2009年に国内配給された時は俺がライナーノーツを書いていたのだが、半分忘れてた(苦笑)。
(そして今読み返すとあちこち間違いがある…)
一応の母体となったのは、1965年にハンブルクで結成されたフォーク/フォーク・ロック・バンドCITY PREACHERS。
バンドは3枚のアルバムをリリースして68年に解散していたが、インガ・ランフ(ヴォーカル)はダグマー・クラウゼ(ヴォーカル)、フランス人のジャン=ジャック・クラヴェッツ(キーボード、サックス)、カール=ハインツ・シュロット(ベース)らとCITY PREACHERS名義で活動していたという。
ってかインガとダグマーって同じバンドにいたんですか…。
1969年春、CITY PREACHERSにカーステン・ボーン(ドラム)が加入する。
しかしダグマー・クラウゼはカーステンと上手く行かず、結局ダグマーが脱退。
その後バンドは70年1月(3月とも)にFRUMPYとして再スタートする。
”Frumpy”というのは”薄汚い”とかそういう意味だが、実は”Rumpf”にひっかけているのだという。
で、1970年にリリースされたのが『ALL WILL BE CHANGED』。
ジャケットにカメレオンが描かれているのは、アルバムのタイトルに込められたメッセージを、体色を変えるカメレオンに託したのかも知れない。
メンバーはインガ・ランフ(ヴォーカル、パーカッション)、ジャン=ジャック・クラヴェッツ(オルガン、ピアノ、メロトロン、パーカッション、サックス、スピネット)、カール=ハインツ・シュロット(ベース、パーカッション)、カーステン・ボーン(ドラム)の4人。
インガ・ランフのソウルフルでゴスペル・フィーリングまで漂わせるヴォーカルが看板。
マヘリア・ジャクソンやニーナ・シモンあたりに影響を受けたというインガ、声質自体は時々カルメン・マキとかを思い出したり。
そしてインガの歌唱を自在に盛り立てるジャン=ジャック・クラヴェッツの鍵盤類とサックス。
ブンブン突っ走るカール=ハインツ・シュロットのベース。
ドタバタ(?)叩きまくるカーステン・ボーンのドラム。
(「Floating Part Ⅰ」ではドラム・ソロを聴かせる)
そしてA面にもB面にも組曲形式の連作。
それにしても、1970年のドイツでコレですか。
ギターレスのオルガン・ハードというと、ATOMIC ROOSTERとQUATERMASSの1stアルバムが同じ70年。
(オルガン・ハードではないが、EMERSON, LAKE & PALMERも70年デビューだ)
同時期に英国ロックとはまったくテイストの違う、いわゆるクラウト・ロック勢が出てきていたとはいえ。
この手のストレートなブルーズ・ベースのハード・ロックというと、ドイツのバンドは英国勢の後塵を拝し続け、大半がまだ後追いや物真似だった頃だ。
(もちろん同じ70年デビューのLUCIFER'S FRIENDSをはじめ、例外は幾つもあるものの)
そんな時期にこんなオリジナリティのある、エネルギッシュでカッコいいバンドがいたというんだから。
もちろんFRUMPYは歌をより前面に出したバンドだし、ジャン=ジャック・クラヴェッツの鍵盤もオルガン・ハードというとちょっと違うんだけど。
このアルバムにはリッチー・ヘヴンスのカヴァー「Indian Rope Man」が収録されている。
「Indian Rope Man」というと、60年代にBRIAN AUGER & THE TRINITYもカヴァーしていた。
女性ヴォーカルとキーボードを前面に出した編成…なるほど、FRUMPYのロックはただATOMIC ROOSTERやQUATERMASSなんかと同時多発的に出てきたのではなく、THE TRINITYあたりの影響をドイツで独自に醸していたのかも知れない。
ブライアン・オーガーの影響があったとすれば、一部に聴かれるジャジーなテイストも納得。
ともあれFRUMPYはこのアルバムのリリース後、SPOOKY TOOTHとドイツ国内をツアーして好評を博す。
しかしFRUMPYがギターレスだった時期は短く。
(このへんもATOMIC ROOSTERあたりに共通するか)
1971年にはライナー・バウマン(ギター)を迎えて5人編成となり、『FRUMPY 2』をリリースする。
1972年初頭にはジャン=ジャック・クラヴェッツが脱退するも、72年3月には復帰し、同年『BY THE WAY』をリリース。
しかしバンドは7月に解散してしまう。
ギターレスだった時期が短い…というか、バンド自体約2年半という短命だった。
解散翌年の73年には『LIVE』がリリースされている。
インガ・ランフとジャン=ジャック・クラヴェッツとカール=ハインツ・シュロットはATLANTISを結成し、1976年1月まで活動。
(結局この3人はCITY PREACHERSからここまでほぼずっと一緒)
ソロに転じたインガは80年代にはブルーズ/ソウルを歌っていたという。
(納得)
カーステン・ボーンはウリ・トレプテ(元GURU GURU)とのKICKBIT INFORMATION(https://lsdblog.seesaa.net/article/505612571.html)をはじめ、その剛腕であちこちで大活躍。
ところが1989年、インガ・ランフ、ジャン=ジャック・クラヴェッツ、カーステン・ボーンによってFRUMPY再結成。
90年に『NOW』、91年に『NEWS』をリリースする。
ただ、92年頃には再度解散状態だったようで、95年のライヴ盤『LIVE NINETYFIVE』が最後の作品となった。
『LIVE NINETYFIVE』には、83年のATLANTIS再結成ライヴ以降は音楽活動から離れていたカール=ハインツ・シュロットも参加している。
FRUMPYが再度解散して以降、インガ・ランフはゴスペルを歌っているという。
(納得)
そしてジャン=ジャック・クラヴェッツとカーステン・ボーンも現役で活動しているはず。
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