このブログでもMOBY GRAPE『DARK MAGIC』(https://lsdblog.seesaa.net/article/201804article_14.html)とかGRATEFUL DEAD『RADIO CITY MUSIC HALL 1980』(https://lsdblog.seesaa.net/article/201607article_1102.html)とかを紹介した。
そんな中の1枚。
THE TROGGS『PREHISTORIC SOUNDS』(98年:https://lsdblog.seesaa.net/article/201804article_26.html)をはじめ、90年代末の2年ほどの間に150タイトル以上のブートCDをリリースして消えたテンダラー・レーベルより。
ただし…ジャケットなどではQUICKSILVER MESSENGERS SERVICEのブートということになっているものの、実際にはそうではない。
73分半、全14曲が収められているが、QUICKSILVER MESSENGER SERVICEの演奏は8曲のみ。
タイトル通りというか、ジョン・シポリナ関連の音源を集めた1枚。
(JCはジョン・シポリナだけど、チェスターって誰だろう)
ブートなので、クレジットはいろいろ怪しい。
「Fresh Air」「Subway」「Mojo」「Mona」の4曲はQUICKSILVER MESSENGER SERVICE、1968年6月、FILLMORE WESTでのライヴとのことだが、明らかに当時いなかったはずのディノ・ヴァレンティの声が聴こえるし、大体70年にリリースされた『JUST FOR LOVE』収録の「Fresh Air」や71年の『WHAT ABOUT ME』(https://lsdblog.seesaa.net/article/201607article_120.html)収録の「Subway」、更に72年の『COMIN' THRU』からの「Mojo」が68年にライヴで演奏されていたとは考えにくい。。
ともあれこの4曲は、収録曲中でもジョンの鋭いギターが最も冴えわたる音源。
特に「Fresh Air」とかでの金属的にわななく(ここでメタリックと書いてしまうとヘヴィ・メタルを連想してしまうからね)ギター・サウンドには、「いやあ、エレキギターの弦って金属で出来てるんだなあ」と改めて思わされる。
「Mojo」の途中でシンセサイザーみたいな発振音が入ってるのは何だろう。
(アナログ・ディレイのつまみをいじっているのかも知れない)
「Mona」は『HAPPY TRAILS』(69年:https://lsdblog.seesaa.net/article/504478977.html)のヴァージョン以上にラフ。
「Dino's Song」「Babe, I'm Gonna Leave You」はQUICKSILVER MESSENGER SERVICE、1967年9月のライヴという。
パーソネルは多分ゲイリー・ダンカン(ギター、ヴォーカル)、ジョン・シポリナ(ギター、ヴォーカル)、デイヴィッド・フライバーグ(ベース、ヴォーカル)、グレッグ・エルモア(ドラム)の4人編成だろう。
「Babe, I'm Gonna Leave You」はあのMANも『MAXIMUM DARKNESS』(75年:https://lsdblog.seesaa.net/article/201607article_1125.html)で当のジョン・シポリナ入りで演奏していたジョーン・バエズのカヴァー。
フランキー・ヴァリやTHE BEACH BOYSの影響を受けていたMANがコーラスばっちりだったのに較べると、QUICKSILVER MESSENGER SERVICEの方がむしろヨレッとしてるんだけど、QUICKSILVER MESSENGER SERVICEはこの侘しさが良いのだ(笑)。
「Putting It To You」「Drunken Irish Setter」「Bigalow 6-9000」「California Blues」「Chameleon」の5曲は、COPPERHEADのお蔵入りになった2ndアルバムの音源とクレジットされているが、本当かな。
これらの楽曲はCOPPERHEAD単独のブートにも収録されていて、そちらでは彼らの唯一作『COPPERHEAD』(1973年)のアウトテイクとなっている。
いずれにしてもメンバーはジョン・シポリナ(ギター、ヴォーカル)、ゲイリー・フィリペット(ギター、ヴォーカル)、ジム・マクファーソン(キーボード)、ハッチ・ハッチンソン(ベース)、デイヴィッド・ウェバー(ドラム)の5人だろう。
QUICKSILVER MESSENGER SERVICEよりもかなりレイドバックして、「California Blues」は曲名に反してカントリー。
「Angie」はTERRY & THE PIRATES、1972年のスタジオ録音とのこと。
えっ、TERRY & THE PIRATESってそんな時期にスタジオでレコーディングあったの?
(ちょっと怪しい)
ともあれパーソネルはレコード・デビュー以前の初期編成、テリー・ドーラン(ギター、ヴォーカル)、ジョン・シポリナ(ギター、ヴォーカル)、グレッグ・ダグラス(ギター、ヴォーカル)、ハッチ・ハッチンソン(ベース)、デイヴィッド・ウェバー(ドラム)の5人ではないかと思われる…のだが、ピアノがけっこうフィーチュアされているので、ひょっとしたらニッキー・ホプキンスがいた75~76年ぐらいの音源では、という気も。
最後に収録されている「The Letter」「Heebie Jeebies」の2曲はQUICKSILVER MESSENGER SERVICE、1975年の再結成アルバム『SOLID SILVER』(https://lsdblog.seesaa.net/article/201612article_12.html)からで、レアでもなんでもない。
『SOLID SILVER』は93年にはCD化されていたので、なんでわざわざこの2曲を入れたのだろうと思う。
単に数合わせだったのかも知れない。
COPPERHEADやTERRY & THE PIRATESもイイけど、やっぱり初期のQUICKSILVER MESSENGER SERVICEは格別、と改めて痛感する1枚。
そしてジョン・シポリナもそのことを強く自覚していたのではと。
30代末の若さで新たに結成したバンドにDINOSAURSなんて自虐的な名前を付けたジョンは、45歳で亡くなってしまった。
この記事へのコメント