「チャンスタイムやってきた -Gig, Party & Exhibition- Vol.3 ユニバーサルロックンロール」@新代田FEVER

20221109.jpg9日。
腐りかけの気分で数日過ごしていたが、見かねた知人のお誘いを受け、出かけました。

夕食は新代田駅近くの中華料理店「吉田屋」でチャーシュー麺。
カツ丼もあればカレーもある、昔ながらの街中華。
美味しゅうございました。

3年ぶりのFEVER。
(店の前はしょっちゅう通っているのだが)
シリーズギグ「チャンスタイムやってきた -Gig, Party & Exhibition-」の第3回。
「チャンスタイム」は、「利用者」平野光宏と「介護者」伊藤昌彦が、障害者の自立生活支援を通じて出会い、共に絵を描くことから始まったという、福祉の枠組みを超えた「社会的包摂」を目指す試み、ということらしい。
出演者も観客も、障害の有無を超えて多彩な人が集まっていた。

一番手、タントーク。
FUCKERこと谷ぐち順(LESS THAN TV)がベースを弾く4人組。
ヴォーカルの実方裕二(白髪のモヒカン)は電動車椅子に乗ってインカムマイクを装着し、フロアで歌う。
実方の威勢のいい(?)MCは聴き取りが極めて困難ながら、谷ぐちは聞き取れた人はその内容を復唱してくれと、コール&レスポンスならぬコール&リピートを要求。
それに応じて、フロアからは実方のMCを聴き取って大きな声で復唱する人が続出。
そして始まった1曲目、発話すら困難なはずの実方が、「What A Wonderful World」のメロディをきちんと追えているのに驚く。
もの凄くソウルフル。
コレはカッコいいぞ…!
以降実方は電動車椅子の上で身をよじって歌い、ギター・ソロでは車椅子でぐるぐる回転してみせたり。
「替え歌をやります」と言って始まった「Hey Jude」日本語カヴァー「ヘイ重度」には大笑いしてしまった。

二番手のはたらきバンドも障害の当事者と介護者によるバンドだが、こちらは1曲毎にヴォーカルが交代。
演奏陣もリード・ギターとキーボード以外は適宜入れ替わる。
びっくりするぐらい達者なパフォーマンスで盛り上げる人、「てってってってって」とか”ザ・自閉”(?)な感じの歌唱を聴かせる人。
シンガーによって曲調も様々ながら、タントーク同様にフロアは大いに盛り上がる。

そしてトリはGUITAR WOLF。
4年ぶりに観た。
トオルが脱退してからだと初めて。
(現在のドラムはサポート)
しかしセイジ全然変わってない…。
(おかしいな、来年還暦のはずだが…)
ビリー存命時のレパートリーを中心に、名曲のオンパレード。
「オールナイトでぶっとばせ!!」から、はたらきバンドのギタリストにギターを任せての「Kick Out The Jams」が延々と続く。
その間に、フロアから次々とステージに上がってくる知的障害や自閉症の観客/出演者全員に、ガッツリ絡んでいくセイジさん。
そして、障害で足元不如意な人や車椅子の人が多いフロアに、容赦なくダイヴしていく。
逆バリアフリー(!)とでも言うべきなのか。
障害の有無なんぞを軽々と越えていくユニヴァーサルなR&Rが、確かにあった。
アンコールの最後は、環七沿いのFEVERで聴く「環七フィーバー」。
格別なモノがありましたよ。

フロアでライター界の大先輩・遠藤妙子姐さんと一緒になり、二人して楽屋でセイジさんに挨拶してから退出。
(5年ぶりにセイジさんと話した。常識を超える汗をかいていた…)
帰ってすぐ寝ました。
ああ楽しかった。
生きよう。

無題

20150506.jpgセキヤマサミチ(ドラム)の急逝により、ゲルチュチュが活動停止とのこと。


マサやんが死んだ?


