改めて紹介。
EMBRYOの3rdアルバム。
以前このブログで紹介した5thアルバム『ROCKSESSION』(1973年)と同時期(72年3月)のセッションらしいが。
しかしパーソネルは少し違う。
ここでのメンバーはクリスチャン・ブルヒャルト(ドラム、パーカッション、マリンバ、ヴィブラフォン、ヴォーカル)、エドガー・ホフマン(ソプラノ・サックス、ヴァイオリン)というオリジナル・メンバーに、デイヴィッド・キング(ベース、フルート、マリンバ、ヴォーカル)、そして60年代にドン・プーリンやヴォルフガング・ダウナーなどと活動していたジークフリート・シュワブ(ギター他)の5人。
初期2作に参加していたロマン・ブンカ(ベース)やハンズィ・フィッシャー(フルート、パーカッション、ヴォーカル)他がいなくなり、デイヴ・キングとシジ・シュワブが加入した格好。
『ROCKSESSION』でのマル・ウォルドロンのような黒人ジャズ・ミュージシャンの参加はなく、メンバー中アメリカ黒人はデイヴ一人。
『ROCKSESSION』ではベースが二人参加していて、どの曲が誰のプレイなのかよくわからなかったが、ここではデイヴが全編でリード・ベース的とも言うべき印象的なプレイを聴かせる。
前2作での、初期AMON DUUL Ⅱ(人脈的にもつながっている)に通じる混沌…がやや引っ込んで少しスッキリした一方で、『ROCKSESSION』以降に較べるとエスノ色はそれほど濃厚ではなく。
「King Insano」なんかに顕著な、アラン・ホールズワース在籍時のSOFT MACHINEあたりを思わせる変拍子リフの反復を聴かせる、ジャズ・ロックとなっている。
しかし、やはり『ROCKSESSION』同様、SOFT MACHINEやMAHAVISHUNU ORCHESTRAなんかに較べると、泥臭くいなたい感じ。
それがイイんだけどね。
そして、それほど濃厚でもない…とか言いつつエスノ色はやっぱりあって、「The Sun Song」でのエドガー・ホフマンのソプラノ・サックスとデイヴ・キングのヴィーナが絡む様子などはかなりワールド・ミュージック風、というかインド音楽風だ。
マリンバはカリンバっぽく響く。
トルコなどの移民も多かった当時の西ドイツにあって、ドイツ人とアメリカ黒人でジャズと民族音楽を融合し始めていたこの頃のアプローチも興味深いが。
EMBRYOはその後世界を遍歴して、どんどん本格的なワールド・ミュージックに傾倒していく。
まあそれと反比例するようにして、一般的(?)なサイケやプログレのリスナーからはどんどん縁遠くなっていったんだけどね。