
1985年9月に結成。
87年7月に『CREST OF BLACK』でアルバム・デビュー。
88年に杉内哲(ヴォーカル)以外のメンバーが全員脱退するも、89年には新編成で活動再開。
90年12月に2ndアルバム『TOTAL STEEL』をリリース。
そして92年8月にリリースされたのが『TEARS』。
しかし93年に杉内が脱退し、バンドは以後27年間沈黙することになる。
1992年と言えば、個人的には一番メタルを聴いていなかった時期、ということになると思う。
(ROLLINS BANDやFISHBONE、NIRVANAやSONIC YOUTH、そしてPINK FAIRIESやMC5なんかを聴いていた。もちろんMOTORHEAD、BLUE OYSTER CULT、MERCYFUL FATE/KING DIAMONDあたりは聴き続けていたが)
ほとんど惰性で(?)BURRN!を買い続けていた頃だ。
このアルバムのことも、全然知らずにいた。
当時のメンバーはAkira Sugiuchi(ヴォーカル)、Hiroyuki Murakami(ギター)、Toru Nishida(ベース)、Kenji Suzuki(ドラム)の4人。
コレが…グランジ/オルターナティヴ全盛の1992年にリリースされたとはにわかに信じ難い、漢のメタル。
当時”日本のVENOM”などと呼ばれたらしいんだけど。
いや…VENOMと言うよりは、むしろTANKあたりをはじめとするNew Wave Of British Heavy Metal勢と80年代後半のスラッシュ・メタル/パワー・メタルの影響を、日本的とも言えるウェットな感覚と不可分に混ぜ合わせて練り上げたような、ヘヴィでタフな漢のメタルだ。
MOTORHEADあたりの影響ももちろんあったようだが、R&R色はわりと希薄で、徹頭徹尾重厚にして埃っぽい、ピュアなヘヴィ・メタルを聴かせる。
うはあ、こりゃカッコいい。
特に「Breaking The Silence Of The Night」とかの、初期TANKからR&Rっぽさを抜いてアグレッションと疾走感マシマシにしたような爆走ぶりには痺れずにいられない。
「Broken Heroes」なんかの、ミドルでザクザク刻む重いリフとかも。
METALLICAがアレだった頃に、コレですか、と。
このアルバムを出す約1年前の1991年10月にはSODOM初来日のオープニング・アクトを務めたというが、それも納得。
(そうか、SODOMの初来日って91年だったのか、と改めて思った)
”日本が文字通り世界に誇る”というのは、この後の展開からも明らか。
SACRIFICEが27年ぶりの復活を果たしたのは、2020年1月…アメリカに招かれ、MIDNIGHTやTOXIC HOLOCAUSTらを向こうに回してヘッドライナーとしてニューヨークでライヴを行なった時だった。
海外でそれほど愛されていたワケだ。
その後コロナ禍を経て、23年10月からは国内でもライヴ活動を再開。
結成40周年となる来年は1月にLAでヘッドライナーとしてのライヴ、その後も日本や各国でのライヴが予定されているという。
再発を寿ぐだけでなく、今後にも大いに期待、なSACRIFICEなのでした。
『TEARS - REMASTER』、20日リリース。