詳細いまだわからず(先月下旬のことだったらしいが)。
事実を受け止められないまま3日間経った。


ゲルチュチュのボトムを支えたパワー・ヒッター(もっともここ3年ほどはあちこち痛いと言いながら叩いていたが)だっただけじゃない。
いい奴だったんだ。
あの時、俺に一番同情してくれたのがマサやんだった。


今年まだゲルチュチュを観ていなかった。
12月までにライヴ行かなきゃなと思っていたのだが。


マサやんがいないという事実をいまだ受け止められない。
ゲルチュチュのメンバーはなおさらだろう。


画像は2015年5月6日、下北沢THREEでのゲルチュチュ。

山下ユタカ『Metal Machine Marmot』#7

MMM7.jpg仕事忙しくて2日休みました。
…で、先月26日に発表されていた(←気付かず…)noteの連載、約2ヵ月ぶりの第7話。

https://note.com/yutaka_yamashita/n/n0966dd3a4722?fbclid=IwAR1YpIhxOl0N5-ktHTSVw7TJD3k0DLnYz2PXof80JDwf1FNw3XbQiOJA1wY

扉絵、”最近の漫画っぽい絵柄”で描いてみたという主人公二人の絵に驚く。
特になお(画像)。
かねて”絵が古い”漫画家にわりと容赦なかった山下ユタカ…自分の絵が「古い」と言われたら、そりゃ黙ってはいられまい、と思う。
で、本編の絵柄も気持ち変わっていたりして。

あいが髪型を変え(ストレートパーマ?)、なおの母親が登場。
そして遂に、”JK”が何の略称なのかが明かになった。
女子高生ではなく、”JAPAN KNOCKERS”。
それぞれが特殊な力を持つ(と思われる)”KNOCKERS”は世界で同時期に現れ、日本のそれ(JK)は10代の少女ばかりなのだという。
そもそもKNOCKERSが何なのかも、遠からず明らかにされる予感。

で、無生物を動かししゃべらせる能力を持つJK・タカコ…がいない場所で、何故工事現場の人形が動き、しゃべり出したのか。
人間の言葉を話すモルモット(の姿をした何か)はいったい何者なのか。
…も、近々明かされるのかも知れない。

それにしても、『ラチェット・シティ』以降、山下ユタカが色気のあるきれいなおばさんを描けるのも明らかになったなあ、とか思ったりして。
アウトローも暴力描写も(今のところ)出てこない山下の新境地(SF=少し不思議)、いよいよ楽しみになってきた。
しかし『Metal Machine Marmot』は無料+投げ銭制、全然儲からない。
お金になる仕事も(”も”じゃなくて”が”か)必要ですね…。

11月は大森で

CLUB-D.jpgはい、11月のDJ(そして多分今年最後のDJ)は、御馴染み「CLUB-D」@大森AIN'T NO#です。
高円寺PIG'S TAILの店主にして、CREAM PANDA他のバンドで活躍するHORI-CHOの誕生会です。



SOUTH TOKYO ROCK&DJ EVENT 「CLUB-D」 Vol.75 HORI-CHO生誕祭2022
11.24(Thu)
大森AIN'T NO#

Open 19:00
Start 20:00
Close 23:00
Charge \1,000(1Drink込み)

大森AIN'T NO#
大田区大森北1-34-14 ツインビル1F(JR京浜東北線大森駅東口徒歩5分)
Tel:09041340191
アクセスマップ
http://never13never.at.webry.info/201107/article_7.html

DJ
Die-suke
HORI-CHO(Pig's Tail)
Z
KIMI
大越よしはる
キザなイカ
モンリー

タイムテーブル
20:00〜20:25 大越
20:25〜20:50 KIMI
20:50〜21:15 Z
21:15〜21:40 モンリー
21:40〜22:10 DJバトル
22:10〜22:35 キザなイカ
22:35〜23:00 HORI-CHO
23:00〜 クローズ(Die-suke)


ホリくん知らない人でも全然参加OKなのです。
ヨロシクです。

GURU GURU/GURU GURU '88(1988)

GURU GURU 88.jpg初めてリアルタイムで新譜として買ったGURU GURUのアルバム。
ミュージック・マガジン社から短期間刊行されていた雑誌「ノイズ」で紹介されていて、「GURU GURUの新作?」となったのだった。
タイトル通り、1988年のリリース。

メンバーはマニ・ノイマイアー(ドラム、パーカッション)、リサ・クラウス(ヴォーカル)、ハンス”ルシファー”レファート(ギター)、ヴィートゥン・ヴィト(ベース)の4人。
リサとハンスの二人は70年代後半から80年代初頭にかけて活動していたZAUBERFINGERというバンドの出身で、ハンスはEMBRYOのジークフリート・シュワブにギターを学んだという。
ヴィートゥンはアタ・タック・レコーズからアルバムを出していたJA JA JAというバンドのメンバーで、ピロレーターのアルバムに参加していたこともある。

