLIND FAITHもけっこう意味不明だけど、BLIND FACEは更に意味不明…。

同じ頃にNHK-FMのピーター・バラカンの番組でスティーヴ・ウィンウッドの特集があり。
「おお、やっぱりTRAFFICはカッコええんじゃのう」となった。
ホント、ピーターさんには足を向けて寝られません。
で、その時にエアチェックしたテープを見ても、やっぱりBLIND FACEと書いてあり(苦笑)。

ともあれBLIND FAITH。
元CREAMのエリック・クラプトン(ギター、ヴォーカル)とジンジャー・ベイカー(ドラム)、元TRAFFICのスティーヴ・ウィンウッド(キーボード、ヴォーカル)、元FAMILYのリック・グレッチ(ベース)というメンバーによる、スーパー・グループ。
(うーん、ぶっちゃけリックだけ1枚落ちるが…)

POWER HOUSEとしてのセッションで旧知だったエリック・クラプトンとスティーヴ・ウィンウッドに、ジンジャー・ベイカーが加わる形で結成。
アルバムのレコーディング中だった1969年6月にリック・グレッチが迎えられ、直後の69年6月7日に初ライヴを行なった後、7月にリリースされたアルバム『BLIND FAITH』は全米・全英共に1位を記録。
リスナーの期待はそれだけ大きかった。
そしてバンドはアルバム完成前からツアーに出ていた。


…前置きが長くなったが、コレはBLIND FAITHのライヴ。
7週間に及んだというツアーの最終日、1969年8月26日、UCLAのPAULEY PAVILIONでの演奏が収録されている。
LAのKSCR-FMの放送用音源をリマスターしたとのこと。
おお、正規盤みたいな(?)カッコいいジャケット。

件の「Well All Right」に始まり、8曲で62分。
ライヴ全編が収録されている。
『BLIND FAITH』から「Sea Of Love」を除く全曲、そして当時アルバムに収録されなかったサム・マイヤーズのブルーズのカヴァー「Sleeping In The Ground」、CREAMのレパートリーだったロバート・ジョンソンの「Crossroads」、更にTRAFFICの「Means To An End」が演奏されている。
つまりバディ・ホリーの「Well All Right」をはじめとしてカヴァー3曲、TRAFFICの曲が1曲で、BLIND FAITHのメンバーによるオリジナル曲は半分しかないのだった。
アルバム1枚しか出てなかったんだから無理もない。
ヘッドライナーとして1時間のライヴをこなすのと、客のウケを取るためにも、CREAMのレパートリーを入れざるを得なかったようだが。
それはエリック・クラプトンの望むところではなかったという。

その「Crossroads」、ネットを見るとアレンジが絶賛されているのだが。
うーん、そんなにイイかなあ。
個人的には、なんか、いわゆるスーパー・グループの限界を露呈しているようにも聴こえる。
この曲に限らず、スティーヴ・ウィンウッドがキャリア中でも屈指のヘヴィな演奏を聴かせているのは興味深いけど。
(エリック・クラプトンとしては、フロントマンの座をスティーヴに譲って一息つきたかったのではと)

ともあれ、このバンドが生んだ「Can't Find My Way Home」と「Presence Of The Lord」が紛れもない名曲であることは異論の余地がないだろう。
その後長きにわたって、それぞれスティーヴ・ウィンウッドとエリック・クラプトンのレパートリーであり続けた。
あと、20分近い「Do What You Like」で延々とソロを取り続けるジンジャー・ベイカーは単純に楽しそう(笑)。
(FAMILYとは比較にならない大観衆の前でプレイする機会を得たリック・グレッチもハッピーだったのでは)


しかし、このライヴが結局BLIND FAITHにとって最後のライヴになってしまった。
ツアーの前座だったDELANEY & BONNIEの演奏に触れたエリック・クラプトンはよりダウン・トゥ・アースな方向性に惹かれ、BLIND FAITHの活動に対する興味を失い。
バンドはそのまま解散となってしまう。

スティーヴ・ウィンウッド、ジンジャー・ベイカー、リック・グレッチは「えー?」とか思ったのかも知れない。
3人はGINGER BAKER'S AIR FORCEとして活動を続ける。
(それも短い間だったが)
リックはアルコール依存による肝不全で、1990年3月に43歳の若さで死去。
そしてジンジャーも2019年10月に80歳で亡くなっている。


ともあれBLIND FAITHのラスト・ライヴ、こうやって音源残ってて良かったよ。

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