
本日。
あちこちで興味深いライヴ/イヴェントがあり。
しかし体がひとつしかないところに持ってきて、仕事がアレなうえに所持金は超絶にヤバく。
昨夜必死で仕事して、どうにか時間を作って転がり込んだのが、3年4ヵ月ぶりのSILVER ELEPHANTだった。
「ProgTokyo 2022 Autumn」の3日目。
俺は開演直前にフロアに入ったので、椅子席はもう埋まっていて。
(観客の年齢層は高い。髪の白い人や髪のない人多数)
後ろの方で立って観た。
4時間半ほど立ったままでけっこうキツいモノがあったが、内容は大満足でしたよ。
一番手はイヴェント主催のACB(K)。
元OUTER LIMITSの荒牧隆子(ヴォーカル、ギター)率いる4人。
専任キーボーディスト不在ながら、森脇健(ベース)が兼任する小さなキーボードと荒牧が操るノートPCから、メロトロン音がガンガン出る。
(もちろんキーボーディストが生で弾く方が良いけどさ)
そして荒牧の、時にロバート・フリップ直系なギターに乗せて月本美香(浪漫座他)の歌唱が炸裂。
荒牧もリード・ヴォーカルを多く担い、月本との対比を聴かせる。
(インカムマイクが不調で途中からスタンドマイクに切り替えたが、ちょっと歌いづらそうにしていた)
”外伝”を付加した47分に及ぶ組曲「シブリングス」をフィーチュアした、1時間で2曲というステージ。
「シブリングス」最終パートで何故か荒牧がマスクを着けた…と思ったら、ギターを弾きながらフロアに突入し、大いに盛り上がる。
(ワイヤレスならでは)
セットチェンジの時間が30分近くあり、二番手のMitaraphina登場。
未藍千紗(ヴォーカル、キーボード)と宇治金時(ベース)を中心とする5人組。
正直全然知らなかった。
ぶっちゃけバックの演奏陣は、新加入の名手・菅野詩郎(ドラム)含めてまったく華がないのだが(?)、そこのところは未藍が一人で全部持っていく。
田中隆司のシンフォニックなキーボードをフィーチュアしながら、アラン・ホールズワース在籍時のSOFT MACHINEあたりを思わせるジャジーな展開を随所に挿み。
一方で未藍が時々いかにも80年代風なショルダー・キーボードの音色でソロを取りつつ、オペラティックに上下する歌唱を聴かせる。
そしてRaphy(ギター)が、レガートにE-Bowにグリッサンドと、様々な奏法をフル稼働。
シンプルなキットで笑顔を絶やさずドカドカ叩きまくる菅野も印象的。
こちらも1時間。
そしてタイムテーブル10分ほど押して、トリのデキゴコロ(画像)。
”非プログレ””陰欝なポップス”を宣言し、先日初ライヴを行なったばかりの”新人バンド”ながら、元PAGEANTの中嶋一晃(ギター)率いる新たなバンドとあって、堂々のトリ。
浪漫座別館などでボツになったプログレっぽくない曲を改めて披露する場として結成したのだという。
しかし、限りなく浪漫座に近い編成。
実際、非プログレという割にはプログレ色は濃い。
注目すべきは、赤いドレスにド派手なメイクで現れた、CRYSTAL ARROW~PLEIADEZのヴォーカリスト、廣田直子。
このブログでも以前から上手い上手いと書いてきたが…ナマで聴くと、とんでもなく上手い!
アニソンを思わせるようなメジャーコードの楽曲はもちろんのこと、途中で披露された夜來香「月光円舞曲」やPAGEANT「真夏の夜の夢」での、見事に過ぎる歌唱。
しかも京劇俳優か往年のピーター・ゲイブリエルかというメイクに、全身を使ったアクションを含む、巧みな表現力。
(この人なんでプロにならなかったの?}
それが、キーボード6台を操る前田里知のメロトロン炸裂なサウンドに乗るのである。
パワフルさでは80年代の永井博子にやや劣り、ドスの効き具合でも及ばないものの、それでもこれまでに中嶋一晃が組んできた歴代ヴォーカリストに勝るとも劣らない。
「真夏の夜の夢」では鳥肌が立つとともに目から汗が…。
MCで見せるファニーで陽性なキャラクターも印象的。
70分に及んだ本編の後、アンコールは廣田直子と月本美香のツイン・ヴォーカルによる「ヴェクサシオン」!
浜田勝徳(ベース)のアンプの前にレスポールがあったことからして、演るだろうなとは思っていたものの…。
再び目から汗。
中嶋一晃という、音楽で飯を食い続けることなく還暦を超えた男の音楽に、どうしてこれほど心を動かされるのか。
個人的には、どんなジャンルでも、売れたモノには一定の見るべきところがあるというのが持論だが。
一方で「売れたものが優れているという考えは間違っている」というフランク・ザッパの言葉を思い出す。