GURU GURU SUN BAND名義のアルバム『HEY DU』(1979年)を最後にブレイン・レコーズとの契約を失ったマニ・ノイマイアーは、81年にGURU GURU名義で『MANI IN GERMANI』をリリースした後は名前が聞かれることもなくなっていたが。
リサ・クラウスとハンス・レファートを含む編成で87年にアルバム『JUNGLE』をリリースし、GURU GURUとしての活動を再開していたのだった。
…といったあれこれはずっと後になって知った。
ともあれGURU GURUが専任ヴォーカル、しかも女性ヴォーカルを擁していたのはこの時期だけのこと。

で、『GURU GURU '88』を聴いて「なんじゃこりゃ」となった。
作曲は演奏陣で、歌詞は全てリサ・クラウスが書いている。
(曲名も歌詞も英語)

1曲目「Work」は、性急なビートに、ニナ・ハーゲンあたりの影響がありそうな、時にヒステリック、時にオペラティックなリサ・クラウスのヴォーカルが乗り、ハンス・レファートのノイジーなギター・ソロが鳴り響く。
完全にポスト・パンク/ノイエ・ドイッチェ・ヴィレな音。
それでいてドラムは手数多くビートを刻み、一方ベースは往年のホルガー・シューカイのように(?)上下動を繰り返す。
この曲が一番出来が良い。
しかし往年のGURU GURUのサウンドとはかけ離れていた。

2曲目「Take It All」は、レゲエっぽいベースにハンス・レファートのチキン・ピッキングとリサ・クラウスの切れ切れなヴォーカルとシャウトが乗る。
3曲目「Long Ago」はジャジーな(?)演奏にリサのヴォイスが浮遊する、アトモスフェリックな1曲。
(なんか、JACULAあたりが演りそうな)
どちらも、マニ・ノイマイアーに実直にリズムを刻んでいる。

4曲目「Dig That Fun」はファンク。
5曲目「Bat Man」もファンキーだが、途中でストレートに疾走する。
6曲目「His Time」はアルバム中最長の1曲で(5分半)、何故かエドガー・アラン・ポーに捧げられている。
これまたアトモスフェリックに流れていく、(アルバムの中で一番長いにも関わらず)曲とも言えないような1曲。

7曲目「Jim Jim Jimmy」は、リサ・クラウスの語り風のヴォーカルとタイトルを連呼するサビが印象的なポップ・ナンバー。
8曲目「Guru Guru Shake」は、90年代以降のGURU GURUを思わせなくもない、エスニックな1曲。
(ほぼインストゥルメンタル)
この曲のみ、ゲストとしてEMBRYOとも共演していたタヴィル(南インドの打楽器)奏者、マスター・パラマ・シヴァム・ピライが参加している。
そしてアルバムは31分で終わる。

時代が悪過ぎたか。
流石のマニ・ノイマイアーと言えども、ポスト・パンクにも、流行し始めていたワールド・ミュージックにも乗り切れないままになってしまった中途半端な1枚、というか。
しかし、個人的には嫌いじゃない。
ともあれ結局リサ・クラウスとハンス・レファートをフィーチュアしたGURU GURUはこのアルバムで終わり、マニさんは5年後の『SHAKE WELL』(1993年)以降、新たな編成での新たなGURU GURUサウンドを世に問い、続く『WAH WAH』(95年)以降は再び傑作を連発することになる。
ちなみにハンスは2016年2月に69歳で亡くなっている。

読めない雑誌

JUKEBOX MAGAZINE.jpg先日のMETALLIONに続いて、本棚をゴソゴソやっていたら(仕事しろ)、JUKEBOX MAGAZINEという海外の音楽誌が出てきた。
2001年の167号。
表紙はイギー・ポップで、もちろん特集記事が載っている。
だから買ったんだね。
全然覚えてないんだけど。

ところが。
全然覚えてないそのJUKEBOX MAGAZINEを「どれ…」と開いてみたら(仕事しろ)。
フランスの雑誌だ!
もちろん中身は全部フランス語。
全く読めない!
よくこんなの買ったな俺…。
2001年に買ったのは間違いないとして、何処で買ったかもおよそ記憶にないんだけど。

