実はオリジナル・アルバムは1枚も取り上げていない。
(よくある)
で、コレ。
60年代半ばに結成された、サンフランシスコの高校生バンドが母体。
THE ROLLING STONESやTHEMのカヴァーを演っていたのだという。
『FLAMINGO』は、『SUPERSNAZZ』(1969年)に続く2ndアルバム。
FLAMIN' GROOVIESと言えば『TEENAGE HEAD』(71年)か『SHAKE SOME ACTION』(76年)が取り沙汰されることが多く、このアルバムが音楽雑誌やディスクガイドの類で紹介されているのを見たことがないのだが。
(まあ俺が見たことないだけかも知れないけどさ)
個人的にはFLAMIN' GROOVIESと言えばこのアルバムに尽きる。
お馴染みのバンド・ロゴが使われておらず、しかもこのバンドのリリースでは珍しい、定冠詞付きのTHE FLAMIN' GROOVIES名義。
メンバーはもちろん、ロイ・ロニー(ヴォーカル、ギター、パーカッション)、シリル・ジョーダン(ギター、ヴォーカル)、ティム・リンチ(ギター、ヴォーカル、チェロ、パーカッション)、ジョージ・アレキサンダー(ベース、パーカッション)、ダニー・ミーム(ドラム、パーカッション、ピアノ、オルガン)の5人。
コマンダー・コディ(ピアノ)が3曲でゲスト参加している。
プロデューサーはFLAMIN' GROOVIESを見出だした人物であり、次作『TEENAGE HEAD』以外にも、その後ルー・リード『LOU REED』やデイヴィッド・ジョハンセン『DAVID JOHANSEN』なんかを手掛けるリチャード・ロビンソン。
『SUPERSNAZZ』ではR&B、ブルーズ、それにジャグバンドやフォークなんかの影響を受けた、いなたくも軽妙なR&Rを演っていたバンドだったが。
MC5やTHE STOOGESと対バンしたことで、一気にハード&ヘヴィ化した1枚。
しかし根っこが根っこなので、MC5やSTOOGESと同じようになっているワケではない。
とはいえ、同じ1970年に出たMC5の『BACK IN THE USA』とはかなり共通するテイストを感じる。
1曲目「Gonna Rock Tonite」から、思いっきりチャック・ベリー・スタイルのR&R。
以下、50年代のR&Rのカヴァーじゃないのか…と思うような曲が続くのだが、実はリトル・リチャードの「Keep A Knockin'」(LED ZEPPELIN「Rock & Roll」の元ネタ)以外は全部ロイ・ロニー&シリル・ジョーダンによるオリジナルだという…。
当時のロイ&シリル、R&Rのソングライターとして神がかっていたのでは…。
同時代のCREEDENCE CLEARWATER REVIVAL同様、この頃の西海岸のバンドとは信じられないような剛直な演奏が続く。
1曲だけ…「She's Falling Apart」だけは、謎だ、というか迷いのようなモノを感じないでもない。
かなりサイケデリック。
ロイ・ロニー脱退後のFLAMIN' GROOVIESがTHE BEATLESをよくカヴァーしていたことからしても、その影響がこの頃から出ていたのだろうか、と思わなくもないが。
一方で、このアルバムの前年に出たTHE VELVET UNDERGROUND『THE VELVET UNDERGROUND』(https://lsdblog.seesaa.net/article/517466874.html)あたりの影響があったのでは?…という気も。
(ティム・リンチがチェロを弾いたりと元々の担当楽器以外を取り入れているのは、サイケ期のTHE ROLLING STONESの影響があったらしい。ほら、ブライアン・ジョーンズがいろいろ演ってたじゃん)
しかし、その次の「Road House」で全部ひっくり返る。
FLAMIN' GROOVIESの全レパートリー中でも多分最速ではと思われる極悪R&R。
俺はこの曲をライヴ盤『SLOW DEATH, LIVE!』(1983年:https://lsdblog.seesaa.net/article/201607article_2009.html)での11分に及ぶ爆裂ライヴ・ヴァージョン(音質劣悪)で初めて聴いたのだったが。
このアルバムでスタジオ録音を聴いて、改めてぶっ飛ばされた。
MC5やTHE STOOGESの影響をきっちりレコードに刻み込んだ彼らの姿が、そこにはあった。
『FLAMINGO』、今俺の手元にあるのは、1990年のビッグ・ビート盤CD。
ボーナス・トラック6曲は、76年の未発表音源集『STILL SHAKIN'』から。
(71年1月13日の録音)
その『STILL SHAKIN'』、このブログでいまだ紹介していなかったことに気が付いた。
いつか必ず取り上げます。
俺が生きているうちに。
(一応あと60年生きる予定)
そしてロイ・ロニーとダニー・ミームは既に亡い。
FLAMIN' GROOVIESの情報などまるでなく、このアルバムの英文ライナーノーツをわからないなりに必死に読んでいた三十数年前を思い出す。
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