GROBSCHNITT/SOLAR MUSIC-LIVE(1978)

GROBSCHNITT.jpgGROBSCHNITTは1966年にドイツのハーゲンで結成された学生バンド・THE CREWを直接の母体とし、そこに幾つかのバンドのメンバーが合流する形で70年に結成されたという。
72年にアルバム『GROBSCHNITT』でデビュー。
74年の2ndアルバム『BALLERMANN』はいきなりLP2枚組の意欲作。
75年に『JUMBO』を、そして77年にはあのコニー・プランクのプロデュースで、一般に代表作とされることの多い『ROCKPOMMEL'S LAND』をリリース。
サイケデリック、プログレ、ハード・ロックからの影響を独自に混ぜ合わせたサウンドと、平和や反原発を訴えるメッセージ性、その一方にあるファンタジックさ、そして寸劇や花火をフィーチュアした秘教的かつシアトリカルで楽しいライヴで、バンドは人気を高めて行った。

『BALLERMANN』のC・D面を占めていた大曲「Solar Music」はTHE CREW時代の1968年から演奏されていた「Sun Trip」(『GROBSCHNITT』に収録されている)の拡張ヴァージョンで、「Sun Trip」あるいは「Solar Music」は、GROBSCHNITTとしての初ライヴから89年の解散まで、すべてのライヴで必ず演奏されてきた曲なのだという。
(時期によって30分だったり1時間だったり)
で、『ROCKPOMMEL'S LAND』に伴うツアーから、78年4月17日ルール地方のミュルハイムでのライヴの後半に演奏された「Solar Music」の更なる拡張ヴァージョンをアルバム1枚に収録したライヴ盤が『SOLAR MUSIC-LIVE』。
CDでは続くアンコールもボーナス・トラックとして収録され、約66分となっている。
当時のメンバーはヴィルトシュヴァインことステファン・ダニエラク(ギター、ヴォーカル)、ルポことゲルト=オットー・キューン(リード・ギター)、ミストことヴォルカー・カーズ(キーボード)、ポポことヴォルフガング・イェガー(ベース)、エロックことヨアヒム・ハインツ・エーリッヒ(ドラム、エレクトロニクス、プロデュース、エンジニアリング)の5人。

『BALLERMANN』では2部構成だった「Solar Music」に第3部を付け加え、三つの「Solar Music」の間を即興主体と思われる楽曲/演奏でつないだ、アルバム1枚を丸ごと費やす組曲。
ライヴで演奏されたままではなく、エロックが電子音などをオーヴァーダビングしているという。
(そしてインプロヴィゼーションが肝であり、この曲が同じアレンジで演奏されたことはないとのこと)
ユーモラスで牧歌的な感のあるリフとメロディ、馬鹿テクとは言えないまでも確かな演奏力、シアトリカルにして猥雑な雰囲気。
シンセサイザー、オルガン、メロトロン、ピアノも存分にもフィーチュアされ、シンフォニックでもあり、スペース・ロック的でもあり。
1時間以上をあっという間に聴き通させる。
ステージ上で派手に火を使っていたことは、ジャケットからも明らか。

それにしても、アルバム1枚通した組曲…既にプログレが冬の時代に入っていた1978年にコレか、という気もするのだが。
78年のドイツの音楽雑誌の読者投票では、ニナ・ハーゲンやSCORPIONSを向こうに回してGROBSCHNITTが1位を獲得したのだという。
続く79年のアルバム『MERRY-GO-ROUND』に伴うツアーでは、10万人以上の観客を集めることもあったのだそうで。

バンドは80年代も活動を続ける。
70年代に較べるとポップにはなったものの、1980年から87年までに6枚のアルバムをリリース。
エロックは83年に脱退し、ソロ活動以上にプロデューサーとして有名になる。
そしてGROBSCHNITTは89年12月6日のライヴを最後に解散。
90年にはライヴ盤『LAST PARTY LIVE』がリリースされている。
(アルバム以上にライヴこそが彼らの売りであり、解散までに1356回のライヴが行なわれたという)
更に90年代以降も、ライヴや未発表曲の編集盤が多数リリースされた。

その後2006年から12年にかけて単発の再結成が繰り返され。
その間、06年7月にミストが55歳で、07年5月にポポが54歳で亡くなっているが。
11年にはドイツの音楽雑誌の読者投票で10年のベスト・バンドとベスト・ライヴに選出されたというから、根強い人気ぶりであった。

そして2019年、GROBSCHNITTはヴィルトシュヴァイン、ルポ、ヌキ(ヴィルトシュヴァインの息子)のアコースティック・トリオとして活動再開。
現在も活動中らしい。

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