いわゆるロック総合誌ということになると思う。
表紙には、イギー・ポップ以外にディック・リヴァーズ、RADIO BIRDMAN、ジョン・メイオール、ジョー・コッカー、リッキー・ノートンの名前があり。
それぞれに4~5ページずつ特集が組まれている。
ディックとリッキーは60年代フランスのロックンローラー。
納得というか。

グラビアみたいなページもアリ。
それが、センターフォールドのTHE BEACH BOYSはともかくとして、ペトゥラ・クラークとか、ディオンとか、ミシェル・ベルジェ(フランス・ギャルの元旦那)とか…し、渋い。
後ろの方にはニュー・リリースのレヴューもアリ。
それが、クリフ・リチャードの編集盤とか、THE SEEDSの再発とか、ルー・リードの『AMERICAN POET』とか、リチャード・トンプソンとかKILLING JOKEとかSAXON(!)とかBARCLAY JAMES HARVESTのベスト盤とかIAN GILLAN BAND(!)の『LIVE IN HIROSHIMA』とかJETHRO TULLのベスト盤とか…。
総合誌とは言ったものの、この雑誌、一体どんな読者層を想定して出ていたのだろうか…。


ネットで検索してみると、1984年に創刊されて、その後88年に月刊化、レトロなロックを中心にしたレコード・コレクター向けの音楽誌だったそうだが、2020年4月の400号で廃刊になったらしい。
何処の国も紙媒体は大変ねえ。
とりあえずTHE STOOGESを聴いています。
(仕事しろ)

「RETURN OF THE LIVING DOLLS VOL.3」@武蔵境STATTO

20221029.jpgはい、29日(土)「RETURN OF THE LIVING DOLLS VOL.3」@武蔵境STATTO、多数御来場いただきありがとうございました。
いやあ、楽しかったなあ。

書籍『ジョニー・サンダース コンプリート・ワークス』、Lily & Gen with Friends『An Imperfect Life…Tribute to Johnny Thunders』、the GOLDEN RAT『we got a right』の、(the GOLDEN RAT以外は)2年遅れの発売記念パーティーにして、ジョニー・サンダースのファンのジョニー・サンダースのファンによるジョニー・サンダースのファンのためのイヴェント、4年ぶりの3回目。
イヴェントの開始予定は17時半だったが、DJの入り時刻は15時。
随分早い時間に家を出て、電車の中で昼食。
ともあれいろいろな人たちと実に4年ぶりの再会を果たす。

リハーサルが押して、定刻の15分後にスタート。
4人のDJの中で唯一アナログ7inchオンリーだったKADOI THE HEARTBREAKに続いて、俺の1回目の出番。


1st SET
Pipeline/JOHNNY THUNDERS
Black Sand Beach/THE GOLDEN ARMS
The Godfether/SURFIN' LUNGS
Rock 'n' Roll/PAPPYS
Pipeline/DICK DALE with STEVIE RAY VAUGHAN
Rumble/BROWNSVILLE STATION
Sabre Dance/LOVE SCULPTURE

カヴァーのインストゥルメンタルで。

一番手、ジョニーダンサーズ。
相変わらず、ユルめで楽しいジョニー・サンダース(ウォルター・ルアーも)のカヴァー祭り。
「Chinese Rocks」ではTHE FOURTH DOWN GAMBLESのMASATO EVIL-EYEがゲスト参加し、激しいアクションで盛り上げた。
ラストは「Pipeline」で締め。

KADOI THE HEARTBREAKの2回目の出番に続いて、二番手はRIOT MISSILE。
名前は聞いていたが、初めて観た。
赤い髪の女性ベーシストを含むトリオ。
こちらは1曲目が「Pipeline」でラストが「Chinese Rocks」。
ギターは完全にジョニー・サンダース直系ながら、オリジナル曲は突進力のあるパンク/R&R。
勢いがあってよろしい。
「Chinese Rocks」ではthe GODのKAZUHIDEが飛び入りしてギターを弾く。

続くDJは音楽ライター/編集者の白谷潔弘。
(この人がいなければ多分『ジョニー・サンダース コンプリート・ワークス』の出版はなかったのだ)
そうこうする間に、酒が飛ぶように売れていく。
STATTOはビールだけでもかなりの種類が置いてあるのだが(全部小瓶)、エビスがなくなり、サッポロがなくなり…。

