BLACKWATER PARK/DIRT BOX(1972)

BLACKWATER PARK.jpg70年代西ドイツのハード・ロック・バンド、唯一のアルバム。

1971年初頭、ベルリンで結成。
当時のメンバーはミヒャエル・フェヒナー(ギター)、アンドレアス・ショルツ(ベース:元MURPHY BLEND)、ノルベルト・カゲルマン(ドラム)の3人。
トリオで活動した後、71年8月にリチャード”リッチー”ルートレッジ(ヴォーカル、ギター)が加入して4人編成に。
リッチー・ルートレッジはリヴァプール生まれのイギリス人で、60年代からのキャリアがあった。
ドイツに渡ったのは、同郷の先輩THE BEATLESのセンを狙ったか。

このアルバムはハンブルクのスタジオで、1971年12月17~20日のたった4日間で録音されたとのこと。
(予算がなかったらしい)
ジャケットはいわゆるドールハウスだが、家族らしき5人が何故かトイレで巨大な目玉焼きを囲んでいるという…。
(薄汚れた便器がリアル…っていうかそんなリアルは要らない、と思ったり)

ともあれソングライティングのメインはリッチー・ルートレッジで、そのせいか一聴して英国産に聴こえる、王道のハード・ロック。
一部ジミ・ヘンドリックスをはじめとするサイケデリックな感覚もある一方で(コレは多分ミヒャエル・フェヒナーの指向だろう)、ダイナミックな曲構成と演奏からして、LED ZEPPELINあたりに影響されたのかも知れない。
同年にデビューしたSCORPIONSがまだサイケを引きずりまくっていたことを思うと、洗練ぶりが際立つ。
ゲスト参加のオルガンも効果を上げている。
THE BEATLESの「For No One」の原形をとどめないカヴァーにも、アレンジのセンスを感じたり。
低予算を感じさせない、充実したアルバムだ。

しかしこのアルバムがリリースされた後、リッチー・ルートレッジはバンドを脱退。
彼はイギリスに戻り、ニール・イネスらのGRIMMSに参加している。
そしてリッチーに続いてノルベルト・カゲルマンも脱退。
ミヒャエル・フェヒナーとアンドレアス・ショルツはメンバーを補充して活動を続けたものの、BLACKWATER PARKは結局1973年に解散する。

ミヒャエル・フェヒナーは80年代にAN BROというバンドで、ノルベルト・カゲルマンは90年代にLIPSTICKというバンドで、それぞれアルバムを出している。
(BLACKWATER PARK解散後も地道に活動を続けていたのだろう)
その後ミヒャエルが2001年に、リッチー・ルートレッジは23年に亡くなったという。

かつては知る人ぞ知るバンドだったが(でも70年代当時に国内盤出てたんだってね)、内容はかなり強力。
今ではバンド名がOPETHのアルバム・タイトルになったことを知る人も多いだろう。

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