そして三番手、Naruzy Suicide。
今回はソロでの出演。
エレアコ弾き語り。
妖しいルックスとピーター・ペレット直系のヌルッとした歌唱は健在。
LIPSTICK KILLERS解散後は日本語で歌っているのだが、押韻にこだわり抜いた歌詞の連なりは、時々何語で歌ってるのかわからなくなる。

物販も担当していたDJ AKIRA 13th Avenueがひねりのある選曲で回した後、トリ前のLily & Gen and Friendsが登場。
Lily(ヴォーカル)とGen(アコースティック・ギター)に加え、Dannie B.GoodのDannieがエレキ・ギターを弾き。
アルバム同様、ジョニー・サンダースのカヴァーを基本アコースティックに聴かせる。
「Ask Me No Questions」ではLittle Johnnie(元THE HONG KONG KNIFE)とNaruzy Suicideが加わり。
更にラストの「Let Go」ではMr.RATBOYとHIROSHI THE GOLDEN ARM、それにジョニーダンサーズも加わり、STATTOの狭いステージをいっぱいにして大盛り上がり。


で、俺の出番2回目。

2nd SET
Aloha Steve & Danno/RADIO BIRDMAN
Vicious/LOU REED
Rock 'N Roll/DETROIT
Frederick/PATTI SMITH GROUP
Walk On By/THE STRANGLERS
Method To My Madness/THE LORDS OF THE NEW CHURCH

アルバム『we got a light』でカヴァーされているバンド/アーティストの、それ以外の楽曲。
持ち時間20分なので、途中からはフェードイン/フェードアウトで次々入れ替える。

トリはもちろんthe GOLDEN RAT(画像は本番ではなくリハーサル時のモノ)。
驚いたことに、Mr.RATBOY(ヴォーカル、アコースティック・ギター)とHIROSHI THE GOLDEN ARM(エレキ・ギター)+ベースとドラム(どちらも外国人)…に加えて『we got a right』に参加していた岡島大源太(バリトン・サックス)まで登場というフルバンド編成。
(日本人の方が少ない)
THE STRANGLERS「No More Heroes」やRADIO BIRDMAN「Love Kills」など、アルバムで演っていた数々のカヴァーを、アルバムよりもずっとダイナミックなバンド・サウンドで披露していく。
見た目にはわからないがかなり気合入っていたのだろうか、Mr.RATBOYが早々にアコギの弦を切る。
困りながら「キース・リチャーズだってギター5弦だしな…」とか言ってたらNaruzy Suicideがギターを貸してくれた。
時間が押していたものの、ルー・リード「Rock And Roll Heart」で演奏を終えたあとには当然のようにアンコールがかかる。
で、アンコールがミッチ・ライダーの「Ain't Nobody White」というもの凄い(?)選曲だったんだけど、フロアはかまわず盛り上がっていたのでした。
お坊さんのような和装の岡島が異彩を放っていた…。


終演後、帰りを気にしなくて済むようホテルを取った(!)KADOI THE HEARTBREAKの楽しいDJ(実際彼の選曲が一番ウケてたな)を聴きながらしばらく飲む。
Mr.RATBOYは俺の選曲を気に入ってくれたようで、「You understand!!」と言われました。
俺がお金もらって文章書くようになる以前にやってたファンジン・LSD→DOLL→EL ZINEとずっと読んでくださっている方(多分世界に10人もいない)にお会いして驚愕。
俺が以前ブログで紹介したGOD(日本じゃなくてオーストラリアの方)のCDを「何処で買ったんですか?」と訊いてきたMASATO EVIL-EYEにも、思わず笑ってしまった。
(そんなこと訊いてくるのは君ぐらいだよ…)

しかしこちらは帰りを気にしないワケにはいかなかったので、後ろ髪をひかれつつ駅に向かう。
電車が遅れていて肝を冷やしたけど、どうにか湘南新宿ラインの終電で帰ってきましたよ。


次回の「NIGHT OF THE LIVING DOLLS」は4年後…ではないらしい。
(オリンピックじゃないんだからさ…)
俺の次回DJ(多分今年最後)は来月です。
そちらの告知はまた今度改めて。

FAUST/SO FAR(1972)

FAUST SO FAR.jpgFAUSTについては1stアルバム『FAUST』(1971年)、4th『Ⅳ』(73年)、それにレコメンデッド・レコーズから出た7inchを紹介したが。
一番大好きで一番たくさん聴いたのはこの2ndアルバムだ。
今更言うまでもない名盤だけどね。
『FAUST』同様、LPとCDで3枚持っている。

『FAUST』に続き、メンバーたちがコミューン生活をしていたヴュンメの廃校で録音されたアルバム。
しかし方向性はけっこう違う。
メンバーはルドルフ・ゾスナ(ギター、キーボード、ヴォーカル)、ジャン=エルヴェ・ペロン(ベース、ヴォーカル)、ハンス・ヨアヒム・イルムラー(オルガン)、ギュンター・ヴュストホフ(サックス、シンセサイザー)、ヴェルナー”ザッピ”ディアマイアー(ドラム)。
前作からアルヌルフ・マイフェルト(ドラム)が抜けた5人。
まあ元々ドラマー二人いる意味わからなかったけどねー。
クレジットはないが、ギュンターはトランペットも吹いているのでは。

透明なジャケットに拳骨(Faust)のレントゲン写真がプリントされていた『FAUST』に対して、こちらは裏も表も真っ黒。
裏ジャケットは完全に真っ黒で、曲目の記載すらない。
で、中にはレコード(CD)と一緒に、全9曲に対応した9枚のイラストが封入されている…という、またしても無駄に凝ったアートワーク。

1曲目「It's A Rainy Day, Sunshine Girl」からして、前作と全然違う。
連打されるフロアタムに、THE VELVET UNDERGROUNDばりの強力なリズム・ギター、そして”雨の日だよ、サンシャイン・ガール、雨の日だよ、サンシャイン・ベイビー”というまったく意味のない歌詞が延々と繰り返される。
ワンコード、ワンリフで7分半。
対して2曲目は端正なアコースティック・ギターをフィーチュアした小曲。
そして10分を超える3曲目「No Harm」ではサックスとオルガンをフィーチュアしたクラシカル、あるいは現代音楽的な曲調からいきなりノイジーなギターが暴れまわる、FAUST流のハード・ロック(?)に。
ここでも”父ちゃん、バナナ取って、明日は日曜日!”というまるっきり意味のない歌詞がひたすら絶叫される。
ここまでがLPのA面。

B面1曲目にタイトル曲「So Far」。
逆回転によると思われる不気味なイントロから、反復ビートと不穏なノイズが続く6分。
シンセかオルガンによると思われるノイズは、このアルバムの中でほとんど唯一前作に共通する要素。
続く「Mamie Is Blue」は、重苦しくノイジーな反復の中から、”ママは憂鬱、パパは憂鬱”という例によって意味不明なヴォーカルの繰り返し。
「I've Got My Car And My TV」では子供場組のテーマ曲みたいなイントロに続いて、メンバーと子供たちのコーラス、そしてその後『Ⅳ』に持ち越されることになるヘンテコなリフの反復…に乗るサックス・ソロ、からのギター・ソロ。
(このギター・ソロも「No Harm」同様、ハード・ロックのパロディみたいに聴こえる)
現代音楽的(?)な「Picnic On A Frozen River」とノイジーなコラージュ「Me Lack Space…」という30~40秒ほどの2曲を挿み。
最後は何故かヴォードヴィル風(?)の「…In The Spirit」で終わる。

全体に、妙な薄明るさ。
陰欝に響く「So Far」や「Mamie Is Blue」も、何処かユーモラスで人懐こさみたいなモノを感じさせる。
あちこちアヴァンギャルドでフリーキーな一方で、この人たち本質的にポップ。
個人的には何回でも聴けるアルバム。

バンドをやっていた頃、「It's A Rainy Day, Sunshine Girl」をずっとカヴァーしていた。
DJでも何度回したかわからない。


明日は「RETURN OF THE LIVING DOLLS VOL.2」@武蔵境STATTOです。
「It's A Rainy Day, Sunshine Girl」は回さんが。

EL ZINE VOL.57

EL ZINE VOL.57.jpgはい、EL ZINE最新号、明日発売です。


今回はTHE GO-DEVILSインタヴュー記事との連動企画(山路編集長からの依頼)で、”女性ヴォーカルのガレージ・バンド32選”というのをやりました。
以下のラインナップ。







AMY GORE & HER VALENTINES
THE AVATARS
BOBBYTEENS
THE BUNNIES
DARA PUSPITA
DEAD BAMBIES
THE DEBUTANTES
DEMOLITION DOLL RODS
THE DETROIT COBRAS
54 NUDE HONEYS
THE 5.6.7.8'S
45 GRAVE
キノコホテル
KO AND THE KNOCKOUTS
LADY DOTTIE & THE DIAMONDS
THE LET'S GO's
LUCY AND THE RATS
LULU'S MARBLE
MAMA GUITAR
THE MIGHTY MOGULS
MISS ALEX WHITE & THE RED ORCHESTRA
THE NOW TIME DELEGATION
THE PANDORAS
PAPPYS
THE PORTUGAL JAPAN
THE SHAGGS
THE SIRENS
THE STOOL PIGEONS
SUPERSNAZZ
THAT'S A NO NO!
V.A./DON'T RAIN ON OUR PARADE
V.A./WE AIN'T HOUSEWIFE MATERIAL


60年代風とか90年代風とかのいわゆる”ガレージ・パンク”じゃないのも混じってますが。
ともあれ60年代のインドネシアのバンドから現行の日本のバンドまで、古今東西いろいろ紹介してみました。
皆様、是非お読みください。


他の記事も興味深い。
CHAOS UKやCONFLICTのベーシスト、フランのインタヴューとか。
アメリカじゃなくてスウェーデンの方のS.O.Dのヴォーカリスト、ヨランのインタヴューとか。
MOB 47のインタヴューとか。
SMASH YOUR FACEのディスコグラフィとか。
トルコ(!)のハードコア・バンド(いたんだ…)DIE IN VAINのインタヴューとか。
そしてTHE GO-DEVILSのインタヴューとか。
今回も読みごたえアリです。
(そして次の号の原稿ももう4分の3ぐらい書いている…)

移り変わる感覚

ANGEL WITCH★.jpg久しぶりにMETALLIONのVol.3を読み返している。
スラッシュ・メタル特集の号。
1987年。
35年前(!)。
とても面白い。
(何年に1回か読み返す。ってか仕事しろ)

で、阿部洋介(OUTRAGE)のインタヴューが載っている。
(インタヴュアーは、今では翻訳家として知られる迫田はつみさん)
その中に、こういう質問があった。
「でもANGEL WITCHってNWOBHMの中でもマイナー寄りでしょ。そういうバンドに魅かれるのはどうしてなんだろう」

…”ANGEL WITCHってNWOBHMの中でもマイナー寄りでしょ”…!

今現在NWOBHMを聴いたり集めたりしている人の中で、ANGEL WITCHが”マイナー寄り”だと思っている人って…多分皆無ではないかと思うんだけど。
(むしろど真ん中だろう)
しかし、我が身を振り返って考えれば、35年前だったら確かにANGEL WITCHってマイナー寄りな認識だったかも知れない。
ANGEL WITCHに限らず、VARDISとかWITCHFYNDEとかGASKINとかJAGUARとかTYTANとかDEMONとかBLITZKRIEGとかHOLOCAUSTとか、マイナー寄りとかB級という認識だったような。

何度か来日しているANGEL WITCHはもちろんのこと、来日は今のところ実現していないけど予定のあったTYTANとかDEMONとかGASKINとかをマイナー寄りとかB級とか思う人は、今では少なそう。
国内盤CDが出ていたJAGUARあたりは、意見が分かれるかも。

今でも文句なしにマイナー寄りじゃないかと思うのは、FISTとかQUARTZとかじゃないかと思うんだが。
でもQUARTZをB級とか言ったらABIGAILのJEROさんあたりに怒られそう…。

しかしアレだ、よく思い出してみると、当時「MAIDEN一流、SAXON二流、SAMSON三流」とか言われてたぞ…。
SAMSONを一流と断言する人は今でも少ないような気がしなくもないけど、少なくとも三流じゃないよね。

そして、中古盤屋でANGEL WITCHやTHUNDERSTICKなんかのアナログ盤を買ってウハウハしていたのはそれこそ大昔だってことだ。
今では当時名前も知らなかったようなマイナーなバンドでもCD化されていたりして、昔マイナー寄りとか言われていたバンドは今やマイナーでもなんでもなくなっているワケであります。
感覚は時代と共に移り変わっていくことよのう。


…などと思いながらANGEL WITCHを聴いている。
(仕事しろ)